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平凡男子の受難

安里あさ

act.13 *



「と、柊真先輩っ、」
「どーしたの?」
「どう、と言いますか…あの、」
「んふふっ早く洗っちゃいなよ。あっ、それとも」
「?」
「洗ってほしいの?(二コ)」
「・・・」

半ばヤケクソで髪を洗う。
泡が飛ぼうか知ったことかっ!


・・・少し状況を整理しよう。
今日俺は入学式を迎えて晴れて大学1年となったが馴染めずボッチ決定。帰りに便所で陰口聞いて、しかも戸に額をぶつけた。

寮に行けば先輩に押し倒され、部屋変えられて殴られて膝上で耳に噛みつかれ、更には餌付けされると言う地獄のような時間がやっと、やーっと終わった..。
(ほかの先輩方は各自部屋に戻られた。帰る前に苦笑されたけど・・・何でかな?)

今から一人の時間を満喫だ!と息巻いて風呂に駆け込んだのに・・・なんで、

「違いますって!なんで柊真先輩ここにいるんすか!」

「え、入っちゃダメ?お風呂は共有スペースだよ?」
「っ知ってますよ・・・!」

もちろんこんな広い風呂場が全部自分のモノだとか思ってもいない。
そうじゃあなくて、何が嬉しくて今日会ったばかりの男同士で風呂入んなきゃいけないんだ!銭湯でもねぇのに!

俺はちゃんと入る前に確認した。
「先輩、お先にどうぞ」と言ったら「んー・・・、いいよ、先入っておいで~」って返したのはアンタですよね?

つか、何普通に頭流して体洗い始めてんだっ、出て行く気は微塵も無いのかこの人!と睨みつけてハッとした。

背筋やば、

「ふふっ、そんなに熱い視線送らないでよ~」

茶化したように笑う先輩と目が合い、目線を外す。どう鍛えたらあんな筋肉つくんだ?俺だってヒョロいわけじゃないのに・・・。

「ふぅ~お湯加減丁度だねぇ」
なんてじいさんみたいな台詞は似合わない筈なのに、それすらもはまってみえるのが不思議だ。


「結くんは温泉とか好き?」
「へっ?まあ、好きな方ですかね」
「そうなんだぁ、長く浸かれちゃうタイプ?」
「んー、まあまあじゃないですかね」
「そっかぁ、たまには長風呂も気持ちいーよねぇ~」
「そうっすね」

そんな会話をしながら体を洗い、俺も湯に浸かった。俺の家の物より大きいL字型のバスタブは男二人でのびのび使ってもまだ余裕がある。
あ~、ホントにいい温度だなぁ、と目をつぶった。癒される・・・。

のしっ―

「ふぅ~・・・、っ!?」

伸ばしきっていた脚に重みを感じて目を開けると目の前に柊真先輩がいた。

「え?何、してるんですか」
「ふふっ、いい顔するなぁと思って」
「・・・・・・で?」
「ふふっ」
「いや、どけてください、よ、」

・・・なんかこれ、デジャヴじゃないか?
なんなんだほんとに、と頭を抱えたくなる。

「柊真せんぱ、っ」

発した言葉は音にならなかった。
風呂に入って温まった俺の口に少しヒンヤリとした柊真先輩の唇が押し当てられたからだ。

「っや、め・・・っ」

抵抗しようと開いた口の中に何か入ってくる。突っぱねかけた手は掴まって背中に回され束ねた状態で片腕で押さえつけられた。くそっ、

「ん、ちょ、・・・っヤだ、ンっ」
「ん・・・、」

片手で後頭部を固定されて退路が絶たれた。
この状況に頭が逆上せたみたいにクラクラしてきた。俺の口の中を縦横無尽に動き回る柊真先輩の舌に翻弄される。

「ふぁ、んっ・・・く、ぁ」
「は・・・っ、」

解放されて、ぷはぁっと息を深く吸い込み睨みつけてガンを飛ばす。

「はっ、は、何、してんだ・・・!」
「ん?(ペロ)」
「・・・っ、」

まさに水も滴るいい男。いつもの半月のような笑った目ではなく、昼間耳を噛んだ時の眼光鋭い表情に
唇を薄く舐める赤い舌。
男の色気に言葉が詰まる。

「ふっ、気持ちよかったんだ?」
「え、っ!?」

ちょっと待てっ、と静止も聞かずに掴まれた。ナニを。
そのままゆるくさすられる。

「やだっ、あっ・・・っん、やめろっ!」
「はっ、硬くなったな」
「んぁ、っく・・・やぁっ!」

どんどん手の動きが大胆になってきて焦る。
脚は乗っかられて動かせないし、腕はがっちり押さえつけられてるし、どうしたら・・・っ

「ん、ぁあっ、・・・っやめろって!!」

ガッ―
反射的に頭突きをくらわせる。俺も痛いがあっちにも衝撃はあるはずだ。

「っ、」
「っいい加減離せ!」

この時俺は忘れていた。
相手がどんな奴でどんな男なのかを。


―――

いきなりこんな展開になるとは
予想外です。(

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コメント

  • 砂糖漬け

    これはおいしい展開になりますね、次が待ち遠しいです( ´艸`)あ、毎回コメントするのはちょっとうざいですよね、すみません

    2
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