第27話　女子トイレの花子さん？　

　階段をのぼり終わり、目的の女子トイレの前へ着いた。

「入るか」

「本気で入るのかよカヤト」

「そうだが、どうした？」

「いや、その、何というか、いやらしいことをしているような気分になってな」

「気にするな、あくまでも調査の一環として入るのだから大丈夫だ」

そして、女子トイレに入るとそこには！

女もののパンツを被ったおっさんがいた。
「……」
「……」
カヤト、西城ともに思考停止中。
「ふがぁ、ふがぁ、いい臭いだ！女子高生の汗や体臭！柔軟剤の臭いや香水の臭い！そして便器から香るこころ震わす尿臭！素敵だ！！」
　思考停止中のカヤトたちを置いてパンツを被ったおっさん、もとい変態やろうはカヤトたちの存在に気づかず変態的な行為を行う。
「なあ、カヤトあれ通報したほうよくないか？」
　先に思考が再開したのは西城。
　「……あ、あぁ」
　カヤトの同意を得て胸ポケットからスマホを取り出し110番を押す西城。
　西城が通話ボタンを押す寸前カヤトが西城の通報をとめる。
　「あ、少し待った西城！いま通報したら俺達も捕まる」
　「え？ああ、そういえば俺たちも現状不法侵入してるんだっけ？学校だからつい」
　「俺もだ」
　「で、どうする？あのおっさん」
　「どうするって言われてもな、通報は出来ないし、うん〜、よし放っておこう！」
　「同感」
　
　ウィーン

　トイレの入り口が閉まり、俺たちは先ほど見た光景を忘れようと必死になっていると女子トイレのなかからけたたましい悲鳴が聞こえた。

　「ギャー！！」
　
　「なんだ！」
　「開けるぞ！」
　カヤトが再度女子トイレの入り口を開けると、そこには少女に抱きつきはぁはぁ言っているおっさんがいた。なお、抱きつかれている少女はおっさんに抱きつかれて怯えているのか、震えながらこちらをチラチラと見てくる。　
　ちなみに確認したところおっさんは実体があったが少女には実体が無かった。
　ではなぜおっさんが少女に抱きつけたのか？簡単な話である。おっさんには霊感があり霊力があったからである。
　なんてことを呪術を使い調べていたら少女がこちらに震えた声で話しかけてきた。
　「あの、助けてくれませんか？」
　少女の目元には涙が溜まっている。
　「……」
　
　
　
　