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平凡男子の受難

安里あさ

act.5

はぁ~・・・と今度はため息を隠すこともなく、長い息を吐ききりトボトボと歩く。
なんだか初日からブルーな気持ちだ。

あの後、額を抑えながら何も言えない俺を見てオロオロしながら謝ってきた三人グループの生徒は確かA組の生徒だった。
普段はあまり悪い事をするような奴らでは無いのだろう、言っては悪いがまあ地味な外見。噂話は誰もがしたくなるものだしと自己完結して俺は帰路についた。
もう疲れたし何も考えたくない。そう思いつつ目の前にそびえ立つ建物に、先程吐ききったため息がまた出て来そうになる。

「今日から寮生活、か」

この学園流石はブルジョワ、様々な設備が完備された寮生活が送れる。寮らしく同級生2人1組で1室。希望を出せば友達や先輩と同室になれるし、金を払えば一人部屋も可能。

「(俺は親しい友達もいないし、かと言って金もないからどこの誰とも知らない奴との二人部屋だけど・・・。)」

自宅から通う生徒もチラホラいるが(毎日高級車で送迎らしい・・。)そのほとんどが女子や小等部の生徒。単に両親が心配だから。

ほとんどの男子生徒はここで過ごしている。

「(馬鹿でかい・・・校舎と同じくらいじゃねえの・・・?)」

荷物を送るだけ送ってまだ見たこともなかった男子寮の大きさに圧倒されつつ、門を潜った。
学園内に更に門があることも驚きだが。

エントランスを通り、寮母さんに名前を告げて部屋番号を聞き鍵をもらう。すぐ横にエレベーターが見えたが階段へ向かった。

「426号室・・・ホテルかよ・・・」

なにせ、寮母さん(男)がいた所もインフォメーションのような造りで、階段の途中途中に間接照明やら壺やら絵画やら・・・。無料の自販機もあり、何より床がフカフカだ。雨の日どうするんだなんて要らない事まで考えていたせいか、気づけば426号室が見えてきていた。どうやら角部屋らしいツイてる。

ガチャ―
「じゃあ、後よろしくね」
「は、はいっ!」

まさに今目指していた部屋から聞こえてきたのは二人の声で。1人はペコペコ頭を下げながら走り去っていった。1人は去っていったヤツに顔を向けていて俺からは後頭部しか見えない。俺の同室さんだろうか?

「あの、」
「!」

一言かけようとしたが振り返った相手の顔を見て言葉にならなかった。

「ふふっ、待ってたよ~!また迷子かなって心配しちゃった」

神様は俺のこと嫌いなのか好きなのか・・・。


(ささ、入って入って!)
(あぁぁぁあの!先輩がなんでここに?!いや、先輩ですよね?!いや実はタメなのか!?)
(ん?ふふっ、やっぱり結くんは面白いね!ちょっとそこ座ってて~)
(え?!えぇぇえ!!!)
(賑やかだなぁ、ははっ)


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