ケーキなボクの冒険

丸めがね

その4



大ちゃんの視界は真っ白になった。 
飛行機が雲の中に突っ込んだ感じ。窓から見えるのは煙のような雲・・・・。 


雲を抜けるとそこは、森の中だった。 
「?!」 
キッチンだったはずである。なのに今、大ちゃんは緑が美しい森の中にいる。 空気がキャンプ場の匂いがした。 どこからか小鳥のさえずりが聞こえる。 
「えっ?ええ?ええええええー?」 
最初の「え」は周りに驚いて、次の「え」は確かめるように、最後の「え」は自分の声にびっくりしたのである。 
大ちゃんの口から出る声は、かわいらしい女の子の声だった。 
そういえば、髪が長い。つやつやさらさらの髪が肩より少し長いぐらい伸びている。視界に入る自分の手は、いつもより華奢で白い。
でも服装はジャージだ。
大ちゃんは、小さいおじさん神様の言ったことを思い出した。
…小さいリーフ姫にしてやろう…
ゲームの中のリーフ姫の姿は、小さくて、セミロングの黒髪で、目が栗色でキョトンとしてて、美人でもなく華もない、鈍臭いけど一生懸命生きているみたいな…
で、もしリーフ姫になったとしても、ここはどこ?
大ちゃんは悩んだ。
「この森はどこなんだろう…?」
鳥のさえずり以外は、森の中は静かで、1人立っていると怖くなる。
家の近所に森などない。
澄みきった空気が、ここはかなりの山奥だと教えてくれる。
どうしようもなくなり、とりあえず歩き出す大ちゃん。もしかしたら道があって、標識でもあるかもしれない。
なるべく明るい場所をしばらく歩くと、獣道のような小道が現れた。少なくとも生き物がいる!
しかも、その小道の先に木の立て札が見えた。
「やった!ここがどこかわかるかも!」
大ちゃんは立て札に向かって走った。が、走ると胸が痛い。初めての感触…恐る恐るジャージの前ファスナーを開けると、
大ちゃんの胸は
すごく巨乳だった…!!


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