ハルバード使いは異世界を謳歌するそうですよ
2 悪党退治とジャンヌダルク
「このビルですかね」
「ここがグループの本拠地ですか…」
グリフィンに乗ってパルテナ王国に入った俺達は、サーチが示した場所へ降り立った。サーチが示していたのは小さな廃ビルだ。
「どうやって入るんですか?」
「え?簡単じゃないですか」
ムラサキさんは、ドアの前に立つとドアをノックした。中から「誰だ?」と声が聞こえたのを境にムラサキさんはドアを思いっきり蹴り飛ばした。
「…もうちょっとマシな入り方ないんですか?」
「いえ、こうやって騒ぎにすれば敵は群がって出てきますし。そうすれば、一気に捕まえられますよ?」
ムラサキさん。考えてることはわからなくもないですが、笑顔で言う台詞ではないと思いますよ?
「侵入者だ!同士たちよ!革命のため立ち上がるのだ!」
ムラサキさんの推測通り敵さんはすぐに現れた。出てきたのはやけにでかいハゲの爺だった。
「侵入者よ!何者かは知らぬが入った以上生きて帰れると思うなよ!」
ほんとだ。気づけば包囲されていた。敵は剣やら弓やらを持っていて目が殺意の色で光っていた。
「忠告します。今から十秒数えるので降参する者は武器をおいてその場に座りなさい」
ムラサキさんの忠告の通りにする奴は…いないか。最悪の場合無双状態になりそうだな。
「では、これより武力による制圧を開始します。王子、よろしくお願いいたします」
「はーい」
「ふん、たかが三人で何ができるかな?者共かかれ!」
一斉に動き出した敵達。だが全員バラバラで統制がとれてない。零点だな。とか思ってると敵の三人が王子向かって襲ってきた。しかし、王子は特にきにすることもなく
「フリーズ」
と、唱えた。するとまぁなんと言うことでしょう。さっきの三人はまるで氷の彫刻のような姿になったではありませんか。フリーズは敵対象を凍結させる魔法らしい。
「では私たちも」
ムラサキさんも剣を抜いて敵を切り捨てていく。負けじと俺もハルバードを振り回しながら敵を無力化していく。全員が無力化するまで三十秒もかからなかった。だが、今のところ大将らしき奴が出てこない。ということはあのハゲが大将か。
「コウヨウさん。サーチで大将どこにいるか探してもらえますか?」
「いいですよ。サーチ 対象:反逆グループの大将」
再び空に光が昇る。どうやら城の方へ逃げたらしい。くそ、逃げ足の早いやつめ。
「ムラサキさん。転移系統の魔法ってありますか?」
「ワープですか?でも、あれを使える人は中々いないはずですが…」
さっきサーチが使えたからワープも使えるだろ。
「ワープ 反逆グループの大将の近く」
パッと目を開けるとそこは大きな門の前だった。王子とムラサキさんも一緒に転移できたらしい。
「ほんとにコウヨウさんは何者ですか?サーチだけでなくワープまで使えるなんて…」
「その話はまた今度。いましたよ、あのハゲ」
目の前には兵士と話しているいつかのハゲがいた。
「本当ですね。スパーク」
するとハゲは支えるものがなくなったかのように地面に倒れた。これには兵士も驚いている。
「今のも魔法ですか?」
「ええ。私が使える数少ない魔法のスパーク…麻痺攻撃ですね」
麻痺攻撃か。有効活用すればとんでもない強さの魔法になるだろうな。ムラサキさんは兵士と話している。少し待つか?と思ったがそうでもなかった。しかも兵士を連れて来ている。
「コウヨウさん、今回はありがとうございました。あとは大臣をどうにかするだけですが…」
「隊長殿。ここはやはり切り捨てるべきではないかと」
おいそこの兵士。さらっと凄いこといったぞお前。大臣を切り捨てるとかヤバすぎるだろ。やめとけ。
「今回の犯人を大臣に見せて追求すれば早くないですか?」
「うーん…それでもいいですけど王が許してくださるかどうか…」
「お姉ちゃん、母さんに頼めばいいんじゃない?」
「その手がありましたか!」
「王子のお母さんですか?それなら…あ、でもどうやって侵入するんですか?」
「そこはまぁ…コウヨウさんが」
期待に満ちた目で見られる。またワープを使わないといけないらしい。疲れないからいいけど。
「お母さん!」
王子が目の前の女性に抱きつく。女性は身長が高く、顔立ちが綺麗でどことなく魅力が溢れている。
「あの方がジャンヌダルク陛下です」
「ムラサキさん。今回の護衛お疲れさまです。そちらの方は?」
「どうも。麻野甲陽と言います。ムラサキさんとは成り行きで」
「そうですか。たいしたお構いも出来ませんでしたがゆっくり…できないんでしたよね」
「お母様、お願いがあります」
さっきまでくっついていた王子がゆっくりと離れて険しい表情をする。さすが王家なのかどことなく威厳が感じられる。
「わかっていますよ。あの大臣の件ですね?」
「はい。それで手伝ってほしいのですが…」
「いいですよ」
ジャンヌダルクさんは誰もが見とれるような笑顔を見せた。きっと心の中も優しいは…
「私もあのクソ大臣をどうにかしたいと思っていましたから」
前言撤回。内面ヤバい。
「とはいえ相手は大臣ですよ?せめて国家に関係のある味方が一人ほしいですけど…」
「それなら私の戦友…もといい騎士団総大将に頼みましょうか」
ジャンヌダルクさんの戦友…ん?ここって現実と共通してるんだよな?
「あの、ジャンヌダルク女王陛下の戦友って…ジョンって名前ですか?」
「ええ。それがなにか?」
やっぱり。
「ここがグループの本拠地ですか…」
グリフィンに乗ってパルテナ王国に入った俺達は、サーチが示した場所へ降り立った。サーチが示していたのは小さな廃ビルだ。
「どうやって入るんですか?」
「え?簡単じゃないですか」
ムラサキさんは、ドアの前に立つとドアをノックした。中から「誰だ?」と声が聞こえたのを境にムラサキさんはドアを思いっきり蹴り飛ばした。
「…もうちょっとマシな入り方ないんですか?」
「いえ、こうやって騒ぎにすれば敵は群がって出てきますし。そうすれば、一気に捕まえられますよ?」
ムラサキさん。考えてることはわからなくもないですが、笑顔で言う台詞ではないと思いますよ?
「侵入者だ!同士たちよ!革命のため立ち上がるのだ!」
ムラサキさんの推測通り敵さんはすぐに現れた。出てきたのはやけにでかいハゲの爺だった。
「侵入者よ!何者かは知らぬが入った以上生きて帰れると思うなよ!」
ほんとだ。気づけば包囲されていた。敵は剣やら弓やらを持っていて目が殺意の色で光っていた。
「忠告します。今から十秒数えるので降参する者は武器をおいてその場に座りなさい」
ムラサキさんの忠告の通りにする奴は…いないか。最悪の場合無双状態になりそうだな。
「では、これより武力による制圧を開始します。王子、よろしくお願いいたします」
「はーい」
「ふん、たかが三人で何ができるかな?者共かかれ!」
一斉に動き出した敵達。だが全員バラバラで統制がとれてない。零点だな。とか思ってると敵の三人が王子向かって襲ってきた。しかし、王子は特にきにすることもなく
「フリーズ」
と、唱えた。するとまぁなんと言うことでしょう。さっきの三人はまるで氷の彫刻のような姿になったではありませんか。フリーズは敵対象を凍結させる魔法らしい。
「では私たちも」
ムラサキさんも剣を抜いて敵を切り捨てていく。負けじと俺もハルバードを振り回しながら敵を無力化していく。全員が無力化するまで三十秒もかからなかった。だが、今のところ大将らしき奴が出てこない。ということはあのハゲが大将か。
「コウヨウさん。サーチで大将どこにいるか探してもらえますか?」
「いいですよ。サーチ 対象:反逆グループの大将」
再び空に光が昇る。どうやら城の方へ逃げたらしい。くそ、逃げ足の早いやつめ。
「ムラサキさん。転移系統の魔法ってありますか?」
「ワープですか?でも、あれを使える人は中々いないはずですが…」
さっきサーチが使えたからワープも使えるだろ。
「ワープ 反逆グループの大将の近く」
パッと目を開けるとそこは大きな門の前だった。王子とムラサキさんも一緒に転移できたらしい。
「ほんとにコウヨウさんは何者ですか?サーチだけでなくワープまで使えるなんて…」
「その話はまた今度。いましたよ、あのハゲ」
目の前には兵士と話しているいつかのハゲがいた。
「本当ですね。スパーク」
するとハゲは支えるものがなくなったかのように地面に倒れた。これには兵士も驚いている。
「今のも魔法ですか?」
「ええ。私が使える数少ない魔法のスパーク…麻痺攻撃ですね」
麻痺攻撃か。有効活用すればとんでもない強さの魔法になるだろうな。ムラサキさんは兵士と話している。少し待つか?と思ったがそうでもなかった。しかも兵士を連れて来ている。
「コウヨウさん、今回はありがとうございました。あとは大臣をどうにかするだけですが…」
「隊長殿。ここはやはり切り捨てるべきではないかと」
おいそこの兵士。さらっと凄いこといったぞお前。大臣を切り捨てるとかヤバすぎるだろ。やめとけ。
「今回の犯人を大臣に見せて追求すれば早くないですか?」
「うーん…それでもいいですけど王が許してくださるかどうか…」
「お姉ちゃん、母さんに頼めばいいんじゃない?」
「その手がありましたか!」
「王子のお母さんですか?それなら…あ、でもどうやって侵入するんですか?」
「そこはまぁ…コウヨウさんが」
期待に満ちた目で見られる。またワープを使わないといけないらしい。疲れないからいいけど。
「お母さん!」
王子が目の前の女性に抱きつく。女性は身長が高く、顔立ちが綺麗でどことなく魅力が溢れている。
「あの方がジャンヌダルク陛下です」
「ムラサキさん。今回の護衛お疲れさまです。そちらの方は?」
「どうも。麻野甲陽と言います。ムラサキさんとは成り行きで」
「そうですか。たいしたお構いも出来ませんでしたがゆっくり…できないんでしたよね」
「お母様、お願いがあります」
さっきまでくっついていた王子がゆっくりと離れて険しい表情をする。さすが王家なのかどことなく威厳が感じられる。
「わかっていますよ。あの大臣の件ですね?」
「はい。それで手伝ってほしいのですが…」
「いいですよ」
ジャンヌダルクさんは誰もが見とれるような笑顔を見せた。きっと心の中も優しいは…
「私もあのクソ大臣をどうにかしたいと思っていましたから」
前言撤回。内面ヤバい。
「とはいえ相手は大臣ですよ?せめて国家に関係のある味方が一人ほしいですけど…」
「それなら私の戦友…もといい騎士団総大将に頼みましょうか」
ジャンヌダルクさんの戦友…ん?ここって現実と共通してるんだよな?
「あの、ジャンヌダルク女王陛下の戦友って…ジョンって名前ですか?」
「ええ。それがなにか?」
やっぱり。
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