皇太子妃奮闘記~離縁計画発動中!~

亜里沙 海里

31話 ルイスVSルーベルト+ヘンデル陛下

前書き

今回はルイス視点です。

本文

 

 それは前日のアリアの御披露目会の後の出来事だった。


 待ちに待った愛らしいアリアがやっとリンカーヌ王国へやってきた日。

 私が幼い頃から待ち焦がれていた可愛い人。


 アリアを見た時の父上や兄弟達のみならず他の貴族達もアリアに魅力されていた。

 当たり前だ。白い肌に白銀色の髪。巻き毛が何とも言えない可愛らしさ。そして大きく吸い込まれるような深い青色の瞳。


 母上も他の妹達も動けなくなりアリアをガン見している。


 ふふふ。あと一年で私の妃となる。勿論正妃だ。常に私の隣にいる皇太子妃となる。


 私の兄妹達をアリアに紹介をした時にルーベルトが一番に反応をした。

 アリアをぽーとした顔で見ており


「貴女は、天使ですか?女神ですか?」

 とふざけたことを言ってきたのた。


 確かにアリアは天使でもあり女神だが。

 私はルーベルトの反応を見てこれはヤバイかも·····とは思ってはいたが、御披露目会が終わって二人で歩いているときにやって来て


「兄上!アリア殿を私に譲って下さい!」


 と、またふざけたことを言ってきた。

 かなりムカついたが、落ち着いて対処できたと思う。


 アリアもルーベルトの言動にはかなり驚いてた。


 問題は明日の側妃達との対面だ。

 アリアに今日はゆっくりと休むようにと軽く唇にキスをして別れた。



 次の日。


 アリアと側妃達との対面は午後14時からとなっていた。

 私は少し早めに側妃達を広間に呼んでいた。


「皆の者、今日私の正妃になるアリアとの対面になる。宜しく頼むぞ。」


 それぞれから「分かりました。」と返事が聞こえた。


 どの妃にも、正妃はサマヌーン国のアリアだと言っていた。それは側妃になる時の条件だったからだ。正妃と望むなら婚姻は結ばないと。誰しもが最初は難色を示した。サマヌーン国は決して大きく発展した国ではない。どの妃の国よりも小さな国だったからだ。

 だが私は譲らなかった。私が既に六歳という幼い時から婚約していたのもあるが、向こうが折れた。

 もしアリアやサマヌーン国に何かしようものなら報復はするつもりだったが幸い今までそんな動きはない。


 そしてアリアの側近であるランディの声がした。


「ルイス殿下、アリア様が来られました。」


「通せ」


 アリアが入って来た瞬間にアリアから後光が見えた気がした。

 側妃達も父上達と同様な反応している。


 アリアの調子を聞き、アリアから「大丈夫です」の返答がきたので安心し、側妃達の紹介を始めた。


「まずは第一側妃のローゼンリタ、第二側妃のナタリア········」



 一人一人が挨拶をしていく。

 側妃達の反応も反抗的なものがいないようなので安心した。


 全ての側妃達の紹介が終わった時に、私の側近で幼なじみでもあるイースがやってきた。

 何事かと思ってたが、イースが耳打ちで話をした。


「ルイス殿下、ヘンデル陛下が至急話したいことがあるから執務室に来て欲しいとお呼びでございます。」


 今はアリアと側妃達との対面という大事な時なのに!父上もご存知のはず!

 思わずイースを見る。

 イースは話を続けた。


「アリア様のことだそうです。ルーベルト殿下と三人でお話がしたいと······」


 何!?

 ルーベルトめ!昨日の反応では納得はしてなさそうだったけれども父上を巻き込んだのか!


 私は思わず顔をしかめた。

 ハッとアリア達を見ると何事!?という目で見ていた。


 とりあえずさっさと決着をつけなければ!



  「すまない。少し用事が出来たので席をはずす。私が帰ってくるまでに仲良くなってくれたら嬉しい。」


 私はそう言って部屋を出て、父上もルーベルトが待つ執務室へと向かった。




 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 私は父上の執務室に入り、第一声を放つ。


「父上!本日はアリアと側妃達との対面の日と言ったはずです!」


 父上は自分の机で書類を処理していたが、こちらに向き申し訳なさそうに謝った。


「すまぬ。まあ、落ち着いてそこに座れ。」


 私はルーベルトの反対側のソファーに座った。


 ルーベルトはニヤニヤしながら挨拶をしてきた。


「兄上、対面をお邪魔して申し訳ありません。」


 このニヤケた面にムカつく。


「緊急な用事とは何でしょうか?」


 私は早くアリア達の元へ戻る為、早々と本題に入った。


「うむ、実はなルーベルトからアリア殿をそなたから自分に婚約を移行を出来ないかと打診してきよったのだ。」


「··········。」


「兄上、いいでしょう?アリア殿を大切にしますから。」


「·········。」


 怒りで頭がおかしくなりそうだ。


「儂もそうした方がいいと思うのだ。」


「·····何故ですか?」


 私は低い声で聞いた。


「うむ。3ヶ月前ほどにモッコロ帝国に和解の話し合いに行ってもらっただろう?」


「はい。」


「先日、そのモッコロ帝国から和解協定についての書簡が届いたのだ。モッコロ帝国からの和解協定の条件の一つにあちらの皇女を正妃としてルイスに娶って欲しいと書いてきおったのだ。」


 ·····確かにモッコロ帝国の皇女サリナジア殿には気に入られていたのは分かっていた。何せ夜のお誘いをしに私の部屋まできたのだから。勿論丁寧に断ったが。


「確かにモッコロ帝国に滞在していた時にあちらの皇帝に皇女を正妃として娶って欲しいと打診はありましが、お断りしました。」


「ルイス!何故断った!モッコロ帝国の先帝が亡くなり、今の若い皇帝になってやっと我が国の長年の夢だった戦争を終わらせることができるのだぞ!」


 父上は怒りで椅子をガシャンッ!と倒しなが立ち上がった。


「何回も申しています。正妃はアリアと決まってます。それを覆すことはありません!それに正妃ならルーベルトが娶ればいいではありませんか。」


 ルーベルトはいきなり話しを自分に振られ焦っている。


「兄上!何を仰せですか!?」


「向こうがルイス、お前を指定してきているのだ。無理だ。」


「そうですよ兄上!アリア殿と結婚できずとも私の妻となったらいつでも会えるではありませんか!」


 私は怒気の籠った目でルーベルトを見る。

 ルーベルトは少しビクッとしたが睨み返してきた。


「ルイスよ。別にいいではないか。モッコロ帝国の皇女とサマヌーンの皇女をどちらを取るとしたらモッコロ帝国の方であろう。お前は皇太子だ。未来のリンカーヌ王国の為に必然と選ばないといけないないのは分かっておろう。」


 私は今度は父上を睨み付け


「それですよ。父上のせいです。」


 父上は驚いたように私を見た。


「どういうことだ?」


「ローゼンリタとナタリアは私の若気のいたりで娶らなければなりませんでしたが、他の側妃達は国の為に娶りました。」


「だが、他の側妃達も自国に訪問したきたお前に惚れて妃になりたいと打診をしてきたのだぞ?」


「そんなことは知りませんよ。向こうが勝手に惚れたのですから。私はもう既に三人は国の為に娶ってます。アリアは自分が嫁ぐ前に妃が五人いたのに驚き、私は一時期嫌われたのですよ!父上のせいです!」


「そんなこと言われてもな。それが国の為に皇太子がしなければいけない一つなのだ。それが分からないのであれば皇太子妃は務まらぬ。それにアリア殿はお前が勝手に婚約して帰ってきたのではないか。やはりルーベルトに譲れ。」


「父上もご存知のはずです!恋焦がれて婚約したのです!やっとあと一年で私の妻にできるのに·····。まだアリアをルーベルトに譲れとおっしゃるならこちらなかも考えがあります。」


「何だと?何をする気だ?」


 父上は鼻で笑って私に聞いてきたので、私は口角上げて宣言した。


「謀反を起こします。その国王の座から父上を引きずり落としてみせましょう。」


「「!!!」」


 二人とも固まっている。少し顔色も青くなっている。

 当然だろう。私は国民にも騎士達にも信頼をおかれている。私に付いてくる味方は沢山いるであろう。

 それにリンカーヌ王国が内乱を起こすと隣国の均衡が一気におかしくなる。

 それに······


「ルーベルト、お前も真剣にアリアが欲しいなら私と勝負しろ。」


「兄上と勝負?」


「そうだ。決闘だ。勿論賭けるのはアリアだ。真剣勝負だ。」


「·····決闘····」


「そうだ。どちらかが死ぬことになるがな。」


「そっそれは·····」


 ルーベルトは下を向き蒼白になっている。


 決闘=剣術の戦いになる。私は剣術ではリンカーヌ王国では一番と言ってもいい。武道会には王族なので観覧の方で出場はできないが出たら優勝する自信はある。


「·····兄上には勝てません·····」


 ふん!だろう!


「ルーベルト死ぬ気でこれないのならアリアは諦めるんだな。」


 そして父上の方に向き


「どうしますか?」


 最終通告をする。


 父上は少し息を吐き


「分かった·····向こうからもどうしても正妃が駄目なら側妃でもいいと言ってきておる。」


 なら最初からそう言えばいい!

 国王としてはモッコロ帝国の皇女を正妃して娶って主導権を握りたかったのだろうけれど。

『元々いた婚約者を断ってまで正妃したんだぞ』みたいな。


「そうですか。もし先ほどもおっしゃられた和解協定の条件なら和解協定はなしで····と、思ってましたが側妃ならいいでしょう。」


 でもアリアはきっと怒るだろうな······。

 どう言い訳するかだ。


「うむ。分かった。では婚礼はすぐがよかろう。」


 何を!?


「父上、娶るのはアリアとの婚礼が終わって最低2ヶ月後くらいしてください!」


「何故だ?」

 父上は険しい顔をする。


「当たり前ではないですか!今回はアリアは正妃なんですよ!正妃になる前に早めにリンカーヌへ来ているのにまた娶るなんて言えませんよ!もしこちらの条件が呑めないのなら······」


「分かった!分かった!モッコロ皇帝にもそう伝えておく。それでいいな!2ヶ月後だぞ!」


 そうして私はやっと嫌な場から解放された。


 私はすぐに執務室から出て後宮に急いだ。


 部屋に入ると異様な雰囲気になっていた。

 ローゼンリタが不敬罪を働いたり、アリアを侮辱していたようだった。

 ちょうどいい!離縁をするつもりだったが、アリアはやっぱり優しい。そんな重い処罰は辞めて欲しいと言ってきたのだ。だがアリアに何かあってはならないので一旦は実家へ帰すことした。


 その後は私の部屋でお茶をしながら、アリアにローゼンリタのことを謝罪した。

 そしてアリアに今日決まった新しい側妃が出来ることを言った。勿論訳も言ったが、プンプンと怒っていた。

 怒っても可愛らしアリア。愛しているよ。

 近くにいると、アリアから甘い柑橘系の香りがする。


「·······」


 ムラムラしてきた·····

 もう結婚するし、いいよね?


「今夜アリアの部屋に行くから。」

 笑顔を言ったが

「嫌です!」

 と断ってきた。

 その理由が可愛らしものだった。その何個かの言葉に反応してしまった私。



「初夜、私のものになる····」


 などアリアが気になる言葉で拒否したので強気に出れず····なるべくアリアの考えを尊重したいが·····

 アリアの宮に送る道中で何度も懇願したが全て却下された。

 何もしないから隣で寝るだけも言っても却下。

 どこまで純粋を守るのだろう·····。


 プンプンして口を突きだしている君もいとおしいよ。君の笑顔を守る為なら世界中を敵に回してもいい。私が守ってみせる。

 君は私のもの······離さないよ。


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