話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

平凡男子の受難

安里あさ

act.27


「何その顔。18に見えない。」
「・・・沙弥ひどくない?」

夜中遅くまで起きて先輩を待っていた俺は結局あまり寝れずに朝を迎えて。
ご飯もまともに食べず(パン焼いて焦がして、スープ作ったら甘かった・・・)、朝の講義を受け終わってから沙弥と合流して食堂にいた。

俺は今日の講義は終わったけど、沙弥はあと一コマあるらしく、それならと寮には帰らずに食堂に同行したのだ。

結果クマが出来、顔色も気分もブルーだ。


「そっか。西道先輩帰ってこなかったんだね・・・」
「ああ・・・。」

昼食を受け取るために列に並び、昨日の事を話す。周りはガヤガヤと騒がしくお互いの声を拾うのにも苦労する程だ。

「こうなってみるとさ、俺、柊真先輩との繋がりが何も無いんだなって思って・・・。特進入れないし連絡先とかも知らなくて・・・」
「ぼくも一緒にっ、」
「いや、沙弥は巻き込みたくないんだ。・・・俺、これ以上迷惑かけたくないし、」
「っ友達なのに?」
「・・・友達だからだよ。沙弥が傷つくのも、先輩が人傷つけて痛い思いするのも、嫌だから。」
「結吏・・・」
「んー、まあ何とかなるだろ!」
「何それ、無責任!」

話して少し元気になった俺と沙弥がくすくす笑い合っていると、ドンッと背中に衝撃が走った。

急いで後方を見ると、

「っ?あっ!!」
「イッてぇな!?って、お前っ!」

なんと、俺にぶつかってきた生徒は昨日絡んできたグループの一人だったのだ。
俺は相手と向き合い、沙弥を後ろに押しやる。

「お前なァどこ見てんだよ!」
「っ、今ぶつかってきたのはそっちだろ?」
「はぁ?!チョロチョロんな所で突っ立ってるから悪ぃーんだろうがっ!」
「何っ?!」

言い返そうと睨みつけた時、食堂の奥が何だかざわつき始めた。
そんな事お構い無しに相手はどんどん罵声を浴びせてくる。ソイツの声を聞いて仲間が集まり始めてあっという間に昨日と同じ状態になってしまった。

「(くそっ!人数揃いやがった…っ)」
「あれー?コイツ、昨日のオニイサンじゃん!」
「また俺らと遊びたいのー?」
「ぼくちゃん今日はお金持ってきたのー?」

ギャハハっ!と笑われて段々と頭に血が登る。
拳を握り締めて声を張り上げた。

「言いたい放題言いやがって、いい加減にっ」


「おい、邪魔だ。」

気づけば静まり返っていた食堂に響いた通る声。
急に目の前にいた男が横に押しやられ、聞こえてきたのは最近よく耳にしていた声だった。

「退け。」

「え....、先輩・・・?」

ジィっと見下ろされて一瞬ビクリとするが昨日からずっと考えてきた事を思い出した。
言うなら今しかないっ!

「柊真先輩っ!昨日は、」

―ドンッ!―

思い切り肩を突き飛ばされて音を立てながら床に転ぶ。
一瞬の事で頭が真っ白になってしまった。


「平凡男子の受難」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く