羽が配られたのですが、もしかしてバトルロイヤル的なこと始まっちゃいますか?

にゃしゃ

切り裂かれた日常

『皆さんにはこれからバトルロワイヤルをして頂きます。最後のチームには望むもの何でも差し上げましょう。』

はにかんだような声でそう告げられた。
男性のよりだが少し高めの声だ。
とても不気味だ…。

っと、こんな分析をしてる場合では無い。
俺の日常が今この瞬間。壊れようとしているのだ。
こんなにも嬉しいことは無い。



ー1時間前ー


(・8・)ジリリリリリリ
目覚ましの音が脳に響く。
うるせぇなぁ……
そう思いながらも重い体を持ち上げる。

「ふぁぁあ…もうこんな時間か…ってヤベぇ!?」

なんと、7:30だ。
高校2年生である俺からしたらまずい。
何故なら、
学校は8:30から始まる。
(えぇ…と、学校まで自転車で40分だから準備を10分くらいでしなきゃまずいな…ただでさえ学校で友達もいねぇーし、地味面だし、ウジ虫ヤローだし、更に遅刻で目立ったら終わりだ。変なあだ名が絶対につく。今でさえウジ虫やr…って、こんな事考えてる場合じゃねぇぇえ!?!?)


こんなにも長い文章を脳内では3秒で考え終わった。
一気に脳が活性化した気分だ。


ー8:20ー

「はぁ…はぁ…はぁはぁ…うっし…間に合った…」

ガタンッ

椅子に脱力させた体をおもむろに座らせる。(尻がいてぇ…カッコつけて思いっきり座るんじゃ無かった…)

(まぁいいか…こんな俺のこと見てるやつなんていねぇし。)

周りを見るとクラスの皆は楽しそうに会話している。

(つまんねぇな…。あいつも、あいつも、アイツも…全員不幸になればいいのに…。)

何故か、楽しそうにしてる奴らを見ると嫉妬心が湧いてくる。
(俺ってクソヤローだな…ははっ…こんなつまんねぇこと考える日常…ぶっ壊れねぇかな…。)

もう一度周りを見渡す。いつもの教室だ。

(はぁ…なんか面白いことねぇかな…。高1の時に付けられたウジ虫ってあだ名のせいで、誰も近寄ってこなくなったしな…。ボサボサの髪はしゃーねぇっての…寝癖付きやすいんだよ。ばーか…。)

一人でいると、どうでもいいことや不安なことがつい脳をよぎる。
それのせいか、いつも脳で独り言のように何かしら考えている。

ガラッ(教室のドアが開く)

先生が入って来た。

「お前らー!先生が5分遅れてきたからって、遊んでていいわけじゃないんだぞ!!」

(うるせーっての、遅れてきた方が悪いだろ…。)

なんて心の中で思うが、俺はちゃんと席についてる。
何たって、クラスには友達がいないからな。もちろん自分の席以外動く必要が無いのだ。

「席につけー!授業を始めるぞー。席にtu…」



ドォオオオオオオンンンンンン



ものすごい爆音が教室内に響く。



キャァァアアアア
               ウワァァアアアアア
        ギャァァア



教室内が混乱に襲われる。

(チッ…うるせぇよ……)
何故か俺は平常心でいた。
皆はたじろいでいる。
みんなの顔から、不安や恐怖が伺えた。
だが…俺は寧ろ、ワクワクしていた。
(やべ、顔にやけてないかな?)

慌てて周りを見渡す。殆どの人が、上を向いてる。
皆は俺の顔所じゃないらしい。
どうやら天井に穴が空いているようだ。

ガチャガチャガチャッ

「ッッ!!おい!!!教室のドアが開かねぇ!!」
「ほんとだ…!?開かない!!なんでよ!!」

数人の男女が騒いでいる。

(当たり前だろ…あんな衝撃がこの部屋に加わればドア自体が傾いて開かねぇよ…その足りねぇ脳みそで考えろばかか。)

と脳内で考えていた。
と言うか、天井には2mほどの穴が空いている。
ガレキも相当大きいが、誰一人にも当たってないのが不思議だ。
もう一度穴を見つめる。
どうしてだろう。
あんなに大きな穴だぞ…。
誰一人として死んde………!?!?

ンン!?!?穴の中に…。

人が………いる!?

は!?!?天井に!?!?
え、てか俺しか気づいてないの!?

すると、
そいつが大きく口を開ける。
(バカでけぇ……口…)

『『『やぁ!やぁ!!!皆さんこんにちわ!!!』』』

耳がキーンとなる。

教室が静まりかえった。

コメント

  • 結月  五紀

    面白いですが、ナレーションとセリフ…心の声などちゃんと分けた方がいいですよ…上からですいません。

    1
  • ゆっこん

    面白いです!楽しみに待ってます!

    1
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