ファルダーミール -明日の世界-
No/4
Y公園についた俺と西城は、心霊現象の目撃が多かった七人寺と呼ばれる寺に向かう。
七人寺はY公園内の木々がたくさん生えている場所にあり、寺の本堂までは100段はある石の階段を上っていかなければならず、なかなかにつらい。しかも、本堂につくまでの階段道は街灯が一切なく、夜になるととても暗いため、とても不気味だ。そのため、この場所はよく若者たちが肝試しに来る。
「カヤト~疲れたよ~」
西城はカヤトに対して両膝に手をつきながら疲れたという意思表示を行う。
そんな西城の姿を見てカヤトは、こいつ何を言っているんだ?といった態度をとる。
「お前、普段から部活で体を使っているだろう?なんでそんなに疲れてるんだよ?」
「仕方がないじゃないか、部活じゃこんな長い階段を登ったりしないんだもん!」
いやいや、それにしたって疲れすぎだろう。
「カヤトこそなんで平気そうなんだよ」
「そりゃ~普段から鍛えているからだよ西城君」
カヤトは西城に向かってドヤ顔をする。
しかし、実際は呪力強化によって身体機能を強制的に高めることにより、筋肉に対する酸素の供給量を増加させているだけである。
「疲れた~疲れた......」
「いいから行くぞ」
カヤトは西城の横に立ち肩を貸す。ついでに、呪力を西城の体に流し込み強制的に疲労を回復させる。
「カヤト、今なんかしたか?」
「いいや、何もしていないが」
嘘である。カヤトは西城にはバレないように隠密の魔術をかけて呪力を流していた。
「ハァ~やっと登りきったぞ~!!」
西城は100段以上ある階段を登り切り、一種の達成感で満ち溢れていた。
なお、カヤトは粛々と階段を登りきり。登り切った先にあった鳥居門をサッサとくぐっていた。
「お、確かにここは幽霊とかが出やすそうだな。霊力が渦巻いている」
鳥居門を潜った先は、一般的な寺と何ら変わらなかった。
ただ一つだけ違うところがある。それは、御神体が存在しないこと。これでは、この場所に集まった霊力や自然的な力を制御することができていない。
なるほどな、合点がいった。
この場所に入った瞬間から霊力が満ちているとは思ったが、それもそうだろう。制御されていないのだから、集まるだけ集まって消化されていない。
こんな状況なら、心霊現象が多発してもおかしくないだろう。なぜなら、霊力溜まりは幽霊や妖怪にとっていい餌場なのだから。
もっと簡単に言うならば、車のアクセルをガムテープで固定して制御する人がいない状態で走らせているようなものである。
そりゃ、出ますわ。
「西城!こっちだ」
「え?ああ、ごめんごめんカヤト。で、どうしたんだい?」
「ここの霊力が御神体がいなくて上がる一方だから、仮で御神体を作って制御するぞ。呪具をつくるのはお前のほうが得意だろう」
「なるほどね~そりゃ~心霊現象発生しますわ~~わかった、御神体を作るから少し待っててくれカヤト、材料を取ってくる」
西城は神院内にある、御神木を丁寧に斬り、一つの小さな仏像を作る。
「あいかわらず、上手いな」
「そんなことはないよ、これをこうしてっと!これで大丈夫」
西城は御神木で作った仏像を境内におく。
「これでどのぐらいの効果があるんだ?」
「そうだね、だいたい半年ぐらいかな。あくまで簡易的な御神体だからね」
「半年か......半年もあればまぁ、大丈夫かな」
カヤトは半年の間に西城に本格的な仏像を造らせようと決意した。
「にしても不思議だねカヤト」
西城がふとそんなことを言い出す。
「どうしてだ西城?」
「いや、この寺などの配置がまるで何かの模様を表してるみたいなんだよ」
「ほう、それはどんな?」
「さすがにそこまでは分からないよ。でも、おそらく上空から見たらわかるんじゃないかな。ほら、ここの石畳の敷き方とかもそれっぽいし」
「なるほどな~それじゃあ確認してみるか」
「どうやって確認するのカヤト」
「それは、これだよ......スマホのアプリのgoolfe mapを使ってだよ」
カヤトは胸ポケットからスマホを取り出しアプリを起動する。
「……」
「ほぅ~」
西城の言った通りだったようだ。
「これは、魔法陣だね。しかも、西洋と日本の魔法陣の二つが使われてる。うん~~どんな儀式で、どんなか結果になるかわ分からないけど。危なそうだね」
西城は、カヤトのスマホに表示されたこの寺の上空写真を見て言う。
七人寺はY公園内の木々がたくさん生えている場所にあり、寺の本堂までは100段はある石の階段を上っていかなければならず、なかなかにつらい。しかも、本堂につくまでの階段道は街灯が一切なく、夜になるととても暗いため、とても不気味だ。そのため、この場所はよく若者たちが肝試しに来る。
「カヤト~疲れたよ~」
西城はカヤトに対して両膝に手をつきながら疲れたという意思表示を行う。
そんな西城の姿を見てカヤトは、こいつ何を言っているんだ?といった態度をとる。
「お前、普段から部活で体を使っているだろう?なんでそんなに疲れてるんだよ?」
「仕方がないじゃないか、部活じゃこんな長い階段を登ったりしないんだもん!」
いやいや、それにしたって疲れすぎだろう。
「カヤトこそなんで平気そうなんだよ」
「そりゃ~普段から鍛えているからだよ西城君」
カヤトは西城に向かってドヤ顔をする。
しかし、実際は呪力強化によって身体機能を強制的に高めることにより、筋肉に対する酸素の供給量を増加させているだけである。
「疲れた~疲れた......」
「いいから行くぞ」
カヤトは西城の横に立ち肩を貸す。ついでに、呪力を西城の体に流し込み強制的に疲労を回復させる。
「カヤト、今なんかしたか?」
「いいや、何もしていないが」
嘘である。カヤトは西城にはバレないように隠密の魔術をかけて呪力を流していた。
「ハァ~やっと登りきったぞ~!!」
西城は100段以上ある階段を登り切り、一種の達成感で満ち溢れていた。
なお、カヤトは粛々と階段を登りきり。登り切った先にあった鳥居門をサッサとくぐっていた。
「お、確かにここは幽霊とかが出やすそうだな。霊力が渦巻いている」
鳥居門を潜った先は、一般的な寺と何ら変わらなかった。
ただ一つだけ違うところがある。それは、御神体が存在しないこと。これでは、この場所に集まった霊力や自然的な力を制御することができていない。
なるほどな、合点がいった。
この場所に入った瞬間から霊力が満ちているとは思ったが、それもそうだろう。制御されていないのだから、集まるだけ集まって消化されていない。
こんな状況なら、心霊現象が多発してもおかしくないだろう。なぜなら、霊力溜まりは幽霊や妖怪にとっていい餌場なのだから。
もっと簡単に言うならば、車のアクセルをガムテープで固定して制御する人がいない状態で走らせているようなものである。
そりゃ、出ますわ。
「西城!こっちだ」
「え?ああ、ごめんごめんカヤト。で、どうしたんだい?」
「ここの霊力が御神体がいなくて上がる一方だから、仮で御神体を作って制御するぞ。呪具をつくるのはお前のほうが得意だろう」
「なるほどね~そりゃ~心霊現象発生しますわ~~わかった、御神体を作るから少し待っててくれカヤト、材料を取ってくる」
西城は神院内にある、御神木を丁寧に斬り、一つの小さな仏像を作る。
「あいかわらず、上手いな」
「そんなことはないよ、これをこうしてっと!これで大丈夫」
西城は御神木で作った仏像を境内におく。
「これでどのぐらいの効果があるんだ?」
「そうだね、だいたい半年ぐらいかな。あくまで簡易的な御神体だからね」
「半年か......半年もあればまぁ、大丈夫かな」
カヤトは半年の間に西城に本格的な仏像を造らせようと決意した。
「にしても不思議だねカヤト」
西城がふとそんなことを言い出す。
「どうしてだ西城?」
「いや、この寺などの配置がまるで何かの模様を表してるみたいなんだよ」
「ほう、それはどんな?」
「さすがにそこまでは分からないよ。でも、おそらく上空から見たらわかるんじゃないかな。ほら、ここの石畳の敷き方とかもそれっぽいし」
「なるほどな~それじゃあ確認してみるか」
「どうやって確認するのカヤト」
「それは、これだよ......スマホのアプリのgoolfe mapを使ってだよ」
カヤトは胸ポケットからスマホを取り出しアプリを起動する。
「……」
「ほぅ~」
西城の言った通りだったようだ。
「これは、魔法陣だね。しかも、西洋と日本の魔法陣の二つが使われてる。うん~~どんな儀式で、どんなか結果になるかわ分からないけど。危なそうだね」
西城は、カヤトのスマホに表示されたこの寺の上空写真を見て言う。
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