皇太子妃奮闘記~離縁計画発動中!~
30話 ネネさん!教えて!
自分の部屋に着き、ソファーに座る。
「アリア様、お帰りなさいませ。」
ネネが紅茶を持って来てくれる。
「お茶菓子はいかがいたしましょう?」
「ルイス殿下のところでいただいたわ。」
「ルイス殿下のお部屋まで行かれたのですね!?」
ネネは驚いたような聞いてくる。
「まあ····成り行きでね·····」
「それはそうと、側妃様達との対面はどうでしたか?」
ネネが目を輝かせながら聞いてくる。
「もう最悪よ!」
それから、側妃達との対面のこと、ローゼンリタのことを話をした。
「そのローゼンリタって側妃様は最低ですね!アリア様を認めないとか!」
ネネはかなり憤慨している。
「でも、ルイス殿下が処罰をしてくださったから。しかも結構重い処罰だと思わない?実家へ帰らされた挙げ句謹慎でルイス殿下から許されるまで後宮に戻ることができないもの。」
「それは当たり前ですわ!身分は上の人を侮辱したのですよ!アリア様は優し過ぎます!ルイス殿下が最初におっしゃられた通り離縁をさせれば良かったのですよ!」
「でもね······。これでローゼンリタの寵愛は無くなったと思うし。」
ルイス王子曰く、寵愛をしてた訳でさなく振りらしいんだけど。
「まあ、当然の報いです。ざぁまあ見やがれですわ!ふふふ!」
ネネは片腕を挙げてガッツポーズをする。
ネネったらはしたないわよ·····。
そういえば、ルイス王子が宮まで送ってくれている時の出来事。
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「アリア、確かに初夜は大切だけど、その前に閨を共にしてもいいと思うんだ。初夜から子作りを始めればいいと思う」
またそんなこと言って!
うん?閨を共する=子作りではないの?
「せっかくアリアがそばにいるのに離れて寝るなんて······本来なら私の近くの部屋にいるはずだったのに、違う宮にいるんだよ?」
「嫌です!」
「なら、何もしないから一緒のベッドに寝るだけでも·····」
「ルイス殿下、しつこいですわよ!」
私はプンプン怒りながら断固拒否する。
ルイス王子は「そんなに拒否しなくても····アリアの為に閨のテクニックは上げてるつもりだよ。最初は痛いと思うけど···」と、また何かを言っている。
うん?痛いとは?何が痛いのかしら····私はまだ諦めずに、しつこく言ってくるルイス王子の言葉は頭に入らず、ルイス王子の「最初は痛い」の言葉が気になってたまらなかった。
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私はルイス王子の「最初は痛い」の言葉が未だに引っ掛かっていた。
うむ~。
うん!やっぱりネネに聞いてみよう!
早速、紅茶のお代わりを入れているネネに聞いた。
「ねえ、ネネ。ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」
ネネはティーポットを配膳台の上に置き笑顔で応えた。
「はい。何でしょう?」
「あのね。閨の最初って痛いって本当?」
「ぶっっ!」
ネネが変な声を出した。かなり驚いているようで少し仰け反っている。
「そっ、それは誰かから言われたのですか?」
「そうよ。ルイス殿下が最初は痛いと思うけどっておっしゃったの。」
「まあ!ルイス殿下はハレンチなことをおっしゃられたのですか!?」
ちょっと怒り気味のネネさん。
「だから痛いって何?閨って痛いものなの?」
私はズイズイとネネに近寄った。
ネネは目を逸らし、「そうですね····」「うーん」とか言って答えてくれない。
私はなかなか答えないネネをいじましく思い少し大きな声で聞いてしまった。
「だからどうなのよ!キースとはもう夫婦なんだからそういうことをしてるでしょ?」
「まっ、まあそうですが·····」
「ネネの初めての人はキース?」
「もちろんです!」
頭を激しく上下に振っている。
「ふ~ん。いつ閨を共にしたの?結婚前から?」
私がバンバン質問をするのでネネは冷や汗を掻いている。
「私のことより、アゾレネット様からは閨のことについて教わりませんでしたか?」
あっ、話しをはぐらかした。
「お母様はとりあえずルイス殿下に任せておけばいいと。最初は何もしなくていいとおっしゃられたわ。」
「·······。」
「あっ!抵抗してはダメとも言われたわ!」
「·······アゾレネット様····丸投げしましたね······。」
ネネが下を向いてボソッと何かを言っている。
「うん?」
ネネは意を決したように顔を上げた。
「アリア様!最初は痛いのは間違いないですわ!」
·····やっぱりそうなの?痛いの嫌だわ。
「ですが、誰しもが通る道ですわ!我慢あるのみです!」
「そうよね·····。我慢·····」
「それに回数を重ねてると○×▲×○ですわ。」
うん?途中早口で聞き取れなかったわ。
「ネネ、もう一度言って。」
「恥ずかしいので何度言わせないでください!○×▲×○×ですわ!」
やっぱりそこだけ早口になり聞き取れない。
「ネネ、もう······」
「もう言いませんよ!」
「えー!」
「あとは実践あるのみですから!それに嫌でも婚礼後には経験しますので!あとはルイス殿下にお任せですわ!」
お母様と同じことを言ってる!
ネネは私から目を逸らして
「アリア様、少し外のピューマの様子を見てまいります!」
ネネはササッと素早い動きでドア前まで行き、私に一言かけてから出ていった。
ピューマの様子を見に行ってどうするのよ····。
うーん。やはり閨のことの詳しいことは教えてくれないわね。
ネネなら教えてくれるかなって思ったのに。
「今度、キースに聞いてみようかしら。」
痛くないように出来ないかどうかとか·····。
なるべく痛い思いしたくないもんね!
次の日に早速キースに聞いてみたけど·····
「え?痛くならない方法ですか?そっ、それは無理かもしれません。」
「何故ですの?」
「それはですね·····」
キースが説明をしてくれそうになった時に、ネネが走ってきて、
バチコーン!!
思いっきりキースの頭を叩いたのだ。
「いってぇぇ!」
「キース!余計なこと言わないの!!」
キースは痛そうに頭を擦りながら
「だってアリア様が·····」
「だってじゃないの!アリア様はまだウブなお子様なんだから、閨のことを聞いたらパニクるでしょうが!」
ネネにお子様って言われた·····もう立派なレディなのに!
「ネネ!私はお子様ではないわ!」
私が訂正を求めて言うと、ネネにキッと睨まれて
「アリア様!前にも申し上げましたが、閨のことはルイス殿下にお任せすればいいのです!そんなことは他の男性に聞くものではありませんよ!男は狼です!いいですか······」
えらい剣幕で怒られ、その後もくどくどと言われ続け私は小一時間は離して貰えなかった。
ですが!
それでへこたれるような私ではないわ!
だって気になるじゃない!何故教えてもらえないのか!
なので次の日にはランディに聞いてみた。
だけど······
「それは私には何とも言えません·····」
ランディは顔を真っ赤にして俯き、そそくさとどっかへ行ってしまった。
ランディはまだ誰とも閨を共にしたことがないのかしら······。
それよりも······誰か教えてよーー!!気になるじゃないー!
その他の人、数人に聞いたけれど誰も答えてくれず。
それがネネにバレて、今度は三時間くらい説教をされて閨のことを聞くのは断念したのだった。
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