主人公が作者に文句をいってくるのですが‼~主人公は普通の高校生活を歩ませてもらえないそうです。

ほむほむ

第1章 第12話 帰ってきました

 「哀れな優徳よ、さようなら……もう会うことはないだろう」  やさしい作者は優徳の死を嘆き悲しんだのだった。
「おい、死んでねぇ~~よ!!バカ、作者。殺すな勝手に、全く何を考えているんだ。くらえ、正義の鉄拳!!」  優徳は作者の腹に向かってストレートパンチを叩き込んだ。
  「グェ……」  まるで首を絞められた鳥のような声を上げる作者。しかし、若干顔がにやけている。
  「ふ、全然効かないな」  なかなか、いいパンチだった。咄嗟の判断で後ろに飛ばなければヤバかった。    「本当に?」  優徳が笑顔で質問をしてきた。
  「あぁ、本当だ。お前のパンチなどへでもない」  強がって見ました、本当はヤバいのですけどね。
  「そうか……。じゃ、もう一発だな」  腕をポキポキと鳴らしながら作者に迫る優徳。
  「あぁ~。殺る気、満々にさせてしまった。強がらなければよかった」  口は災いの元と良く言いますが、本当だったんだな。しかし、私もただでは殺られませんよ。
  必殺、スライディング土下座。
  「すみませんでした!」  頭を床に擦り着けながら本気の謝罪をする作者。
  「仕方ないな、許してやるとでも言うと思ったか?残念だったな、問答無用だ!」
  あれ、いい感じに許す雰囲気だったのに、あれですか決意は固いって奴ですね。
  「くらうものか、去らばだ優徳よ。また、会おう!」    「おい、待て!?」  作者が遠ざかっていき、視界が白い霧で覆われていく。  待て、作者…………。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  「起て……下……い、ゆ……と…………君」  俺の名前を呼ぶ声がする。一体誰だ?
  「起て……下さい、ゆ……と……君」  わかったから、そんなに呼ぶな。今、起きるから。    

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く