こんな俺でも愛してくれますか

UAI

17話 災厄 その2

ギンside

「ヤベー。聞いてはいけないものを聞いてしまった。」

それは、昨日の夜。レイトンとレイの話を聞いてしまったからだ。

「メリーを殺す....か。」

部屋で独り言を言っていると、コンコンとノックされた。

「はーい。」
「ギン様。お夕食の時間です。」
「今いくよ。」

メイドに呼ばれ、夕飯を食べに行った。

「遅いぞ。ギン殿。」
「すいません。寝てました。」

ギンは、椅子に座り。周りを見た。

「メリーがいなんですけど。」
「メリーなら、訓練所に。魔法の特訓をしている。」
「そうなんですか。」

レスタンと喋っていると、料理が運ばれてきた。

「メリーを待ちたいけど、冷めたらいけないし、先にだべない?」
「そうだな。」
「僕は..」
「そういはずに。」
「わかりましたよ。」

レスタン、レイに勧められ食事を始めた。

(うまい。)

と心の中でギンは言った。

「なんか、眠くなってきました。」

(あ、やばい、意識が。)

「すまないな。ギン。」
「レス..タン..さ..ん。」

ガシャンと食器を落とす音と共にギンは倒れ、寝てしまった。





メリーside

「お父様ったら、訓練所に来いとはなんの用でしょう?」

昨晩、メリーは、レスタンに訓練所に来いと言われていた。

「早くしてよ。まだ寒いんだから。」

愚痴を言いつつも待った。
すると、周りが明るくなり、訓練所の中央に光が集まった。

「何事ですか。」

少しの混乱と焦りがメリーに現れた。

「これより、魔女狩りを始める。」

そう宣言したのは...

「え..。」

メリーに、驚きはなく、何が起こっているのかわからないような声を上げた。

「王族に魔女が生まれたことが知れ渡れば、地位と名誉に関わるのだ。」

(お父様は、何を言っているの。)

「メリーよ。お前は、いい子だ。..けどすまない。証拠があってはどうしようもできないのだ。」

レスタンは、メリーにある写真を見せた。

「これって...私?でも、私はあの夜家にいましたよ。」
「証拠ならある。メア..と言ったな。」

レスタンは、メリーしか知らない名を呼んだ。

「はい。レスタン様、この者はあの夜、神父から魔力を吸い取り、我が物にしました。」
「と、ゆうことだ。」
「メア、何を言ってるの。」

メアは、レスタンに見えないように、メリーに悪魔の笑みを見せた。

(何かが....壊れていく気がする。)






メアside

(そろそろかな。..親の目の前で魔女だといわれ、私からも見捨てられ。....メリー。あなたの闇はどんな感じかな。)

メアは、メリーからの闇の感情を手にするベく、メリーの身体へと入っていった。
それを見ていたレスタンは....

「貴様、まさか!」

レスタンは、メアがメリーの身体に入っていったとこを見て、悟った。こいつが魔女だと。

「レスタン様。気づくのが遅いな。」

声、身体、全て自分の娘メリー。だが、今喋っているのは、紛れもなくメア本人だ。

「いやー。一時はどうなるかと思ったけど。あっさりいけてよかったよ。この身体とても居心地がいいし。...あとは、お前たちを殺したら、全て終わる。」





ギンside

「んー。..あれ?ここどこ。」

目が覚めたギンは、今の状況をすぐに飲み込んだ。

「えっと、確か眠らされて、ここにぶち込まれた感じかな。それと...手錠に足枷。はぁー、 こんなことで捕まえたつもりかな。」

バキンとギンは、手錠、足枷を鍵を使わずに外した。

「さてと。」

むくりと起き上がり、ガチャンと牢屋の扉を開けて歩き出す。

(護衛が二人か。なら...電撃スパーク)

護衛の人たちを気絶させた。

(この魔法便利だな。魔力の加減で威力が変わるとか。....その前に。)

「今は、メリーを助けないと。すげぇ負の感情が漂ってる。...善は急げだ。転移テレポート

ギンは、一瞬にして牢屋からいなくなった。

「これまた、やってくれたな。」

訓練所は、死人でいっぱいだった。一つゆうなら、レスタンは生き残っていた。

「ねぇ、娘から殺される感じどう?」
「やめてくれ。金か、欲しいものならくれてやるから、命だけは。」
「なんか、飽きた。それじゃ。」

メアは、レスタンの首を切る瞬間、メアめがけて炎が飛んできた。

「なに邪魔してんの。」
「こっちの台詞だ。」

メアの後ろには誰もいなかったはずなのに、人がいた。

(いつのまに。)

ギリギリのとこで回避し、距離をとった。

「あとちょっとで捕まえられたのに。」
「あんた、誰?」
「おいおい、知ってるだろ?メリーの中に居たんだから。」
「なんでそれを。」
「俺も、おんなじの飼ってるから。なんとなく。」
「なんとなくで当たるもんじゃないだろ。」

すると、メアが、ギンの間合いに入ってきた。至近距離での魔法の発動。これは避けきれない。が...

「なっ。無傷だと。」
「あぶねー。絶対防壁リフレクターを展開しといて正解だった。」
「この...」

また、メアが、ギンを斬りつけようとしたが..

「あのな、俺は戦いに来たわけじゃない。取引したい。」

時すでに遅し、メアは拘束されていた。

「この、拘束をとけ。」
「話でもきけよ。...お前さ、闇が欲しいだけだろ?」
「....」
「図星か?..ならさ、俺のとこに入れよ。」
「なに言ってるの。」
「俺は、闇が多いぞ。お前にならわかるはずだ。」

メアは、ギンを見つめた。ギンの闇を見るために。

「そうだな....で、私に利益は?」
「お前の闇に飲まれたら、俺の力を使っていいよ。」
「いいだろう。入ってやる。だが、なぜ消さなかった。」
「親の前、娘をやるのはどうかと思っただけ。」
「そうか。」

メアは、みるみるギンの身体へと移っていった。すると、たちまちメリーの身体が見えてきた。

「...私...は、なにを」
「メリーは、なにもしてないよ。」
「で、でも、この光景を見たら。」
「記憶を消すから、大丈夫。」
「私の記憶は、どうするの?」
「そう望むなら。」
「それじゃ、私以外をお願いします。」
「理由は?」
「私の弱さの現れと思ったからです。」
「魔法使えないのに?」
「別にいいじゃないですか。」
「はいはい。それじゃ。」
「はい。」

少しの会話。メリー以外は、今まで起こったことを忘れ、いつも通りの日々を過ごすことになる。

「今さっき起こったことをの記憶だけを消す。でいいね。」
「問題ないです。」
「では。...術式展開。」

空中に魔法陣が浮かび...

「俺とメリー以外の記憶の消去の実行。...術式発動。」

ギンの発言と同時に、魔法陣が光り、その夜は幕を閉じた。

次の日。ギンは朝早くにメリーの部屋に訪れた。

「メリー、メリー。」
「にゃんですか。...ってギン様。何ですか。」
「これを渡しておくよ。ここに居づらかったら、ここに来い。俺が何とかしてやる。」
「....それって。」
「そう、俺が...」
「プロポーズですね。俺の嫁にと。」

俺が養ってやる。というつもりが、へんな誤解を生んでしまった。

「メリーさん、誤解ですよー。」
「えっ、誤解!?」
「養って...や...る。」

メリーは、ギンに、期待の眼差しを向けた。

(そんな目を向けるな。断りづらいだろう。)

「じゃ、保留で。」
「保留?」
「ここに一人で来れたら考えてやるよ。」
「絶対ですよ。」
「はいはい。それじゃ俺帰るは。」
「もうですか?」
「もうって、かれこれ3日は立ってるぞ。」
「また、泊まっていけば。」
「だから、ここに来いって。」
「わかりました。」
「物分りが良くてよかったよ。それじゃ、またな。レスタンさんとレイさんによろしくって言っといて。」
「はい。」

そう言い残して、ギンは、メリーの目の前から消えた。[バールン学園]と書いた紙を残して。





今回は、長すぎた。





























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