ケーキなボクの冒険

丸めがね

その129

男の子になったリーフを見て、ロザロッソの瞳が怪しく光る。
リーフは子猫に夢中で、自分が男に戻ったことに全然気が付いてなかった。
じりじりとロザロッソが近づいてきて、ついにリーフの肩に触れる距離になった。「ん?ロザロッソさん、何か御用ですか?」リーフが横を見ると、目をらんらんと輝かせた金髪巻き毛のイケメンが、今にも自分に襲い掛かろうとしている。
「ええっ?どうしたんですか・・・・っ」ロザロッソに肩を掴まれたあたりで、リーフは自分が男になっていることに気が付いた。「えっ?あれっ?どうしていまっ・・・!」ハッと子猫を見ると、メスでした。女の子でした。
「ええええ~っ!女の子・・・子猫とキスしても男に戻るの・・・?」とかいいつつ素早く魔の手から逃げるリーフ。「やめてください、襲わないでくださいね!ボクはそういう趣味じゃないですから!」
しかしすぐに部屋の隅に追いつめられる。「そんなこと言いっこなしよ~。どうして巨乳女から可愛い男の子に変身したのか知らないけど、アタシってば今夜、やりたくて仕方なかったのよね。」
おねえ言葉だけどもさすが大人の男、力は強いロザロッソ。 あっという間にリーフを捕まえてベッドに連れ戻した。
いい加減襲われるのには慣れてしまったリーフだが、男として襲われたのは初めてだ。(あ、ヒョウガの城でベイドさんにキスされたことはあったけど・・・・。あ、そうか、あの時・・・!)
リーフは今にもズボンを脱がされそうになりながら言った。「イキナリそういうことは嫌だな・・・。キ…キスしてください・・・」
ロザロッソはフッと笑ってリーフにキスをした。「可愛い子猫ちゃん・・・・。おねだりが上手ね」それを聞いたリーフの背中に戦慄が走る。
でもこれで女の子に戻るし、しばらくの辛抱・・・とか思っていた。が、キスが終わってからも戻る気配がない。(えっ?!どうして??)リーフに同意を得たと思っているロザロッソはノリノリで続きを始めている。「あのっ、ちょっと待ってくださいっ・・・。もう一度キスを・・・」「あら、欲張りな子猫ちゃんねぇ。いいわよ・・・」
ロザロッソは再びキスをしてきて、興奮したのかもうどうにも止められない状態になっている。しかしリーフは女の子に戻らない。(なんか・・・やばい、やばいかも・・・・。もしかして、心は女のロザロッソさんでは男に戻らないのかもしれない・・・っ)となると、逃げるしかない。女の子の時よりちょっぴり力が出るリーフはおりゃあっ!とロザロッソを自分の上からどけた。「ごめんなさいっ!やっぱり無理です~」大急ぎで部屋から出る。当然ロザロッソも追いかけてくる。
「待ちなさいっ、逃がさないわよ~お!」ドタバタ廊下を走り回る二人。
「なんだよ、うるせーなぁ」他の部屋から出てきたのは、なんと
アーサーだった。

「アーサーさんっ!」驚いたものの、とにかくこの状況から助けてもらおうとしがみつくリーフ。「・・・リーフか?」男の子の姿のリーフだったが、アーサーは一目で分かってくれた。「ちょっとだけキスして・・・。そうすれば元に戻るから。」「え?」
アーサーと目が合うロザロッソ。「あら。イケメンじゃない。でも残念ね、アタシは年下しかダメなの。さ、その子を返して。」
「そういうわけにはいかないんだよ」アーサーはリーフにキスをする。長いやさしいキスの間に、リーフは巨乳少女に戻っていった。
「あらやだ、女に戻っちゃった!」とたんに興味をなくしたロザロッソ。
やっと唇を離したアーサーを、リーフは恥ずかしそうに見た。「アーサーさん、どうしてここに・・・?」「お前を探してたんだよ。剣を教えてやるって約束しただろう?」「なによ、二人が知り合いなら、アンタは赤毛の部屋に泊まりなさい!」ロザロッソはプンプンして部屋に入り、中からガチャリと鍵を掛けた。
「そ、そんなぁ・・・。」「まあいいさ、俺の部屋に来いよ。そうそう、馬小屋にはクロちゃんもいるぞ。あいつ、リーフが見つかったってわかったら喜ぶだろうな。」「えっホント?クロちゃんがいるの?やったぁ、会いたい!」「今夜はもう遅いから、朝になったら行ってやりな。さあ、とにかく寝よう。」リーフはアーサーの部屋に入っていった。

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