僕はシバイヌぐるる

わかめうどん

僕はシバイヌぐるる 2 〜僕の朝〜

まだ僕は眠いのに、みんな僕の部屋の前を通るんだ。

お母ちゃんが通った後ろを、後ろ足だけで歩くれいれいがついて行く。
この前まで僕と同じ4本の足があったのに、なんで無くなっちゃったんだろう…
僕より小さかったのにな。

まだ眠くてゴロンしてると、えーくんとちゃーちゃんの声がして、お母ちゃんが
「ゴハンダヨー」
て呼ぶんだ。

僕はまだ眠い。

でもいい匂いがして鼻がムズムズして、お腹がぐるぐるって鳴くんだ。
でも僕は部屋にいるの。

かちゃかちゃ音がして、お母ちゃんとえーくんとちゃーちゃんとれいれいの声がしてると
お父ちゃん来た!
お父ちゃん!お父ちゃん!
はたけって所行こうよ!

「オハヨウ グルル  ハタケ二イクヨ」

お父ちゃんは僕の体についてる物にリードってやつをつけてくれた。
これがあると、外に出れるんだ!

「サキニ  オシッコ  イクヨ」

家を出て、モモばーちゃんのそばを歩くと
誰だい!誰なんだい!
モモばーちゃんが吠える。

おはよーモモばーちゃん!

ぁあああ?!?!?!誰だい!ごはんかい?!?!

また聞こえてないんだ。

「モモハ  ゲンキダネ」

お父ちゃんはモモばーちゃんに言ってるけどさ…
聞こえてないよ?

モモばーちゃんの次は家の中から吠える子に会う。
何言ってるか分かんないけど、あいつ嫌い!
僕より小さいのに!
おしりクンクンさせてくれないし!
お父ちゃん!早くハタケ行こうよ!

おしっこも済ませると、やっとハタケに行くんだ!
ここはね〜穴掘ってもいいんだぜ!
知らない匂いがするし、音もするんだ。
もう僕は気になって気になって!
だから今日もいっぱい掘るんだ!

あ!じいちゃんだ!

お父ちゃんが
「ジイチャン  ゴハンダヨ」
言うと、じいちゃんが
「アイヨ」
て言うの。
じいちゃんは僕のこと  イヌ  て呼ぶんだ。
イヌも僕なんだ!
あ!掘らなきゃ!

僕が新しい穴を掘ってると、じいちゃんは僕のご飯とお水をくれる。
ご飯はカリカリで、たまにゆで卵って言うのが乗ってたり、チーズもあったりして、じいちゃんが
「キョウハ  オカーチャンノ  キゲンガ  イイナ」
て言う。
キゲンがいいの?美味しいの?

そうそう、気になることがあるんだ。
いつもじいちゃんの後ろにいるのって誰だろう。
この前聞いたら
エークンタチノ  オバアチャン
て言ってた。
オバアチャン?
オバアチャンはいつもじいちゃんの後ろにいるけど、なんでじいちゃんは知らんぷりするんだろう。
んー分かんないから穴を掘ろう…



コメント

コメントを書く

「エッセイ」の人気作品

書籍化作品