ニート生活な俺のイラストレーターへの転生譚

パルメムース

第2章

あの日の翌朝――
「おはよー!クラマサぁぁぁぁー!!」


何事かと思い目を覚ましたらどうやらお隣さんが来たらしい。
このお隣さんというのが桐村恵美、俺の幼馴染で、初恋の相手だ。
お隣さんということもあり、いつもこんな感じで家を訪問する。だが
こいつは俺の家に来ると何かをやらかす。

「あー、クラマサ、新しい本買ったのね、どれどれ…」
と恵美は俺の本を読み始めた。 
すると、
「何これ、つまんない」

突然俺の本を投げて、捨てようとした。
「イヤっ、ちょっと、待て。なんで投げ捨てようとしてるんだ?」
「え、つまらなかったから」 
「これは俺の本でお前のじゃない」
と、マイペースなやつである。
こんな感じで俺の朝は始まる。



吉良須磨学園――これが俺と恵美が通う学校で男女合わせて1600人いる。
この学校の、始業式に出れなかった(当日がイラストコンテストだったため)
俺は今日が初登校ということだ。恵美は、友達と先に行ってしまい
俺一人で教室に入ることになった。扉を開けると知り合いが多いと思っていたが
思っていたより少ない。
「おっ、クラマサじゃん、何してんだよ、こっち来いよ」
すると中学からの顔見知りである野伊勢竜也がいた。
「どうした、竜也」
すると竜也は隣にいるやつの説明を始めた。
「こいつは篠村疾風」
あれ?この顔どっかで…
「こいつ、すげーんだぞ、絵の大会で優勝したらしいんだよ」
こいつは俺を負した、あのガリ勉やろーであった。
「やぁ、ムラマサ君、先日はどうも、君のイラスト中々良かったよ」
まさかの高校生、しかも同じ学校で同じクラスだとは。
この1年は厳しくなりそうだ。だがその時の俺はこの1年を甘く見ていた。

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