魔導学園

中田 成

魔導学園

第2話


目を覚ますと俺はベットにいた。ここは病院らしい   隣にはリュウがいた。
少しの間頭が混乱していたがすぐに昨日のことを思い出した。
ジンは俺たちを庇って死んじまった。ソウタもきっとあのまま殺されたんだろう。そんなことを考えているうちに怒りがこみ上げてくる。
  なんで俺達がこんな目に遭わなきゃいけないんだ。俺はただみんなと一緒楽しく過ごしていたかっただけなのに、誰だよこんなことする奴  
  そうだ全部あの化物のせいだ。あんな生物が存在してるからいけないんだ。
俺が一匹残らず
「駆除してやる!」
「どうしたんだ?シンキ、何を駆使するんだ?」  
隣で寝ていたはずのリュウが目を覚ましていた。
リュウは何も覚えていないのかいつもとあまり変わらないようだった。
「お前、何も覚えてないのか?」
「何をだ?」
やはり、何も覚えていないのか。
そう思った時、リュウが苦しみ出した。あまりに急なことで訳が分からない。リュウは頭を抱えうずくまっている。すぐに医者たちが駆けつけたが、そのまま動かなくなってしまった。

 と思われたその瞬間、リュウが動き出した。
俺はリュウはなんとか助かったんだと思い安心した。
 「リュウ!俺だ 分かるか?」
俺はリュウの意識が正常か確かめた。
しかし、返ってきた言葉は、
「殺したい」
  なにかの聞き間違いだと思った。しかし、リュウの姿を見ると教室で見たあの化物と同じ姿になっている。
  
どういう事だ? 何でリュウがあの化物に?
急な出来事で頭の中を整理出来ない。
まず、リュウは死んだ。と思ったら化物になった?
ますます分からない。
リュウは死んだのか?
「おい、リュウ どうしたんだよ?また、話しようぜ!なぁ!リュウ!!!」

もうこいつがリュウじゃないって事は俺も分かってる。分かってるけど!そう思いたくないんだよ。
 

  急に当たりが明るくなった。温かい光だ。なんだこれは?
俺の前に刀を持った1人の女が立っている。その女はリュウに近づいていく。
何をするのかと思えば、そのままリュウ斬ったんだ。
何してんだ?この女?なんでリュウを斬ったんだ?
「おい何してんだよ!なんで斬ったんだ!」
その女はこちらを向き
「もうこれはリュウさんじゃなかった。これはお兄ちゃんを守るためだったの
ごめんなさい。」
そこにはミユがいた。
「お前、ミユか?何でここにいるんだ?」
「私ずっと黙ってたけどずっとこの生物のこと知ってたんだ。私の仕事はこの生物を駆使することなの。それで私が呼ばれてここに来たの まさかお兄ちゃんの友達だったなんて本当にごめんなさい。」

「いや、いいんだ。俺ももうこいつがリュウじゃないことくらい分かってた
でもやっぱりこんなのは耐えられない ジンやソウタ、リュウをこんなにした奴がどこかにいるはずだ。俺はそいつを見つけ出して殺してやる!」

この時俺は心に決めた。絶対に殺すと。


今日、俺は病院を退院する。ミユは入院中も毎日来てくれていたが、家で会うのは久しぶりだ。
 家に着いたらまずなんて言おうかな?などを考えているうちに家の前についていた。
玄関を開けるとそこにはミユがいた。ミユは優しい声で
「おかえり」
と言ってくれた。その声を聞いて俺は自然と
「ただいま」
と言っていた。



今日は病院を出てから初めてのミユのご飯だ。やっぱりミユの作るご飯はいつ食べても美味しい。
「美味しいよ、ミユ」
その言葉で嬉しくなったのかニッコリと笑って
「良かった」
と言った。
その後みゆの表情は少し暗くなり何かを言おうとしている。
「どうしたミユ?」
ミユは俺の方を見て悲しそうな声で言った。
「お兄ちゃんは友達を化物に殺されたり、化物に変えられたりして、今でも無理してるんじゃないかって心配で」
ミユがそんなふうに思っていたなんて思いをしなかった。
「うん、確かに今は少し無理してる。目の前で仲間を殺され、目の前で仲間が化物になるなんて、頭がおかしくなりそうだ。でも、今は泣いてる暇なんてない。もっと強くなってあいつらの仇をとるんだ。だからあまり心配するな」
ミユは小さく頷いた


そうだ、俺はもっと強くなりたい。強くなってあいつらに俺が勝つところを見せてやる!
強くなるためには、まず旅にでも出るかな。
早速、準備をしているとミユが部屋に入ってきた。
「どこか行くの?」
「修行も兼ねて旅に出るんだ」
そういった途端ミユの表情が暗くなった。
「いつ帰ってくるの?」
涙声になっている。
「当分は帰らないつもりだ」
そう言うとミユが
「私も行く!」
と言い出した。
ここは兄としては止めるところなんだろうが正直俺よりミユの方が強いし
一緒に修行するのもいいと思ったので連れていくことにする。

出発の日、生憎の雨だったが、そんなことは気にしない。これから俺たちは強くなるためには旅に出るんだ。
「さぁ、出発だ!」














コメント

  • 春風 めると

    報告失礼します!
    駆除が途中で駆使になっています!

    0
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