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ハルバード使いは異世界を謳歌するそうですよ

超究極キグルミ

13 騒動、買い物、肉!

「ゴエモンかぁ」

 城からの帰り道、ゴエモンなる人について考えていた。おそらくゴエモンはあっちの世界でいう五右衛門のことだろう。五右衛門。日本では有名な怪盗で一説によると、とてもいい人らしい。あとはこっちの世界のゴエモンが変な性格であることを祈るだけだ。すっかり夕暮れ時の大通りを眺める。復興もあらかた終了し、活気が戻っている。前と変わったところと言えば木造の家が増えたことだろう。材木の源は聖木様だ。明らかに邪魔だったので疾風の跡など夢の中全段五月雨斬で伐った。するとまぁ大量の木造が手に入った。復興にも使われたが俺のところにも少しある。今手元にはないが。

「明日中に用意を済ませて明後日出発かな。ムラサキさんは…明日誘わなくても当日でいいか」

 明日の計画をたてながら歩いているとすぐに宿へとついた。一階建てで格安の宿だ。扉を開けると誰もいなかった。寂しくなっていたフロントを抜けて自分の部屋へ入って布団に潜る。今まで沢山の事があった。突然神様にあったと思えば異世界転移して、戦ってたムラサキさんを助けたら国家反逆グループを潰したり、その関係でジャンヌダルクさんにあったり魔物の群れの討伐に参加して若干中二病の技を覚えたと思えばトランペッター戦…

「波乱万丈だな…もう眠い。寝よう」

 猛烈な睡魔に誘われて、シャワーも浴びずに寝てしまった。


 朝。心臓に悪い朝だった。大切なことだからもう一度、心臓に悪い朝だった。理由は一つ。ムラサキさんが俺の部屋に入ってきていた。朝目が覚めるとムラサキさんが隣で座っていた。一瞬侵入者かと思ってしまいハルバードを抜いて構えをとっていた。

「えーとコウヨウさん、ひとまずおはようございま」
「ムラサキさん。聞きたいことが二つあります。一つ目、どうやって部屋に入りました?」
「いえ、窓が全開だったので」

 部屋の窓を見ると確かに窓は全開だった。昨夜閉め忘れたのだろう。

「二つ目、なぜ来たんです?」
「明日に備えて準備するものを一緒に調達しようかと」
「はあ…」
「ちょっ、何でため息つくんですか?」

 ムラサキさんを誘わないと決めた理由。それは、

「今日は力仕事がメインですから、女性に無理をさせるのはちょっと…」

 女性であるムラサキさんに無理をさせたくなかったからだ。二人で準備した方が早いのは重々承知している。が、力仕事を女性にさせるのは抵抗がある。だから誘わなかった。

「…ふふ、やっぱりコウヨウさんは優しいです。でも、少し乙女心をわかってないみたいですね」
「いえ、親父の遺言にあったので」

 親父曰く、『乙女心を考えるのは結婚してから。それより前は身を滅ぼす』とのこと。

「ひとまず、私はついていきますよ?」
「…ここで断っても無駄ですね。わかりました、今日もお願いします」
「はい!」

 ムラサキさんは立ち上がると部屋を出ていった。俺の準備が終わるのを待っているのだろう。

「さっさと着替えますか」

 そのままで寝てしまった戦闘用のコートをハンガー(お手製。メイクという魔法で作った)にかけて、普段着…とはいってもコートの下にいつも着ている服…を着て背中にハルバードを背負って部屋を出る。

「お待たせしました。行きましょうか」
「はい!まずはどこへ行きましょうか?」
「今日はひとまず食料と生活必需品と…個人的に必要なものを揃えましょう」
「今日は?出発は明日ですよね?」
「ええ。残りの物は既に手を打ってあります」

 残りの物とは馬車と馬である。この二つは当日のお楽しみだが。

「ではまず食料から。ムラサキさん、お手を拝借」 
「え?」
「目瞑っててください。ワープ」

 一瞬辺りが白くなったと思えばそこは国一番の市場だった。どうでもいいが国一番の市場って若干ダジャレになっている気がする。

「とはいっても旅は初めてだから何を買うか…」
「コウヨウさん、旅人じゃなかったでしたっけ?」
「これまでは周りの旅人に助けてもらいながらこっちまで来たので。あの時はハルバードの腕だけが命綱でしたから」
「じゃあ二手に別れて買いに行きましょう。私は魚類を買ってくるので干し肉をお願いします」
「じゃあこれ代金です」

 と言って神鉄オリハルコン硬貨を一枚渡す。

「これでひとまず買えるだけ買ってください」
「は、はい…神鉄オリハルコン硬貨なんて初めて持った…」
「何か問題点でもありました?」
「いえ何も!では三十分後にここで」
「了解です」

 ムラサキさんは魚屋のある方へ向かっていった。俺も肉屋へ向かう。ムラサキさんが言っていた通りの道を進むと大きな肉屋があった。

「いらっしゃい…って兄ちゃんもしかしてトランペッター殺しか!?」
「その言われ方は気にくわないですが…一応そうです」
「はぁぁ…そんな有名人さんがこんな肉屋にどんな用で?」
「干し肉を貰いたいのですが」
「干し肉?何でまた?」
「ちょっとジャンヌダルクさ…陛下の使いでゴエモンなる人に会いに行ってきます」
「ゴエモン…ああ、蛇神か」
「蛇神?邪神じゃなくて?」
「そいつは…別だ。で、干し肉だっけか?どのぐらいだ?うちに干し肉を買いに来るやつはいねぇから大量にあるぞ。二百ぐらい。ゴエモンのとこに行くなら百もあれば足りると思うぞ。ただ、金は足りるか?一つ辺りの相場が銅硬貨一枚だぞ?」
「そうですか…じゃあちょっと多めに百五十ください」
「百五十!?…まぁいいか。じゃあ代金は銅硬貨百五十枚分だ」
「じゃあこれで」

 ポケットから出した神鉄オリハルコン硬貨を出す。

「し、神鉄オリハルコン硬貨!?ちょっと待ってくれ今計算するから…」
「金硬貨を一枚、銀硬貨五枚だと思います」
「…あってる。兄ちゃん本当に何もんだ?」「それムラサキさんにもいわれたなぁ。ただのしがない旅人ですよ」

 このまま旅人を演じるのも難しそうだ。





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