こんな俺でも愛してくれますか

UAI

20話 運がない

ラブレターを下駄箱に入れ、教室へ向かう。入学してから早1ヶ月、クラス内はグループが出来ている。

「えっと席は、...入学の時とおんなじ。」
「遅い。」
「隣ですね。」
「よかった。メリーとミアで、お前ら以外と喋ったことないし。」
「コミュ障なの?」
「違うわ。ただ単に、実力が違うから話しかけにくいのかも。」
「私だけは、ギン様の味方です。」

ミアは、質問。メリーは、励ましの声をかけた。

「それだけ、俺が人間じゃないってこと。」

自分が人でないかが際立っていた。

「メリー、今日何がいい?」
「えーと、帰りまでには決めときます。」
「本当に作れんの?」
「どんだけ疑ってんだよ。うち来るか?」
「いいの。」
「以外な反応するなよ。じゃ、放課後な。」
「うん。」

ミアと話していると、横から目線を感じた。

「メリーさん、なんでしょう?」
「なんでもありません。」

メリーの機嫌が悪いまま、授業が始まった。

「今日は、昨日の続きからだ。魔法を発動してみろ。」

授業の担当は、担任の先生。浦原先生、普通なら別の人だが、この学校の先生は、誰もが魔法の上位が使える。

「よし、ここまで。だいたいできるな。」

先生は、何か決心した。

「次は、外に集合な。」
「何するんですか?」
「お楽しみに。」

そして授業が終わった。

「着替えるか。」

外で授業は、初めてでみんなは楽しそうだった。

「これからは、外で授業だからな。」
「外で授業するときは、俺が担当だ。」

浦原先生の紹介後、先生が紹介を始めた。

山中翁やまなか おきなだ。よろしく。早速、対人の授業からだ。」
「いきなりですか?」
「なんだい?真紀君。」
「対人って、いつ使うのですか?」
「邪鬼との戦闘、強盗にあったときなど最悪の事態に備えて学ぶのだよ。」
「わ、わかりました。」
「じゃー、2人組を作ってくれ。」

翁先生が、2人組の合図でどんどんできていき、3人余った。

「そっか、31人か。仕方ない、先生とだれかだが...」

ミア、メリーそしてギンが残った。ギンは、2人に目で合図した。

「俺が行くよ。その方がいいだろう?」
「ごめんね。」
「すいません。」
「慣れてるから。」

ギンは、先生と組むことになった。

「確か、ギン・レックスだったな。」
「はい、何すればいいですか?」
「手始めに、模擬戦してみるか?」
「いや、いいです。」
「そう言わずに。な。」

ふと、ギンは思った。断れない...と。

「わかりました、やります。」
「準備しろ。」

そこからは、翁先生とギンは、離れ合図を待った。


「では、初め。」

浦原先生の合図とともに、翁先生が動いた。

(自身に速さをあげる魔法をかけて、詰めてきたか。)

先生は、ギンの前に来て大きく振りかぶり、詠唱をした。

増強ブースト。」

そのまま、ギンの腹めがけて放たれた。

(決まったな。)

先生は、そう思った。が、違った。

「先生、弱いです。」
「っ、どうして。」

魔法で力を上げて打ち込んだ拳を、軽く片手で受け止めていた。

「ちなみに、何も付与してませんよ。」
「舐めやがって、雷よ。」
「大人げないですよ。」

先生は、上級魔法をギンに向けた。

(メア、出番だ。)
(やっとかー、負の感情を取ればいいの?)
(あぁ、頼む。)

いきなり、翁先生の放とうとした魔法が消え、先生は、倒れた。

「勝者ギン」

そして、その場は静まり返った。

「あの、どうします?」
「保健室につれていくから、教室へもどってろ。」

そうして、授業が終わった。そこから、学校が終わるまで静かだった。




今夜の夕飯を買いに、3人で買い物に行く途中で、ミアが言ってきた。

「何したの?」
「メアの力を使った。」
「メアって、メリーさんに憑いた?」
「そう。メア見てみる?」
「見たいけど、危なくない?」
「大丈夫だよ、メア」

ギンの身体から、黒い霧が出てきて形になっていく。

「久々の外だー。」
「あー、メア。」
「どうも、久しぶり。...怒らないの?あんなことしても。」
「ギン様から事情を聞いたので。」
「そっか、ごめんね。」

あのこととは、メアがメリーに取り憑き両親を殺そうとしたことだ。

「メアは、邪鬼に近い存在だが無害だぞ。闇が必要だけど。」
「邪鬼って。」
「メアさん邪鬼だったんですか?」
「まーね。」

メアをミアに見せ、マーケットに着き、メリーのリクエストを受けその食材を買っていたとき、事件が起きた。

「動くな、死にたくないなら。」

強盗犯が、侵入していた。

(運がないな、俺)

つくづく思うギンだった。




頑張っていくぞい










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