皇太子妃奮闘記~離縁計画発動中!~

亜里沙 海里

閑話 ネネの不思議な出来事


 

 私の名前はネネ・ネーフルと申します。

 これでも伯爵家の令嬢でございます······やはりあまり畏まるのは得意ではないので普段通りにします!


 私は九才の時にお転婆····ウホン!とても可愛いらしいこの国サマヌーン国のお姫様、アリア様の侍女として仕えることになりました。


 私は伯爵家の令嬢ではありますがお母様は後妻として、ネーフル家の一員となりました。もともとお母様はお父様の愛人でしたが、お母様が私を身籠った時に前妻と別れて一緒になりました。

 前妻のとの間には兄ガルゼルス、姉のフランという二人の子供がいました。

 お父様は私を溺愛してくれましたが、上二人には疎まれました。

 アリア様のように······。

 うざいくらいに、しょうもないいじめをされてきました。

 兄妹と同じ空気を吸いたくない為に、そんな時にちょうどアリア様がお産まれになり侍女募集をしていたので、お父様とお母様を説得して応募をしたのです。かなりのご令嬢が面接に来ており、諦めていたけれど何故か受かってしまった。


 アリア様は姉であるカトリーヌ様とバーバラ様に疎んじられて蔑ろにされていた。

 天使のような可憐なアリア様の容姿に嫉妬してのことでしょう!ブス·····おっと仮にもお姫様に失礼ですね。顔は標準並みの以下とでも言っておきましょう。それでいて性格は最悪。但し、男性の前では猫を被っていて女性には嫌われるタイプの人達。昨今、巷の小説で人気の悪役令嬢が似合うわね。


 お姫様ではなかったら、私なら既にボコってますわ!



 そんな主のアリア様は三才にして大国の皇太子の婚約者になった。本人は乗る気ではなかったようですが、その話を聞いた時はあの二人のお姫様を見返してやった感が合って気持ち良かったですわ!


 それからはアリア様は大国の皇太子、ルイス殿下との愛を育んでおられる感じだった。


 アリア様は今はそのルイス殿下との逢瀬を楽しんでいる最中。

 私は······騎士団の練習場に来ていた。


「キェーイ!」

「とう!」


 カキン!カキン!


 練習場には騎士の人達の剣の交わる音が響く。


 私はベンチに座りその様子を見ていた。


 おっ!脱いだ!


 練習をしていた騎士の二人が上の服を脱ぎタオルで体の汗を拭いている。



「ぐふふふ 」


 なんていい筋肉をしてるのでしょう!

 あの胸の筋肉!!めっちゃいいわ~。


 またもう一組が練習を止めて服を脱ぐ。

 私は期待を込めてガン見する。


 ぬっ!あれはダメね。へなちょこ筋肉だわ。まだまだ鍛練が足りなさそうだわ。



 私はこうしての至福のひととき過ごすのだった。


 ある日のこと。


 アリア様が11才、私が19才の時の出来事だった。


 いつものように、アリア様が勉強に行かれて、私がアリア様の部屋の整理や掃除をしていた時だった。


「ピィロロロー」


 鳥の鳴き声が聞こえた。


 うん?変わった鳴き声。心地よいけれど。


 私は窓を開けて外を見たら、目の前の木に鳥が留まっていた。


 全身ピンクで鶏冠とさかがピーンと立って可愛い。でも全長50センチはあるだろう、鳥にしては大きい。


「見たことない鳥だわ。」


 その鳥も私に気付き、飛んで部屋の中へ入っていた。


「あっ!」


 もしかしたら、虫のシャルを狙って入ってきたのかしら!

 ヤバいわ!

 食べられたら、アリア様だけでなく国王様からもお叱りを受けるわ!

 私はそう思い、すぐにシャルのところへ行き、籠の前に立ちはだかった。


 だけどその鳥はテーブルの上に降り立ち、そのままじっと私を見ていた。


 シャルを狙ったわけではない·····? 


 私もじっとその鳥さんを見ていたら、いきなりその鳥さんがしゃべり始めた。


『ハジメマシテ。』


 え!?鳥さんがしゃべったー!


『ハジメマシテ。オドロイテイルトオモイマスガ、ワタシノナマエハ、フレア・フィン・アンドリエトモウシマス。』


 凄いわ!鳥さんに名前があるぅ!貴族みたい!


『ワタシハ、ヨッツノタイリクノヒトツノ、ヘーバンスタイリクニノ、オーディフェンスオウコクニスンデイマス。』


 ヘーバンス大陸のオーディフェン王国?知らないわ。


 4つの大陸って?知らなかったわ!


 その鳥さんが言うには


 4つの大陸の一つのヘーバンス大陸にあるオーディフェンス王国に住んでいる、フレア・フィン・アンドリエという14才の女の子らしい。なんと、しゃべっている鳥さんは魔力で造られているんだって!嘘でしょっ!と思っていたら、そこの国·····と言うよりは大陸全体の住民が魔法が使えるらしかった。


 魔法!魔法って空想の物語の中でしかないと思っていたわ!


 この全身ピンクの鳥さんはハヤバトという伝達専門の鳥さんらしい。そのハヤバトを少し改良して、見たことない国に飛ばしたとのこと。


『私の国の伝書に4つの大陸があると記載されておりますが、誰一人と、違う大陸に行ったこともなければ見たこともござません。私の国は特に魔力の強い人が多い国で、この伝書を残した方はかなりの魔力の持ち主だったようです。その方は貪欲でもっと魔力を上げようと海で訓練をしていた時に蜃気楼が出来て蜃気楼の向こう側に大陸を見つけたそうで、好奇心でその蜃気楼を突き進むと違う大陸へ行けたと書いてありました。どうやら、かなりの量の強い魔力を放出したときに出来るみたいでその方はそれで3つの大陸を発見したそうです。その方以降は別の方々が何回も挑戦したそうですが、出来なかったそうです。この伝書に書いてあるのは本当かどうか知りたくてハヤバトを送りました。』



 ·······何ともスケールの大きいこと······


『私のお父様はその方と匹敵····もしくは強いくらいの魔力の持ち主なので、お父様に協力してもらい実験しております。よろしければこのハヤバトでお手紙みたいなやり取りをしませんか?お互いにお互いの国や大陸ことをお話しませんか?もし了承していただけるのなら貴女が身に付けいるもの、髪の毛などをハヤバトに渡して下さい。今度からは直接貴女の元へ行けるようするためです。』



 ·······面白そうだわ!やるに決まってるじゃない!


 私は身に付けていた髪飾りを取り、髪の毛を一本抜いてハヤバトに渡した。

 するとハヤバトはそれをすぐに飲み込んだ。


 ワォォ!凄いわ!


 今度はハヤバトがプルプルと震え始め、ぺっと嘴から何かを吐き出した。


 それは小ぶりなナイフだった。

 果物ナイフかしら?


 取手部分のところには見事な彫りが施してあり、真ん中に紫色をした大きめの石が嵌め込んであった。


 ·····宝石かしら?


『ありがとうございます。今ハヤバトが出した物は私達が繋がっている証拠になります。取手部分にある石は魔力が込められおります。何かあったときに呼び掛けてください。ハヤバトをそちらへ向かわせます。ただ······』


 ただ?


『ただ、このハヤバトが出来るのはお父様と兄妹のシャベールお兄様しかできません。お父様が居ればすぐ対応してくれると思いますが····なるべくシャベールお兄様にはお願いしたくないので頻繁に呼び掛けはご遠慮くださいませ。何分その見返りが怖いので·····』


 どんな見返りを要求されるのが気になりますが······


 その後はハヤバトの頭を軽く叩いたら「ろくおん」というものになるらしく私の言葉をそのまま伝えることが出来るらしかった。なので私は自分の自己紹介をしてサマヌーン国のことや自分の仕事のことなどを言った。


 その後はまたそのハヤバトは飛び去って行った。


 私はそのナイフをスカートのポケットの中にしまった。

 とても不思議な出来事だった。


 夢かとも思ったけれど、朝、目覚めたら昨日隣に置いていたあのナイフがあった。


 夢じゃない······。


 それからは月に一回のフレアちゃんとのやり取りが始まった。

 そして結婚のこともフレアちゃんに報告をした。フレアちゃんはハヤバトのやり取りを始めたときには既に婚約者がいて今も既に結婚もしている。何と赤ちゃんまでいる!今は二人目がお腹にいるとのことだった。フレアちゃんは鬱陶しいくらい旦那様に愛されているとのことで幸せそうだった。私もキースと······

 もうすぐ我が主のアリア様もリンカーヌ王国へと嫁ぐ。どんな形でもいい幸せになって欲しい。アリア様が私に言ってくださったようにアリア様も幸せになって欲しい。私はアリア様の為ならリンカーヌ王国を裏切ってもいい!アリア様が逃げ出すのなら付いていく覚悟はある!それはキースにも言っている。キースもそれに賛同をしてくれている。頼もしい味方だわ!


 フレアちゃんにも勿論相談したわ!そしたらあるものをくれた。私はそれを大いに使わせて貰うつもり!ありがとうフレアちゃん!


 いざというときにはこのナイフもある。本当に危なくなったら使うつもり。この石を強く叩くと魔力が発動して私の身を守ってくれるらしい。一回ぽっきりしか使えないから大事にしないとね!それにこんな物が見つかったら、こちらの国では魔法や魔力なんてないから大変なことになるしね·······。


 そして今日サマヌーン国での最後のやり取りになるであろうハヤバトを飛ばした。


 明日はリンカーヌ王国への旅立ちの日となっていた。




後書き

フレアは私の処女作の主人公になります。出張ゲスト出演させてみました(笑)

お読みくださりありがとうございます


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