皇太子妃奮闘記~離縁計画発動中!~

亜里沙 海里

36話 舞踏会


 何とか起き上がれたけれど下部に鈍痛がくる。下腹が秘部が痛い。

 ネネに助けてもらいながら立ち上がったと同時に太ももに液体やしきものが伝った。



 私は生まれたての小鹿のような足取りでネネに支えて貰いながらお風呂場へ。


 お股にはまだ何か挟んでいるというか入っている感覚になっていてじんじんしている。


 うん?この今の光景はどっかで見たような?········あっ!初めてリンカーヌ王国の旅行でネネとキースの行動と一緒だわ!!


 その時はネネは、なかなか起きてくなくて·····ネネも歩くときにプルプル震えながらキースに手伝って貰っていたわ!


 私はその時に初めて、あのときがネネの初めての日だったことを確信した。




 何とかお風呂で洗い終えて部屋に戻ると、あまりにも腰が痛いのでネネにマッサージをしてもらった。


 お陰でだいぶ楽になったわ。



 そこからは急いで舞踏会の準備が始まった。侍女三人がかりで、手分けして髪の毛、ドレス、化粧とやっていく。

 私はただ人形のようにじっとしておくだけ。


 所々に閨の痕があったらしく、ネネは

「信じられない」とかの文句を言いながらしていた。


 胸元にいわゆるキスマークがありそれを見て情事を思い出してしまい恥ずかしくなった。


 最初は少し胸元が見えるドレスを着る予定だったけれど、急きょ首まで布があるドレスに変更になった。

 それもこれもルイス王子のせいだわ!


 あとはスカートの部分が、かなりふんわりとしている。

 歩き方がスマートにできないから······。


 最後には新調したネックレスとイヤリングをつけた。両方ともユリデザインだ。


 あっという間に舞踏会の時間となっていた。

 用意はギリギリに間に合った。


 ランディが呼びにきたので部屋の外に出たらルイス王子もいたのてびっくりした。


「アリア!とても綺麗だ!」


 何でいるの?いつものこどく会場で待っていると思っていたわ。


「ルイス殿下、どうなさったの?」


「うん!アリアが動けないと思ったから!」


 やはり確信犯でしたのね·····


「!!!」


 ルイス王子はいきなりお姫様抱っこをしてきたので驚いて固まってしまった。

 それにはネネやランディも驚く。


「アリアを誰にも触られたくないから抱っこして私が連れていくよ。」



 ルイス王子はそう言ってスタスタと歩き出した。


 ランディとキース、イースもその後ろからついてきている。

 舞踏会会場までは結構な道のりだけれどもルイス王子は私をお姫様抱っこしたまま平然と歩いている。

 力もかなりあるのようだ。体力は実証済みだから分かるけれど。



 舞踏会会場へ到着すると、ヘルデス陛下やレイラン様は私達の姿を見ると優しい目になり、


「仲が良いことだ。」

 と少し茶化してきた。久しぶりに会ったルーベルト王子は口をへの字に曲げてこちらを見ている。


 例の如くラッパの音が鳴り始め、入場が始まった。


 私は歩くのもつらい状況だったけど、ルイス王子が片腕でがっちりと腰を持ち、少し持ち上げるようにして私の歩く負担を軽くしてくれていた。勿論私はルイス王子に寄っ掛かる感じになっている。

 ルイス王子にはかなり負担があるはずなのにやっぱり平然としていた。


 ······男の人って凄い力があるのね。


 ちょっと感心し、ルイス王子に感謝した。



 ヘルデス陛下の祝福の言葉を皮切りに舞踏会が始まった。

 私とルイス王子が主役なので、ダンスホールで最初に踊らなければならない。


 こんな状態で上手く踊れるか不安だったけれど、ルイス王子が


「大丈夫。私に任せて。アリアは身体を私に預けてくれるだけでいい。」


 と言ってくれたので安心して踊った。


 抱きつくような体勢でかなり身体が密着した状態でルイス王子は上手く私を誘導してくれて、くるくる回りながら上手くダンスができた。


 密着度が半端ないので周りには


「まあ、本当に仲がよろしいこと。」

「あんなに密着して本当に愛し合ってらっしゃるのね。」


 等々、色々と噂をしてくれた。


 実は昨日子作りのやり過ぎて私が動けないからとは誰にも思われなかったようだ。


 私達は最初の一曲でダンスを辞めて、ダンスホールを後にした。

 その反面貴族達は次々とダンスホールへ入っていき、私達の密着に触発されたのか皆さん身体を密着させて踊っていた。



「アリア、お疲れ様。疲れただろう?椅子に座るといい。」


 ルイス王子はイースに私達の椅子を用意するように指示をした。


 私達が椅子に座ると来賓客が次々とこちらに向かっているのが見えた。


 はあ·····これからは挨拶がくるのね·····

 面倒くさいわ。それよりも早く部屋へ帰ってベッドに寝転びたいわ。


 そんなことを思っているとルイス王子が私の右手をぎゅっと握ってきた。


「アリア、これから各国の代理者が挨拶にくる。アリアは来てくれたお礼と笑顔で対応してくれればいいから。」


「分かりました。」


 とりあえず笑顔を絶やさずにね!

 皇太子妃としての公の最初の仕事よ!

 踏ん張って頑張らないとね!


 私は気合いを入れて笑顔で来賓客を迎える準備をした。




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