異世界転生者〜バケモノ級ダンジョンの攻略〜

海月結城

カレン家を買う?

 最近暑すぎて、溶けそうですね。読者の皆さん、熱中症には気をつけてくださいね。
pv400越えありがとうございます! 
お気に入り登録もあと少しで50行きそうです! ありがとうございます!



 今私は、あるところの目の前に立っていた。

「あの、避けてくれません?」
「あ、すみません」

 ここに来てから、二時間が経っていた。

「お客様、そこにずっと経っていられると困るのですが」
「すみません」

 優柔不断なので、きちんと決めてから来るとしようかな。と、言うことで、中央広場の噴水が見える椅子に座っている。

「お金は、十分すぎるほど持っているから、余裕で、買えるんだけど」
「どうかしましたか?」

 そう、声をかけられる顔を上げると、そこには白い髭を生やしたおじいさんが立っていた。

「ちょっと考え事を」
「こんなおじいさんでよければ相談に乗るぞ?」
「あ、お願いします。実は、、、」

 私の優柔不断のせいで、家を買うか買わないかを悩んでいる事を話した。

「なんじゃ、そんなことか」
「私にとっては、そんな事じゃ無いんですよ」
「それは、すまなかったな。して、お主は家を買うときに何を重要視にしているのじゃ?」
「私が重要視する、もの、それは」

 1つ、お風呂がある事
 2つ、心を休ませることが出来る事
 3つ、誰にも邪魔されない睡眠が取れる事

「ほうほう、それが大事なのか。なら、買えば良いじゃないか」
「でも、宿にずっと居て、今更変えるのもなんか、嫌じゃないですか」
「何を言っておる、宿とは家がない冒険者などに部屋を貸す仕事をしておる、家を買えば出て行くものも普通におる。もし、その宿が食事も出しているならそこに通えばよかろう」
「たしかに、そうですね」
「なら、決まったのう」
「はい! 家買います」

 そして、優しいおじいさんにお礼を言い、不動産屋に戻った。

「すみません、家買いたいんですが」
「いらっしゃいませ」

 そう、迎い入れてくれたのは、さっきのおじいさんだった。

「おじいさん、こんなところで何やってるんですか!?」
「その反応、面白いなぁ」
「ちょっと! からかわないで下さいよ」
「ほほほ、すまんすまん。して、さっきの条件で、いい物件があるんじゃが。どうだ?」

 してやられたな。はなっからこの為に相談に乗っていたのか。やるな。

「見に行きます」
「ほっほっ、そうかそうか。では、行くぞ」

 それから、5件ほど家を回った。一つ一つ紹介しよう。

ーーーーー

 1つ目
・築10年
・白金貨6枚、金貨32枚(6320万シル)
・貴族が使っていた屋敷
・領地が遠くなり使われなくなり、売られた
・風呂付、家具無し、部屋数分からない

 2つ目
・築17年
・白金貨3枚、金貨70枚(3700万シル)
・貴族が使っていた屋敷
・犯罪がバレ、没落した為家を売り払った
・風呂付、家具無し、部屋数分からない

 3つ目
・築20年
・白金貨1枚、金貨30枚(1300万シル)
・鍛治師が使っていた屋敷
・依頼された剣を作ったが、それが罠で、嵌められ殺された為、売られた
・鍛治場付、風呂付、家具無し、部屋数20

 4つ目
・築23年
・金貨90枚(900万シル)
・作ったはいいが、悪霊が取り付き誰もが買わずに残ってしまった屋敷
・風呂付、家具無し、部屋数22、悪霊付

 5つ目
・更地
・金貨30枚(300万)

ーーーーー

 この5つから買うと、いいらしいんだが。1番いいのは、やっぱり1つ目だよね。お金はあるから余裕だし、家具も買えるんだけど、部屋数がわからないほど大きいんだよね。笑っちゃうよ。
 5つ目は、自分の好きなように建てることが出来るのか、でも、そんな技術持ってないからな、頼むとなると相当な額になりそうだし、それは避けたい。
 よし! 

「おじいさん! 決めました」
「何番目に見たやつにするじゃ?」
「1番目と5番目に見たやつにします」
「1番目はわかるが、なぜ5番目のやつもなのじゃ?」
「実はですね、いつか、お店を開くと言う夢があってですね。早めに土地を購入しておきたくて」

 私は、地球にいた頃から、自分のお店を開くことを夢にしていた。地球では、どんなお店にしてるかを考えてる時に死んでしまったからね、この世界では、ゆっくりと、着実にやりたいお店を決めようと思っていた。候補もいくつかあるけど、それはまた今度に。

「ほう、いい夢をお持ちで。では、1番目の家を買うということで、家具をこちらで設置することもできますが、如何でしょうか? お金は、出してもらいますが」
「そうですね。いくつか要望があるので、それに応えてくれるのなら、お願いします」
「もちろん、無理のない範囲でしたら大丈夫ですよ、後、1週間後にまた来てくださいね、その時にお支払いもお願いします」
「では、この条件でお願いします」

 条件を書いた紙を渡しその場を去り、まだ時間があったので、今は、鍛治屋が沢山並んでいる、鍛治地区に来ていた。

「どこかに、武器を作ってくれる人いないかな?」

 そんなことを考えていると、後ろから声がかかった。

「どうした、子供がこんな所で」
「子供じゃないですよ。武器を作ってくれる職人さんを探してまして、ここら辺で1番腕が立つ職人さん知りませんか?」
「それなら、こっちだ。付いてきな」

 それから、少し歩き裏道の奥にある鍛冶屋に着いた。

「おい! リグさん! お客さん連れてきたぞ!」
「ん〜! 何勝手に連れてきているんだ! 俺は、俺の見込んだやつにしか作らないと言っているだろう!」
「大丈夫だよ! 今回はいい奴を連れてきたぞ」
「どうも、はじめまして」

 眠そうな返事しかしなかった、リグさんはいきなり目が本気になって、こちらを値踏みしてきた。

「ふ〜ん? 良いじゃねぇか! 作ってやるよ」
「ほんとですか!? ありがとうございます」
「おう! 俺はリグって言う、これからよろしくな!」
「はい! 私はカレンと言います。こちらこそよろしくお願いします」
「あー、なんだ、堅苦しいのはよしてくれ、敬語いらん」
「分かったよ、リグさん」
「まぁ、いいか。で、お前さんなんで、鍛治師を探していたんだ?」
「実は、、、」

 そこで、冒険者としてダンジョンに潜っていること、ダガーと刀を使っていることを話した。

「これは、なかなかの業物じゃないか。どうやって手に入れた?」
「内緒ですね」
「まぁ、そりゃそうか。で、この2つを作ればいいんだろ? 素材はどうする?」
「では、これを使ってください」

 そう言って、亜空間からダンジョンで見つけた、鉱石たちと、昨日のやつで倒したケルベロスの素材を取り出した。

「これは、アダマンタイトに、ミスリル、それに、ヒヒイロカネまで。しかもこれって、Sランクの魔物、ケルベロスじゃないか! まさか、相当強い冒険者だったのか」
「これで、作って欲しいんですが、素材足りますか? もし足らなければ、取ってきますよ?」
「そうだな、何か革とかないか? 相当なものがあれば良いんだが」
「それなら、これなんて如何でしょうか?」
「これは、ダークホースに、レッドブルじゃないか、どっちもAランクの魔物だ。よし、これがあれば十分作れるな」
「どのくらいで作り終わりますか?」

 実はこの魔物たちは、昨日の魔物の軍勢で、奥から戻ってくる時に倒していたのだ。

「そうだな、3週間あれば、妥協してないものができる。後、金だが、3週間後、お前が決めてくれ、俺が作った武器にお前が決めた金額を俺に払ってくれ」
「わかりました、それじゃ、3週間後またきますね。あ、案内もありがとうございました」

 今まで忘れていた、案内してくれた人にもお礼を言い、鍛冶屋を後にし、宿に向かった。

「あ! お帰りなさい、カレンさん!」
「ただいまネールちゃん」

 今日も可愛いネールちゃんだな。

「そういえば、ギルドマスターがカレンさんを探していましたよ?」
「え? まじか」

 昨日、あんな事があったから信用失ってるギルマスのところに行かないといけないのか、めんどくさいなぁ。

「なんでも、来なかったらギルド脱退とか言ってました」
「は?」

 まさか、脅してくるとは良い度胸してるじゃない、あいつ! 死にたいのかしら?

「ありがとう、ネールちゃん。行ってくるね」
「ん! 行ってらっしゃい!」

 ネールちゃんの元気な挨拶を背中に、ギルドに向かった。



 次回、ギルマスどうなるんでしょうね? 次の武器ができるまで、戦闘は無いと思います。多分。それまで、カレンのスローライフを楽しんでくださいね。
 レッドブルですが、赤い牛です。飲み物じゃ無いですよ。
 それに、作者は栄養ドリンクの臭いがどうしてもダメで、飲めないんですよ。

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