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平凡男子の受難

安里あさ

act.22


俺は今、めちゃくちゃ不安です。

「さ、沙弥!まさかここに入るのか?」
「?そうだけど。」

マジか。

俺はてっきり空き教室とか屋上とか食堂とか。
そんな所で誰かと沙弥は待ち合わせをしているのだと思っていたのだ。それなのに、目の前にはそびえ立つ重厚な扉。

俺はここ数日(2日だけど)で学んだのだ。
この学園は上と下の格差が凄くていわゆる特進と呼ばれる上流階級が存在する。
そして目の前の扉は明らかに一般フロアとは造りが異なる。

「(ってことは、ここ特進フロアじゃねえのか!?)」
「行こうか」
「いや、ちょっと沙弥っ、」
「どうしたの?」

どうしたのじゃない。
俺はドアノブに手をかけた沙弥を引っ張り扉から離す。
沙弥は沙那先輩の弟だから特進フロアに存在していてもおかしくはないだろうが俺は違う。
俺は一般フロアでもバカにされるレベルなのだ。こんな所に入ったら退学になる。

―ドンッ!!―
「~~~~っ」
「!」
「~~~!!」

そして、この中から聞こえる騒音は何だ!?

「沙弥ここってアレだろ!?特進のっ」
「うん。そうだけど」
「~っ、沙弥!せっかくだけど今回は遠慮させて貰う!」
「な、何で?」
「だってここ特進だろ!?俺ここにいたら退学なんだよっ」
「え?」
「そう聞いたんだ!先輩達n」
―バンッ!!!―

「うるせぇ!扉の前で騒いでんなよ!!」

あんなに重たそうな扉が勢いよく開いて
怒鳴られたことで俺は軽くパニックだ。
反射的に沙弥の後ろに隠れる。

「ん?なんだよ沙弥か」
「黒崎。お疲れ様」
「おう。ん?・・・おい、お前!」
「っ(ビクッ)」
「チッ、隠れきれてねぇからな。引っ付いてないで出てこいってのッ!」

沙弥と引き剥がされ、ジロジロと観察される。

「ハッ、お前特進じゃねえだろ。退学覚悟で沙弥に付いてきたのか?あ?」
「え、いや俺は、そんなんじゃっ」
「違うよ黒崎。結吏はぼくの、」

「あれー?結くんだっ」

目の前の黒崎に見下ろされて小さくなっていたら、今朝別れたばかりの先輩にすっと抱き上げられた。
反射的にしがみつく。

「ととと柊真先輩?!」
「ふふっ、まさかそっちから来てくれるなんてね~。いらっしゃーい!」
「は、ちょっ」
「こっちこっち!もうご飯届いてるから早く食べよう!お腹空いたでしょ~」

俺を抱き上げ意気揚々部屋に入る先輩の肩越しに、唖然とした表情の沙弥と黒崎さんの顔が見えた。




(せ、先輩ちょっと、ってなんすかこの部屋の壁壊れてますけど?!あの机とか割れてるじゃないですかっ!)
(ふふっ、ヤだなぁ。何でだろうねぇ?)

(なんでだろうって・・・あ、先輩方!お疲れ様です)
(ああ、お疲れ・・・。)
(お前ェ、空気読めたんだな)
(へ?宮原先輩どうゆう意味で、)
(よかった・・・よかったー!ユウリ来てくれてー!)
(うんうんっ!ナイスタイミングだねェ!)
(うわっ、なんで沙那先輩も玲先輩もそんな感動してるんですか?!)
(いや、お前に会えて嬉しいのではないか・・・)
(・・・美道先輩、大丈夫ですか?)
(ああ、平気だ・・・。それよりも柊真を任せたぞ…)
(え?柊真先輩を?)

(んふふっ、結くん喉乾いたんじゃなぁい?ジュース飲むでしょ?オレンジとね、グレープと・・・)
(柊真先輩は、楽しそうですね・・・)
(ふふっ)
(と、とりあえず降ろしてもらっても、)
(ん?なあに?リンゴがいいの?)
(いや、膝から降ろ)
(お菓子はご飯の後に食べよーねっ!)
(あの、俺を降)
(はい!フォークとお皿~)
(・・・ありがとうございます)
(どういたしまして~、ふふっ!)

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