ファルダーミール -明日の世界-
第17話:刺されちゃった♪
「お前は教室に戻れ」
カヤトが西城に命令した。
「え、何でだよ?」
「あ、授業がもう始まるからだよ」
「なるほど、授業が始まるからか……いや、それ理由になってないよな!」
納得顔から怒り顔へと忙しいやつだ。
「馬鹿が、呪術で俺がいるように見せといておいてくれということだ」
「あぁ……そういうことか」
西城が手を前に出しポン!とした。
「古いなそのネタ」
「わかった、じゃ、教室に戻るは」
「頼む」
カヤトは西城に頼むが早いが前を走っている少女を停めるための呪術を行使した。
「アイス・スリップ」
カヤトが呪言を唱えると、廊下の気温が急激に下がり、少女の走っている前の床に薄い氷が張られていった。
「うわっ!?」
結果、少女は凍った床を踏み盛大に転んだ。
「うわっ、さすがにこれはやり過ぎたか……」
少女が痛そうに顔を擦りながらこちらを睨んできた。
鼻血が出ている。
「痛い…あなた見かけによらず酷い人なのね」
「すまない、だがそちらが逃げるからだ」
懐からポケットティッシュを取り出し投げ渡す。
「ありがとう」
「で、いったいなぜ俺の机に呪術を仕掛けたのか話してもらおうか」
カヤトは少女に向かって殺意を放ちながら聞いた。
「ひっ!そ、それは……君が西城さんといつも一緒に居るから」
「つまり嫉妬か?」
「はい」
「はぁ……くだらない」
このときカヤトは西城と関わるのを本気でやめようと思ったのであった。
「……ソード……油断大敵デスよカヤトさん」
背を向けた瞬間、少女がカヤトの背中を手刀で刺した。
大量の鮮血が飛び散り、カヤトの足元には血溜まりが広がって行く。
「くはっ、一体誰だ、お前さっきまでとは雰囲気が違う」
「ふ~ん、わかるんだ。流石だねカヤト君。私の名前は殺瑞って言うんだよ」
殺瑞は明るい声でカヤトに対して自分の名前を名乗る。
ついでといったように殺意はカヤトに刺した右手を抜く。
「ちっ!容赦がないな、この野郎が」
腹部からの出血量がヤバイ。
「えへ♪」
殺意は笑顔だ。
「ふぅ……はぁっ!」
身体中に呪力を巡らせ、自己治癒力を高め止血をする。
「うわ~すごいすごい♪そんなふうに止血するんだ〜」
「よし、とりあえずは大丈夫だな」
止血を終え、右手を閉じたり開いたりしながら体の調子を確かめる。
「第1封印解除」
そう唱えた瞬間、カヤトの身体から黒い霧状の何かが漂い出した。
固有名称
ブラックミスト
「さっきより、呪力が強まったみたいだね。君の呪力は珍しいタイプだね?おもしろい♪」
殺瑞は額に軽く汗を滲(にじ)ませながらそう答えた。だが、心の中では「かなりヤバイね♪」と殺瑞は考えていた。
「……行くよ」
この言葉が放たれた瞬間、カヤトは黒い霧を刀の形に収束させ殺瑞に向かって袈裟斬りをした。
キン!
剣と刀がぶつかり合い甲高い音が鳴り響く。
「なかなかやるね♪」
その言葉に返事をすることなく、カヤトは先程よりも黒く、いや、漆黒に染まった刀で切りかかる。
「うぅ……、痛いじゃないか!」
先程よりも強い呪力を宿した刀によって殺瑞の剣は叩き斬られ、胴体に軽い切り傷を負う。その傷口には黒い霧がまとわりついていた。
「なにこれ、斬られた傷口から何か流れ込んでくる……痛い、痛い痛い、痛い痛い痛い、やめて入ってこないで!?」
傷口から黒い霧が入り込み殺瑞の皮膚は黒く染まっていた。
「……」
「何をした!」
殺瑞は痛みと不気味な何かに耐えながらこちらを見下ろしていたカヤトに問いかける。
「固有呪詛(呪い)だよ、俺が解除しない限りその黒い霧が体内に侵入し続ける。痛覚と精神に直接作用するから普通気絶するんだが、お前タフだな。」
痛みにもだえ苦しんでいるためか殺瑞の顔は冷汗でぐしょぐしょだ。カヤトはそんな殺瑞に再度声をかける。
「どうする。もう二度と戻れないぐらいに精神を破壊されるか、大人しく負けを認めるか、どっちがいい?」
「だれが……負け……うっ!」
最後まで言葉を聞くまでもなくカヤトは刀を殺瑞の腹部に刺す。
「これが最後のチャンスだ、負けを認めるか?」
「あが…わかった……」
その言葉を最後に殺瑞は気絶した。
「これは……色々とアウトな絵図らだな」
俺は固有呪詛を解除し、涙と鼻水でぐしょぐしょ、胴体を斬りつけたせいで服はボロボロな殺瑞を見下げる。
傍から見たら確実にアウトだろう。
「面倒くさいが俺の家に連れて帰るか」
カヤトは殺瑞を抱え上げ窓から飛び降りた。
スタッ!
軽く着地をしたカヤトは自宅に向けて走り出した。途中、道端に落ちていたウンコを踏んでしまったのは内緒である。
カヤトが西城に命令した。
「え、何でだよ?」
「あ、授業がもう始まるからだよ」
「なるほど、授業が始まるからか……いや、それ理由になってないよな!」
納得顔から怒り顔へと忙しいやつだ。
「馬鹿が、呪術で俺がいるように見せといておいてくれということだ」
「あぁ……そういうことか」
西城が手を前に出しポン!とした。
「古いなそのネタ」
「わかった、じゃ、教室に戻るは」
「頼む」
カヤトは西城に頼むが早いが前を走っている少女を停めるための呪術を行使した。
「アイス・スリップ」
カヤトが呪言を唱えると、廊下の気温が急激に下がり、少女の走っている前の床に薄い氷が張られていった。
「うわっ!?」
結果、少女は凍った床を踏み盛大に転んだ。
「うわっ、さすがにこれはやり過ぎたか……」
少女が痛そうに顔を擦りながらこちらを睨んできた。
鼻血が出ている。
「痛い…あなた見かけによらず酷い人なのね」
「すまない、だがそちらが逃げるからだ」
懐からポケットティッシュを取り出し投げ渡す。
「ありがとう」
「で、いったいなぜ俺の机に呪術を仕掛けたのか話してもらおうか」
カヤトは少女に向かって殺意を放ちながら聞いた。
「ひっ!そ、それは……君が西城さんといつも一緒に居るから」
「つまり嫉妬か?」
「はい」
「はぁ……くだらない」
このときカヤトは西城と関わるのを本気でやめようと思ったのであった。
「……ソード……油断大敵デスよカヤトさん」
背を向けた瞬間、少女がカヤトの背中を手刀で刺した。
大量の鮮血が飛び散り、カヤトの足元には血溜まりが広がって行く。
「くはっ、一体誰だ、お前さっきまでとは雰囲気が違う」
「ふ~ん、わかるんだ。流石だねカヤト君。私の名前は殺瑞って言うんだよ」
殺瑞は明るい声でカヤトに対して自分の名前を名乗る。
ついでといったように殺意はカヤトに刺した右手を抜く。
「ちっ!容赦がないな、この野郎が」
腹部からの出血量がヤバイ。
「えへ♪」
殺意は笑顔だ。
「ふぅ……はぁっ!」
身体中に呪力を巡らせ、自己治癒力を高め止血をする。
「うわ~すごいすごい♪そんなふうに止血するんだ〜」
「よし、とりあえずは大丈夫だな」
止血を終え、右手を閉じたり開いたりしながら体の調子を確かめる。
「第1封印解除」
そう唱えた瞬間、カヤトの身体から黒い霧状の何かが漂い出した。
固有名称
ブラックミスト
「さっきより、呪力が強まったみたいだね。君の呪力は珍しいタイプだね?おもしろい♪」
殺瑞は額に軽く汗を滲(にじ)ませながらそう答えた。だが、心の中では「かなりヤバイね♪」と殺瑞は考えていた。
「……行くよ」
この言葉が放たれた瞬間、カヤトは黒い霧を刀の形に収束させ殺瑞に向かって袈裟斬りをした。
キン!
剣と刀がぶつかり合い甲高い音が鳴り響く。
「なかなかやるね♪」
その言葉に返事をすることなく、カヤトは先程よりも黒く、いや、漆黒に染まった刀で切りかかる。
「うぅ……、痛いじゃないか!」
先程よりも強い呪力を宿した刀によって殺瑞の剣は叩き斬られ、胴体に軽い切り傷を負う。その傷口には黒い霧がまとわりついていた。
「なにこれ、斬られた傷口から何か流れ込んでくる……痛い、痛い痛い、痛い痛い痛い、やめて入ってこないで!?」
傷口から黒い霧が入り込み殺瑞の皮膚は黒く染まっていた。
「……」
「何をした!」
殺瑞は痛みと不気味な何かに耐えながらこちらを見下ろしていたカヤトに問いかける。
「固有呪詛(呪い)だよ、俺が解除しない限りその黒い霧が体内に侵入し続ける。痛覚と精神に直接作用するから普通気絶するんだが、お前タフだな。」
痛みにもだえ苦しんでいるためか殺瑞の顔は冷汗でぐしょぐしょだ。カヤトはそんな殺瑞に再度声をかける。
「どうする。もう二度と戻れないぐらいに精神を破壊されるか、大人しく負けを認めるか、どっちがいい?」
「だれが……負け……うっ!」
最後まで言葉を聞くまでもなくカヤトは刀を殺瑞の腹部に刺す。
「これが最後のチャンスだ、負けを認めるか?」
「あが…わかった……」
その言葉を最後に殺瑞は気絶した。
「これは……色々とアウトな絵図らだな」
俺は固有呪詛を解除し、涙と鼻水でぐしょぐしょ、胴体を斬りつけたせいで服はボロボロな殺瑞を見下げる。
傍から見たら確実にアウトだろう。
「面倒くさいが俺の家に連れて帰るか」
カヤトは殺瑞を抱え上げ窓から飛び降りた。
スタッ!
軽く着地をしたカヤトは自宅に向けて走り出した。途中、道端に落ちていたウンコを踏んでしまったのは内緒である。
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