魂をもやして

瑠璃姫

4.

男性の方は住職、女性の方は私が部屋の案内をする事になった。


「こちらがお二人のお部屋になります。」 


「ありがとうございます。」


そうしてお部屋に入った。


「こちらの状況はどうですか?」


「あまりよろしくない状況です。妖怪達の力や数が増えていて、武士達の負傷者が増えていく一方で。」


「じゃあ相当体に負担かかってるんじゃない?結界で。」


「はい…。」


芙香の言うとうり。最近、結界の事で体に負担をかけている。


妖怪達を里に入れるわけにも行かないので、結界を強くしたのだ。それだけでも負担をかけるのに、妖怪達を跳ね返させるにも負担をかける。結界を維持するのにも霊力が必要だ。


巫女はそのため短命だ。


体にかける負担が多いために。


「何か不備があったらいってくださいね。」


「そんな事よりもさ、敬語じゃなくてもいいよ。」


「え?」


「もう仲間なんですし。」


と梛木さん。


「……うん。」


なんとか仲良くなれそう。良かった、いい人達で。


「あ、あと雅久には気をつけてね!」


「?何故?」


「性格が訳ありでして。顔もいいし実力だって申し分無いんですが、他人と深入りをしない方で。」
 

確かに、第一印象は話しかけにくい感じだったので少し納得が行く。


「口もだいぶ悪いから、覚悟してた方がいいよ。」


「うん。」


…そんなに悪い人なんだろうか。

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