根暗勇者の異世界英雄譚Ⅲ 〜闇魔法を操る最弱な少年の話〜

雨猫

Ep(3)/act.6 裏切りと相談


校舎裏には不良がいた。
どこの高校にも、アジトと言う名の校舎裏が存在するんだなぁ。
そして、驚くことにその場には、小島がいた。
 
「小島ァ、ちゃんと働いて偉いな」

なんだ?何の話をしているんだ?

「もちろんですよ鬼崎先輩!俺も早くこの一員に仲間入りしたいっす!」

小島が鬼崎のグループに仲間入りしたい?

「ちゃんとあの一年の奴から金貰ってきて、お前が悪なのはよーく分かった」
「あと2万あいつから持って来たら本当に入れてもらえるんですよね!?」
「もちろんだ、お前も鬼崎の名を使って動いていいぞ」

あの一年って僕のことだよな…。
僕から借りたお金、色んな理由があったとは思ってたけど、こんなことに使ってるなんて…。

飛び出す勇気のなかった僕は、すぐさまその場から逃げた。

教室では、何事もなかったように小島が僕に話しかけてくる。
僕は、いつも通りには接せれなかった。
そんな僕に気付いてくれた笹山くんは、僕を廊下まで呼び出した。

「どうした?何か元気ないようだけど」
「んん〜…」

言ってしまおうか迷った。当時の僕は言わなかったけど、これは試練だ。もしかしたら不安の原因はここかも知れない。

ここからは僕の過去とは違う。
僕は笹山に事の全てを相談した。

「小島くんが!?それは許せないよ!」

そう言って笹山くんは教室に戻った。
恐る恐る教室に戻ると、クラスは静寂に包まれていた。ただ一人を除いて。

「小島くん!なんて酷いことを!今すぐお金を返すんだ!」

小島は何も言い返せなくなっていた。

「こんな詐欺みたいな話…この件は先生方にも報告させてもらうよ」

僕はなんとなくこの後の展開が読めて、笹山くんにそれだけはやめてもらった。

不良たちに目をつけられないように、自分たちだけで解決しなければならない。

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