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平凡男子の受難

安里あさ

act.29


「せ、先輩方・・・?」
「どうゆう事ですかっ?」

俺を批難していた男達が焦った声で聞き返し、それに対して応えたのは―


「そのままの意味だ。お前ら、結吏に手ェ出しやがって覚悟しろよ?」

床に正座した俺に手を差し伸べてきた柊真先輩だった。

男達が青くなっていくのも見ずに俺を立たせた柊真先輩は服についたホコリや砂を払ってくれてから頭をクシャりと撫でてくる。
そんな俺らの様子を見ていた1人が声を荒らげる。

「コイツに触れたら、きっと・・・っ貧乏が移りますよ!」
「そ、そうっすよ!」
「(ギッ)」
「ひぃ・・・!」

先輩の睨みで1人は腰を抜かして、1人はガチンと固まった。
ソイツらを抜かして柊真先輩が声を掛けたのはそのグループの中でも身長が飛び抜けた、

「ああ、やっぱり。結吏の事傷モンにしたの、お前だったんだな?」
「っ!!」

俺の頭を掴んで壁にぶつけ、学校に来れなくしてやるとか言っていた男
神堂しんどうだった。

「っソイツがわるいんスよ、一般人のクセに弁えもせずッ!先輩もそんなヤツと関わらない方がいいですよ?」
「お、おい!!」
「やめろって・・・!相手は西道先輩だぞっ!?」
「黙れよ!!・・・っゴミをゴミ扱いして何が悪いんスかっ!?」

その言葉を聞いて柊真先輩が1歩、
また1歩と怒鳴る男と距離を近づけていく。
ヤバイ・・・っ!


「・・・ふざけんな。それならお前はゴミ以下だ。」
「っ!」
「オマエだけは一発殴らなきゃ気が済まねェ。歯ァ食いしばれ。」

先輩が拳を引き、

「や、やめて下さい・・・っ!」

振り抜く前に、両手を広げて相手の前に立ちふさがる。俺の後ろで神堂はフラリと床に座り込んだ。

「・・・何、してんだ結吏?そこを退け。」
「っ退きません!」
「ワガママ言うな。・・・退けっ!」
「嫌ですっ!」
「・・・ッチ、」

ス、と逸らされた視線を見て先輩の拳を抱き込み抑える。

「・・・こんなやつ、先輩の手を痛めてまで殴るような価値ないですよ。俺、先輩のこの手が好きだから、こんな事に使わないでほしいです。」
「結吏・・・。っハァ、分かった。」

拳を解いてポンと頭に手を乗せられる。その手で「大した奴だな」とぐりぐり撫でられた。


「・・・それじゃあ美道、呼んでくれ。」
「ああ。」
「??」

呼ぶ?何を、

―ガラッ―

「この馬鹿息子っっ!」
「またお前はっ!人様に迷惑をかけたのかっ!」

ぞくぞく入っていきなり怒鳴り始めたのは妙齢の男性や女性。

・・・えっ?息子ってことは、

「これがいわゆる、保護者召喚だな。」
「保護者?・・・え!!呼んだんですかっ?!」
「ああ。柊真の考えで、な。」
「はぁ?!」

こどもの喧嘩に親呼ぶなんて、何考えてんだ?!
一気に騒がしくなった食堂、逆に男達は小さくなっている。
そりゃ、大学生にもなって親呼ばれたらなあ・・・

「結吏、お前が言ったんだぞ」
「へ?」
「"オレ"には、口出ししてほしくないって」
「えっ」

『先輩に口出ししてほしくないっ』
・・・確かに俺はそう叫んだ。
何だか力が抜けて、ガクリと膝を折る。

「でも結局口どころか手ェ出しそうだったけどな。」
「まあまあ。俺らは話し聞きにきただけ、って事でいーんじゃない?」
「あれだけ自分たちから話しちゃうなんて言い訳もできないよねー?」

「保護者呼びつけるなんて・・・」
「馬鹿息子の行いは、育てた親の責任でもあるだろ」
「まあそうですけど・・・」

だからってこれはどうなんだ、と考えていた俺を柊真先輩はすくい上げて俵のように肩に抱えた。
え!!?

「肩、治療しないとな。」

そう言って歩きだした先輩の顔は
俺からは見えなかった。



―――

まとまりがないのは通常運転・・・^q^
次いちゃいちゃします。注意。

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コメント

  • 砂糖漬け

    更新が早くて嬉しいです!イチャイチャ、楽しみにしてます(>ω<〃)~♡

    4
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