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平凡男子の受難

安里あさ

act.32


俺をテーブル近くまで運び床へと降ろした柊真先輩は、寝ている宮原先輩の逆側のソファーにドカッと腰掛けた。

そんな先輩を見下ろしながら有り得ない!と文句を垂れる。

「ったく!柊真先輩は強引すぎですっ」
「・・・ずるい。」
「え?」
「・・・2人で仲良しこよししちゃってさ、」

ブスっと方頬を膨らまして俺の方も見ない先輩にため息が出そうになる。

「なに子どもみたいなこと、言ってるんですか・・・」
「あーんな見つめ合って話して」
「いやあれは、」
「挙げ句にこにこ笑い合ったり照れ合ったり」
「いや、だから!」

どうしたら良いのか分からずに視線を逸らせば、

後ろのソファーに座っていた先輩3人と目が合った。
口パクやらジェスチャーやらで何か伝えてくる。

『ユウリっお前適当にあしらうなよ!』
『甘えてあげなよ~』
『詫びを入れて胸に飛び込むんだ。』

グッと親指を立てられる。
いや、何だそれ!

「(む、無理ですよそんなのっ)」
俺に出来るわけがない!

「柊真先輩、俺に親友出来たんだから喜んでくれたっていいじゃないですか」
「別に(ムスッ)」
「・・・俺の事どうだっていいならさっきのも別にいいでしょ」
「よくない(ツーン)」
「どうしたいのか分からないんですけど・・・。」
「・・・(フン、)」

拗ねた柊真先輩相手にお手上げで
先輩方に視線を移す。

「(この人どうにかしてくださいっ)」

そう助けを求めるとあちらも何か訴え返してくる。

『柊真先輩!で抱きついて』
『ごめんなさい・・・としおらしく謝って』
『大好き!でにこにこ笑顔』

はあ!?なめてるのか・・・!?
いや、この場合柊真先輩をなめてることになるけど・・・

『もっと機嫌取るなら』
『とりあえずベタベタ』
『とにかくおねだり』

・・・この人達、大丈夫じゃないだろ。

いけ!とか押せ!とか言ってるけど、体当りして大事故なんてことにならないですよね?すでに肩を(軽く腰も・・・)痛めてるんですけど。

俺が躊躇していると寝ていると思っていた宮原先輩がパチリと目を開けてこちらに視線を寄越した。
そして口元が動く。

『はやくしろ』

って、何で状況を把握し切ってるのか聞きたいし、何故押せ押せ派なんでしょうかっ!

目の前には機嫌を損ねた先輩1人。あとは全員俺の背中をせっつく先輩。
・・・俺もう帰りたい。

痺れをきらしたのか先輩方がまた何か言い出した。

『ユウリ!早くしないとさっきより酷い目に遭うの、お前だぞっ!』
『オシオキとか言ってエッチなことたくさんされちゃうよ~?』
『明日学校に来れないかもな』
『今ヤるか、後でヤられるかだな』

っやめろー!
さっきまで忘れてたのに思い出してしまったじゃないか!
とゆうか、俺がヤらなきゃヤられる側になるって事ですか!?何でだよ!

どっちみち被害を受けるのは俺っておかしくないか?


―でも、

アレより酷いって絶対嫌だな
・・・っええい!ままよ!

「わっ、!結吏?」

勢いよく柊真先輩に飛びつき、ぎゅぎゅっとしがみつく。自分の顔が真っ赤になっているのが分かる。熱い。

「と、柊真先輩!ごめんなさいっ!俺っ、学園に知り合いいないから友達が出来たこと嬉しくて、ついっ」
「結吏・・・」
「でも俺が、だ、だだ大好きなのはっ、柊真先輩ですから・・・っ、」
「っ結くん!」

「だから、えと、先輩が選んでくれたご飯が食べたいですっ」
「もちろんっ、いいよ!何にしようか」
「あ、ありがとうございますっ」

やった!なんか知らないけどめちゃくちゃ機嫌が良くなった!

達成感に満たされて先輩方を見ると『バカっ!こっち見んなッ!』と怒られてしまった。
なんでだろ?

「んー?結くんどこ見てるのかな?」

ぐぐぐっと両手で頬を包まれ、目を合わせた状態で顔を固定される。


「せ、先輩?」と答えて柊真先輩の手のひらに擦り寄れば、にこにこしながら「甘えたさん」と言われた。

・・・俺、嘘は言ってないぞ。


――――――

日本語ってむずかしいデスネ…

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