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平凡男子の受難

安里あさ

act.31


あの後―


2時間程してやっと目を覚ました結吏は周りを見渡し、
ぼーっとした頭で思い返していた。

そしてベッドに突っ伏する。

「っ!!(俺、消えてしまいたいっ!)」

色々されてる最中を先輩方に見られるなんて・・・!

気分はかなり最悪だ・・・。

どんな顔して先輩方に会えばいいんだと悩んでいると、


―カチャっ―

開いた扉から顔を出したのは柊真先輩だった。

「あ、」
「おはよ結くん。よく眠ってたねぇ~」
「はい。・・・っじゃあなくて、先輩どうしてくれるんですか!」
「?」
「俺、俺・・・っ!あんなっ、」

グゥゥゥ~

「・・・」
「・・・」

・・・どうしてこのタイミングで鳴るんだ!
腹の虫めっ!!

「んふふっ。お腹空いたよねぇ?お昼抜きだったし」
「あ、いやあの」
「こっちおいで~。ご飯用意してあるよ?」

そう言って柊真先輩は俺の腕を掴んで歩き出す。

「あっあのですね、」
「あ、皆もそろってるよー。」
「・・・!!」

最悪だ。

―――



「おっ!ユウリ!」
「治療した肩は大丈夫そうか?」
「元気でるから何か食べなよ~?」

「...肩は大丈夫そうです。ありがとうございます。」

何事も無かったかのように普通に話しかけられて内心驚きながらも答える。
いつも思うけど、この人達すごいよな・・・・・。

隣の部屋に姿を見せた途端話しかけてきた沙那先輩、美道先輩、玲先輩は円形のソファに集まって何やらゲームをしていたらしい。
中央にある丸いテーブルの上にはチェスやトランプが広がっていた。

その奥の窓近くにある四角いソファでは宮原先輩が一人寛いでいるのが見える。こちらを一瞥して欠伸した後、背もたれに凭れて目を閉じた宮原先輩。

寝るのかな・・・?
なんて考えていると部屋の入口が開いて
入ってきたのは―

「結吏っ!」
「沙弥!」

柊真先輩から離れて沙弥に駆け寄り手を取る。
沙弥は普段の落ち着いた表情ではあったが、目元が少しだけ赤くなっていて心配してくれてたのだと知った。

「結吏っ大丈夫?ごめんね・・・ぼく何も出来なくて」
「もう平気だから謝んないでよ!沙弥は俺のこと心配してくれて、相談にも乗ってくれただろ?何も、」
「違うっ、僕見てるだけだった、また・・・っ」
「それでいいよ」
「えっ?」
「居てくれるだけで心強かったし、何より沙弥を巻き込んだりしたら、俺後悔するっ!」
「そんな事・・・。っあの、もし、結吏さえよかったらだけど・・・」
「?」
「こんな僕で良ければ・・・まだ友達で、いてくれる?」

え?!

驚き言葉に詰まった俺を見て勘違いしたのか沙弥は落胆した様子で言葉を発する。

「やっぱり、駄目かな…?」
「いや違くて!何でそんなっ」
「僕あの後色々考えて・・・っ、こんな僕と一緒に居ても、結吏には1つもメリットなんて無いし・・・っ」
 「メリットとか関係ないだろ?俺が沙弥と居たいんだから!」
「結吏・・・ありがとう。」
「へへっ、なんか照れるなっ!」

お互い照れながらも笑い合っていると目の前に―シュッ!と手刀が降りてきた。

身を引き、目を見開きつつ犯人を見遣る。

「はいはい離れてー。」
「柊真先輩?!」
「西道先輩・・・!」
「2人ともお互いにちゃんと理解した上で仲良くなりたいってことでしょ?だからお友達、親友!ね!」

柊真先輩は俺と沙弥の手を取りお互いの手を結んで上下にブンブン振る。

「親友、か」
「沙弥、これからもよろしくな!」
「・・・(ニコ)うん、こちらこそ。」

俺は嬉しくてほこほこした気持ちで沙弥を見た。沙弥もきっと同じ気持ちでいてくれてるような気がして頬が緩む―

「はい!おしまい。」

急にガシッと抱き上げられて
現実に引き戻された。

こんな事するのは一人しかいないのだけど、

「せ、先輩っ」
「じゃあ解散ね~」

沙弥に向かって帰っていいよ?と言葉を掛けて片腕で俺を肩に担ぎあげ、片手をヒラヒラ降って歩き出す先輩。

ちょっと!沙弥が固まってるじゃないか!

「っ、失礼しました。」

そう言って踵を返した沙弥へ感謝の言葉とまた明日!の声を飛ばす。
俺の声は無事届いたようで沙弥は俺に手を振ってから部屋を出ていった。



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