平凡男子の受難
act.33
あの後サンドイッチを食べさせてもらいながら、俺は一生分という程甘えて甘えまくった。
もう胸焼けするほどに。
「今日の結くん、すっごくかわいい」
そう言って俺をぎゅうぎゅう抱きしめてどこか満足そうな柊真先輩を見ると、何だか複雑な気分だ。
「(あれかな、お気に入りのオモチャ取られそうになった子ども...みたいな)」
そうだとしたら早い所その段階から卒業してほしい。大人になってくれ、切実にそう願う。
「結くん、あーんして」
「はい、あ〜・・・!」
「あれ?どうしたの?」
柊真先輩が持ち上げたサンドイッチに赤い物体が入っているのが見えた。
間違いない。その、赤いのは・・・
「っ俺結構食べてお腹いっぱいになってきました。先輩お腹空いてないですか?」
「んー、空いたかな」
「・・・柊真先輩ご飯食べたんですよね?」
「僕?食べてないけど」
「食べてないんですか?!」
まさかの返答に驚いた。この人さっきからせっせと俺の口に物運んでおいて自分は一口も口をつけてないのだ。
てっきり食べたとばかり思っていたのに
「もしかして皆も食べてないんですか?」
「いや、聖盟達は食べてたよー?」
「それでなんで先輩は食べてないんです?!」
まさかどこか体調悪いとか?
心配になり顔を覗き込むと、
「結くんが起きてから一緒に食べようと思ってたからね。」
なんて言われて俺はどことなく胸の辺りがきゅうっとした。
なんだ、コレ・・・?
「せんぱ、」
「それに結くんの寝顔見てたら時間もあっとゆう間で」
「・・・」
「そしたら結くん起きちゃってたから時間が無かったのもあるけど」
あはは、なんて軽く笑ってるけど俺が寝てる間ずっと顔見てたのかと思うとハッキリ言って引いた。
この人、顔の良さやカリスマ性なかったらただの変態なのでは・・・。
「結くん?」
「はぁっ。柊真先輩、お口開けてください」
「!」
「あーん、ですよ」
なんて言いながらサンドイッチを差し出して口に入れてあげる。
自分でやっておいて顔から火が出そうだ・・・!柊真先輩はよく平気で出来るよなぁ・・・。
「ん、おいしい。ありがと」
そう言って微笑んだ先輩の顔を見て、普段の柊真先輩の気持ちが少し分かった気がした。
(あーん、)
(あー、ふふっ。これもおいしいね)
(、良かったです。)
(そっちも食べたいなぁ)
(これですか?はい、)
(ん!ふふふっ。結くん、これトマト入ってたんだねぇ)
(あ・・・!)
(その内トマトも食べられるようになろうね?)
(え、いや、あの、)
(くすくす)
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