目覚めると何故か異世界に!

味噌ラーメン

第41話 試される意思

「ようやく付きましたね」

「ああ、随分長かった気がするな」

俺たちはセブンスを出発してようやく、目的地の東の国へ辿り着いた

「やれやれ、思っていたよりも時間が掛かってしまったな」

「いえ、貴方の協力無しではこんな早くに着けていません感謝します」

そういってちょこんと頭を下げてくる俺の依頼主

「よせって、これも依頼の内だ」

「ありがとうございます」

「それにしても、、これは、、」

似ている、雰囲気は完全に日本の京都や奈良とか近い感じだ

「でも、時代的にはもっと現代よりも戦国時代とかそれくらいか?」

「シュウさん?大丈夫ですか?」

急に一人でぶつぶつ言い出した俺を心配そうに声を掛けてくる

「ん?ああ、すまない俺の故郷に似ていたもんでなつい見入ってしまった」

「そうなんですか?シュウさんの故郷は何という国なのですか?」

純粋な疑問だろう、東の国に似ている場所なんてこの世界には存在しない

「日本て所さ、もう、、戻ることはできないかもしれないけど」

「え?戻れないなんて、、どうして?」

俺には戻る場所も、待っている友もこちらで亡くしている、それに、、、

「まあ、色々さ、それよりこれからどうする?」

「気になりますが、いいでしょう」

ゴホンと咳払いをし話し始めるアスタルテ

「ひとまず、ここまでの護衛ご苦労さまでしたそしてここからは私の目的に手を貸して下さい」

「それは構わないが具体的にはどうする?」

行動する目的が明らかでなければ協力するのも難しい

「明日、この国の巫女様に会いに行きます、全てはそれからですね」

「巫女様ねえ、了解した」

取り敢えず今日は宿で休み明日に備えよう、面倒事が起きなければいいが




「朝か、、、東の国に着いたんだよな」

ここは、あまりにの日本に似ている

「行こう、アスタルテが待ってる」

巫女とやらには個人的に興味も有るしな

「おはようございます、では行きましょう」

「遅れてすまない、では行こう」

目的地はこの国の中心にある城、東城か

「そこの城にいるんだな、その巫女ってのが」

「ええ、何でも神託が受けられるらしく未来がみえるとか」

未来がみえるとは恐れ入る

「なるほどな、じゃあ先を急ごうか」

「ええ、それほど時間はかかりませんから行きましょう」

楽しみだな巫女、いったいどんな奴なんだ





「来ます」

突然呟く少女

「あ?何が来るんだ?」

その呟きに応えるのは槍を携えた男

「私の待ち人です、彼はこの世界にとって重要な役割を持っています」

「ほう、それは楽しみだな」

獰猛な笑みを浮かる男





「着きましたよ、ここです」

俺たちが到着したのは町の中心に聳え立つ城だった

「それで、巫女さんにはあえるのか?」

「ええ、彼女は私たちを待っていますから」

待っている?少し引っかかるがまあいい

「お前達、この城に何か用か?」

門の前にいた兵士?のような人間に声を掛けられる

「私の名前はアスタルテ=バン=クリイチェフ、巫女様の召喚に応じて参上しました、取次をお願いします」

「了解した、少し待て」

「おいアスタルテ、お前呼び出されていたのか?」

聞いてないぞそんなの

「お前らが、セブンスから来た冒険者か?」

そこにいたのは、槍をもった男だった

「ええ、私がアスタルテですあなたは?」

「俺は、この城に仕えている清正ってもんだ」

この男強いな、、、

「それで?坊主お前さんは?」

「あ、ああ俺はセブンスで冒険者をしている集という」

一瞬目を細めて集を値踏みするように視線を送ってくる清正

「ほ~少しは出来るようだな、少し付き合えよ坊主」

「ちょっと貴方失礼ではないですか?私達は巫女様に呼ばれて!」

アスタルテの言葉を遮り槍を向けてくる清正

「俺は嬢ちゃんの事は聞いているがそこの坊主の事は聞いていないんでね」

なるほど、俺の事は信用できないということか

「いいぜ、こっちとしても依頼主に何かあっちゃ困るんでな」

「はっ、いい目だ坊主付いてきな」

そういって城の中の開けた場所に連れていかれる

「それじゃ、ルールは特に無くてもいいな?」

「なっ!ルール無し!?」

おいおい、殺してもいいっていうのか?

「なに、安心しろよ殺しゃしねえって、、最もお前が信用ならないってんならわからんがな」

「なるほどな、なら全力で行かせてもらう」

ゆっくりと雷切を抜き構える

「良いねぇ、さあ始めようぜ!」

その瞬間、目の前に槍の先端があった

「あっあぶね!この!!」

なんとか槍の一撃を受け流し反撃を行う

「防いだか!悪くねぇ!」

こちらから距離を詰め追撃を行う

「こととら、伊達にこれまで冒険者をしてないんでな!」

刀と槍による一進一退の攻防が繰り広げられる

「はっ!いいねえ、そらそら!気を抜けばグサリだぞ坊主!!」

「てめえこそ!気を抜けば叩き斬ってやる!」

なんとか間合いを詰めて槍の間合いから懐に飛び込みたいが

「くそ!早えな、、!」

「そらそらどうした!」

神速の突きそれを受け流しながら反撃するのでやっと

「その程度の攻撃じゃ俺には届かねえぞ!」

「くっ、はああああ!」

スピードパワー共に俺よりの格上だ

「魔力を使えよ坊主、このままジリ貧だぜ!」

「くそぉ!」

距離を取り体制を整える

「さあ来な、待ってやるからよ」

「余裕だな随分と、ならお望み通り見せてやるぜ!」

集の体から雷の魔力が吹き荒れる

「いいねえ、そうでなくちゃな」

「後悔すんなよ!」

雷の刃と槍が交差する




なぜこうなったのか

「凄い、シュウさんもだがあの清正とかいう男相当手練れだ」

アスタルテの呟きに返答する声が聞こえた

「それはそうですよ、彼はこの城の守護を任されている方ですから」

背後から声を掛けられ一瞬強張るアスタルテ

「み、巫女様!」

「お久しぶりですね、アスタ」

そこにはこの国の事実上のトップである巫女と言われる少女がいた

「彼らの闘いしっかりと見ていてくださいね」

「ですが、このままではケガをしますよ」

両者の闘いは拮抗している、勝負がつくのは一瞬だろうだが

「確かに、負けたほうは大怪我でしょうが私はここで彼の器そして意思を試さねばなりません」

「それは、いったいどういう、、、」

見ていれわかりますと微笑む少女




「坊主!いい腕だその刃に曇りはねえ!」

「あんたこそ!相当強いな!」

身体強化までしたのに戦況は変わらず攻防は拮抗している

「だが、貴様の剣には誇りが欠けている!その力で何を成す!」

「誇りなんて俺には無いさ!けどな!」

そうさ誇りとかプライド何てものはない!けど!

「俺は!すべての人間を救える力も覚悟もない!それでも、自分の守りたい大切な物の為に戦うと決めたんだ!こんな俺を待っていて信じていると言ってくれた人の為に!」

「ならば!その為にお前は戦うのならそれを阻むものが現れたときどうする!!」

そんなこと決まっている

「それを阻むののがどれだけ大きく恐ろしいものでも関係ない!失うことが怖いから、もう二度と守れ無い事が嫌だから!」

そうさ、あの時の苦しさを忘れたことなんてない

「その為なら、何でもする!どこまでだって強くなる!」

無くす痛みも、胸を抉るような冷たさもその全てを力に変えて

「その為に悪魔だろが魔王だろが神だろうが!阻むものは全部倒して見せる!」

「ふっ、いい覚悟じゃねえか」

雷切と槍が激突しあたりを砂煙が覆う

「坊主お前の意思しかと見せて貰った」

「あんた、最初からそのつもりだったのか?」

そうやら俺は試されていたようだ

「お前さんしっかり男じゃねえか」

そういって背中をバシバシ叩かれる

「シュウさん!」

アスタルテが駆け寄ってくる

「凄い戦いでしたね、怪我はありませんか?」

「ああ、大した怪我はない」

その時聞きなれない声が返事をした

「それはよかったです」

そこにはこの国で巫女姫といわれる少女が居た

END

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