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平凡男子の受難

安里あさ

act.38


「あ、柊真先輩・・・?」
「珍しいね。一般フロアに来るなんて」
「っ西道先輩じゃないっすか!」
「ほ、ホントだっ」

さっきまでわらわらと周りを囲んでいた奴らが俺の後方へ隠れる。
俺よりタッパでかいんだから無意味だろ・・・。
更に両脇を固めた男達は俺の腕をグッとつかみ直してくる。
痛いし暑いし動けないんだけど!?

「あ、西道先輩気づいた」
「ちょっ、お前ら離れろって!、」

俺を盾にするように張り付いてくる男達を振りほどこうとするがビクともしない。
これなら周囲を囲われてたさっきまでの方がマシだったよ・・・!

「っお前らいい加減離して、」
「結吏。何してるんだ?」
「っ柊真先輩!」

いつの間にか目の前には柊真先輩。
ん、あれ?
何かスイッチ入ってないか?
柊真先輩の剣呑な眼差しは俺の背後に向けられていて、

「いや、コイツらが、」
「西道先輩お疲れ様です。」

「ああ。沙弥?」
「はい。状況を説明しますと先程から付きまとい、トイレに行こうとする結吏に張り付いて離れようとしないのです」
「ヘェ、」

沙弥を見ていた目がコチラをじろりと見下ろす。

「ひぇっ、」なんて声と共に俺の体が軽くなるのを感じた。
はぁ、やっと離れた。

「結吏。」
「はい?わわっ、」

呼ばれたので返事をすると抱き寄せられて頭を撫でられた。
うん、安定の安心感。


「・・・お前ら、」
「「はいぃっ!」」
「結吏に不容易に触るな。あと、トイレなんて覗いてみろ?・・・全員まとめて絞める。」

不意にゾゾっと背筋が震えたけど、きっと柊真先輩の撫でてくれている指が耳に触れたせいだろう。

「「すみませんでしたーっ!!」」

柊真先輩の言葉を聞いた途端にその場にひれ伏す者もいた。
スゲェな、先輩。

「柊真先輩ありがとうございます!」
「ふっ、いや」

礼を伝えると微笑んでくれた先輩にスッと顎を掬われ反対の手は後頭部に当てられる。あ、キスされる、と柊真先輩のシャツを握りしめ反射的に目を瞑ろうとした時、


「柊真。遅れちゃうよ?」



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コメント

  • RAI

    更新楽しみにしています。
    これからも頑張ってください
    応援しています


    腐男子で良かった

    1
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