こんな俺でも愛してくれますか

UAI

36話 まずい状況

「そろそろだと思うんだけど。」
「何がですか?」

子供が来た通路を今進んで、15分ぐらい経つが、一向に目的の場所へ着かない。

「ここ一番下だろ?なのにザ・研究室的なところに着かないから。」
「あははは...あれ、ここ知ってる。」
「っと、どこ。」
「ここです。」

レクが指す方向は真っ白い空間の部屋だった。

「何もないけど、ここがどうした?」
「いえ、なんとなくですが。」
「ふーん、なんとなくなら行くぞ。」
「はい。」

真っ白い部屋から出ると、また進み出した。





「まだ捕まらんのか!」
「すみません、手強いもので。」
「なら、実験室まで誘導しろ。」
「はい。」

(なんとしてでも、取り戻さねば。)

そう言って、今後の作戦を考えていた。





大打撃を与えるため、大御所のいるところを目指すが、なかなかたどり着けない。

「まじ、広すぎ。....あぁー。索敵の魔法は使えないし。」
「ちょっと...待って..下ださい。」
「休むか、走りっぱなしだし。」

(侵入して、4、5時間ぐらい。いやもっとかもな走り続けたからな。)

「さて、レク。武器を創造クラフトしてみて。」
創造クラフト

レクの手に魔法陣が浮かび、剣が生み出された。

「これでいいんですか?」
「完璧だな。」

ギンは、レクの頭を撫でた。

(これは、下手をすれば....)

ある仮説をギンは立てた。外れる事を期待して。

「いたぞ。」
「まじか...レク行くぞ。」
「はい...っ。」

レクは立ち上がってすぐ膝をつき、苦しみ出した。

「うっ...たす、けて。」
「レク。」
「.....」

そのままレクは倒れた。

「おい、しっかりしろ。」

呼びかけても反応がない。ギンはレクを抱え追ってから逃げた。

「どこからともなく。」
「いたぞ。」
「こっちもか。」

行く先に部隊がいて、巻いて休む暇がない。
薄々ギンは気づいてきた、これは誘い込んでいると。

(従うかその方が探す手間が省ける。レクをどうするかが問題だが、いけるだろ。)

ふと、我に帰ると追っ手の足音が聞こえなくなっていた。

「予想的中。てことはこのまま真っ直ぐ行けば。」

予想が的中した。そして走りのペースを格段に上げ、突き進んでいく。

「見えた。圧縮弾インパクト

蹴りでドアを破壊して、室内に入っていく。

「ここだな、目的地は。」
「これはこれは。」

声がした方を見る。そこには男の人が立っていた。長髪で顔立ちはよく、ザ・イケメンの人が立っていた。

「おいあんた。レクに何をした。」
「何もしてません、ただ力を無理やり与えただけです。」
「無理やりねぇー?」
「お気に召されたなら、殴ってもいいです。けど殴れますか?」
「じゃ、遠慮なく。」

ギンはレクをおんぶして、男に殴りかかった。
が、ギンは殴るのも寸止めでやめた。なぜなら、男の前に少女がいたからだ。

「汚いな。」
「そういう人間ですので。私こと藍染輝あいぜんひかるは。」

輝はそう言って、綺麗な姿勢で挨拶して、少女に指示を出した。

「殺しなさい、私の最高傑作さん。」
「はい、マスター。」





新しく書いたのがあるのでそちらもみてください。

よし、やるぞい。




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