皇太子妃奮闘記~離縁計画発動中!~

亜里沙 海里

20話 キース隊長の悩み事


 

 私の誕生日が2ヶ月後に迫ってきていた。

 と、言うことは後2ヶ月したらリンカーヌ王国に行かなければならないというとこ。


 気が重い······。


 それよりも最近ネネの様子ががおかしい。

 自分は普通に接しているつもりで心あらずって感じを受ける。


 ネネに「どうしたの?」とか聞いても「何もありませんよ。」と言って、話そうとしてくれない。


 うむ~·····。


 ネネは実家に用事があるのでお休みが欲しいと言ってきたので、リフレッシュさせるつもりで二つ返事で休みをあげた。


 実はネネは伯爵家のお嬢様である!見えないけど事実です!

 元々、王族の姫の侍女に付くのは爵位持ちの娘と決まっている。

 ネネは私が一才の時に九才で私専属の侍女となった。

 なので、私的にはネネは侍女というよりは姉妹のように思っている。

 因みにネネはネーフル伯爵家の次女として産まれた。

 その実家の伯爵家に帰っているのだ。


 私がピューマとお昼の散歩をしているとキース隊長が通路の向かい側で歩いていた。

 キース隊長は私に気づくとお辞儀をしてきて私の方へと向かってきた。


「アリア様、少しお時間はよろしいでしょうか?」


 声をかけてきたキース隊長は少し顔色が悪かった。

 どうしたのかしら?


「いいわよ。何かあったのかしら?顔色が良くなくってよ。」


 私が言うと、とりあえず中庭のテーブルでお話しましょうとキース隊長が言ってきたので、中庭に行きピューマを離して自由にさせた。


「ピューマ、遊んでおいで」


 ピューマは嬉しそうに中庭をうろうろとし出した。


 私は椅子に座り、キース隊長に話しかけた。


「キース隊長、今は休憩中なのかしら?」


「いえ、終わりました。夜勤でしたので。」


「あらそう。お疲れ様。ところでお話したいことって何でしょう?」


 キース隊長は深妙な顔をして話を始めた。


「今日はネネは一緒ではないのですか?」


 うん?知らないのかしら·····。


「ネネは3日間ほど休みを取って実家に帰省しているわ。」


「·····そうですか·····」


 あら、本当に知らなかったみたいだわ。


「実は最近ネネに避けられてまして·····」


「え?」


 どうして?まだ熱々なカップルだと思っていたのだけれど。


「1ヶ月くらい前なのですが、結婚の話をネネにしたのです。私もいい歳です。両親から結婚をせっつかれてまして·····お見合いを薦めてくるのです。恋人がいるからと言って断ってはいるのですが····」


 確かにキース隊長は既に結婚していてもおかしくないし、ネネも結婚適齢期ギリギリのラインだわ。


「思いきってプロポーズをしたのですが·····」


「ええー!」

 プッ、プロポーズですって!ネネからは何も聞いてないですわ!


「その場では返事は少し待って欲しいと言われて、先週返事がきました····結婚はできないと。」


「ええー!?断った!?」


「はい·····」


 キース隊長はかなり落ち込んでいるようで肩を落としている。


「訳を聞いても、ごめんなさい、としか言ってくれませんでした。」


 何故?ネネ何故断ったの!?


 ······もしかしてあのやり取りかしら····


 あれは二、三週間前のことだった。


 ~◆~◆~◆~◆~◆~



 ようやく、リンカーヌ王国に輿入れをする覚悟ができたときのことだった。

 側妃のことも何とか徐々に受け入れることが出来ていた。


 私は大嫌いなダンスの練習も終わり、部屋でゆっくりしていた時だった。

 ネネが紅茶の用意をしながら話かけてきた。


「アリア様、リンカーヌ王国ですが、私を連れて行ってくれるのですか?」


「当たり前じゃない!絶対に来てもらうわよ!」


 ネネはクスリと笑い


「絶対ですか?私が行かないと寂しいですか?」


「寂しいもあるけど、ずっと一緒にいたもの。これからも一緒に居て欲しいわ。」


「···········。」


「それに側妃のこともあるし、一人ではどうしていいか分からないわ。ネネが居たら心強いわ!」


「·····そうですね。敵陣にアリア様一人を放り込むなんてこと出来ませんわ!」


 敵陣って······ネネはそういう認識なの!?


「大丈夫です!ネネは何があってもアリア様に付いて行きます!」


「ありがとう!ネネ!私達はずっといいなんだから!」


 私の言葉にネネはニッコリ笑って頷いた。



 ~◆~◆~◆~◆~◆~



 これだわ!

 きっとこの時にネネは私に確認にして、キース隊長のプロポーズの返事を決断したに違いないわ!


 だから最近、ネネの様子がおかしかったのですね!

 そこで納得した私。


 私のせい········。

 私がネネの幸せを奪ってしまったのね。


 寂しいけど······リンカーヌ王国で一人でやっていく自信もないけど····。

 それよりもネネには幸せになって欲しい!何とかしないと!


 私はネネの幸せの為に行動を起こすことを決めた。

 キース隊長には少し私に任せて欲しいと言った。

 キース隊長は何故プロポーズを断ったのか、自分が悪いところがあったら治して、やり直したいと言っていた。

 私は大丈夫!キース隊長の悪いところなんてないからと慰めておいた。

 どう考えても私がネックになっているのだから!


 私は色々と模索しながら、ネネが実家から帰るのを待った。



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