勇者であり魔王である

ばたふらい

第5話 王都

俺はある村のお陰で、一夜を過ごせた。そして翌朝、朝食を食べ済ませた後に村長がやってきた。
しかし、この世界の飯結構美味い。昨日食事もそうだし、いや冗談抜きで俺のいた世界より美味い。

「転生者様では王都に行きますか!馬車の中にお乗りください。多分、半日程度で済むと思います。」

村長はそう言って俺を馬車に乗せた。中は結構綺麗で荷物も少ししか乗っていない。

「行け!!」

村長の叫び声と同時に放った鞭で馬車は走った。30分間はボーとしていたが、流石にも飽きたので村長に質問をした。

「そういや、あの村に行った時ミアリちゃんがお久しぶりの旅人が来たって言ってたけど、そんなに来ないの旅人?」

ミアリちゃんとは俺があの村に行った時初めて出会った村娘だ。

「ええ確かに、10年前に来た旅人さん以来ずっと来てませんからね。ミアリはその時の旅人さんのお話に心を踊らされながら聞いていこうずうっと、旅人さんを待っていましたからね。」

「そういや聞くのを忘れていたけど、村の名は何?」

「あの村に名はありませんよ。何せあの村は隣国から逃げて来た者達が作り上げた村ですから。一応王都には認められてはいるのですが、名は禁じられています。何せ隣国からの脱走者が作り上げた村ですから。」

「ふーん」

俺は眠くなって来たので、体を丸めながらそのまま寝た。「転生者様、転生者様」という声が聞こえる。そこでやっと意識が戻り

「何だ、村長?」

「着きました。王都です。」

もう着いたのか、早いなと思っていると

「転生者様、私はお戻りになりますが、くれぐれも異世界転生したことは黙っていた方がいいと思います。この国は異世界転生した者は嫌われていますから。もし門番に用件聞かれたら、旅人と答えるべきです。」

そう言われながら俺は馬車を降りた。俺の目の前には大きな門が見え、その右下に小さな窓があった。そこに数人ぐらいの人が並んでいた。
多分そこが門番がいる場所と思い、俺も並んだ。かなりスムーズに進み、俺の番が来た。

「何しに王都に?」

かなり若い青年のような人がこの国の門番だ。

「旅人になりに!」

「いや、あの何しに来たかを?」

やらかした。

「その...旅をしにたまたまこの王都に来ました。」

「分かりました。では名前を」

名前...この世界であの世界と同じ名前を使うべきか?いや未練を残すかもしれないから断ち切るために...

「ナツ それが俺の名前だ。」

「分かりました。ナツですね、では中へどうぞ。」

こうして俺は王都に足を踏み入れた。


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