ゼンコウ

夢 2



仕事を追われ日々を過ごしてきたが、思い切って休みを取って久しぶりに実家に帰省してきた。

片親ということもあり、自分以外は誰も居ない。

1人は慣れているが、折角実家に帰省したにも関わらず、1人というのも味気ない。

自分の部屋は二階の角部屋で、物を集めるのが好きだったので、所狭しと本、DVDが棚に敷き詰められていた。

それぞれ思い出深い物ばかりである。

ハッと、目に止まった。

DVDの隙間に白い紙が出ていた。

思わず、手に取る。

その紙は丁寧に折りたたまれていたが、広げてみた。


そこには、10年後の自分への手紙だった。

日付は2000年4月1日と記されている。



拝啓
自分へ
今、この手紙を読んでいる自分は昔志した目標を達成したか?

そして、1人の女性をしっかり愛せているか?

母親を大切にしているか?

貯金はしているか?

自分の為でなく、人の為に行動をしているか?

と、箇条書きに記されていた。

日々、ただ仕事に打ち込み。
1人の女性を愛しているつもりでも、その女性との距離が出来てしまった。

母親とはなかなか会ってやれてない。

貯金はほぼゼロ。

これは、自分への戒めだったと思い。
その手紙をサイフへ忍ばせた。

遠くで犬が鳴いていた。

自分という人間は、何を今までやってきたのか?

もっと深く考えるべきなのではないかと改めて考えていかなければならない。

ふと、見ると携帯電話が鳴っている。

彼女からだった。


もしもし、、、


そこで目が覚めた。

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