最強の侍は弟子をダンジョンで鍛えるそうです

ねむ

第6話

俺たちはあの後少し進み12階層まで来ていた。
あの後もあんな調子で戦闘はあったりもしたがあれ以来ミノタウルスが3体同時というのはなかった。
「だいぶ魔石も集められましたし、もう帰りますか?」
「いや、今日は14階層まで行くよ。」
「14階層?、、、階層主守護者を倒しに?」
「うん。フユの魔力の扱いの強化にね。」
フユはまだ魔力を扱いきれていない。
だからこそ強い相手と戦い、魔力を完全にじぶんのものへとしてもらおうと思っている。
その相手に階層主守護者というのはおかしいと思われるがフユは中層で活動している冒険者、いざとなったら下層で活動する俺が助ければなんとかなるからだ。
階層主守護者はその階層のレベルより断然高い潜在能力ポテンシャルを持っている。
なので普通の冒険者は階層主守護者に合わないよう探索している。
とまぁそんな話をしていたところでモンスターが来ていたが他のパーティが倒していたので無駄に戦わなくてよかったと思おう。
とりあえずフユにどのようなモンスターなのかを教え、俺たちは14階層階層主へと向かった。



上層・14階層
「ようやく着きましたね。」
「うん。まだ階層主守護者は産まれ落ちてないみたいだけどね。」
そういい、階層主守護者が産まれるまで俺たちはそこら辺にいたモンスターを狩っていた。
14階層は広く、まさに階層主守護者が出そうな感じなルームだった。
ある程度狩り、魔石を集め少し休憩していると
「お!クロノスじゃねえか!おーい!」
俺を呼ぶ声が聞こえて来たと思ったら大剣を持った男と双剣を持った男の2人組が近づいて来た。
「カルドとエアルか。久しぶりだな。」
「この2人は誰なんですかクロノス様?」
「この2人は昔下層攻略の大きいチームを組んだときに同じパーティだった2人だ。」
そう言っていると赤い髪に紅色の目で体格は180cmくらいある紅い大剣を持つ男は笑いながら喋りはじめた。
「フユちゃんだっけ?こいつが弟子を持ってるなんて知らなかったなあ」
と、話しながら常に「ガッハッハッ」ってうるせえなこいつ。
「まあな。お前らより強いんじゃないか?」
そう言った瞬間カルドの魔力の流れが一瞬変わったがすぐに戻った。
「さすがにそれは無いな。」
ハッハッハッと笑い流してる。
俺は気づいてるぞ、一瞬キレかけたのにな。
「クロノスさんお久しぶりです。」
「そうだな。エアルも久しぶりに会ったな。」
緑色の髪に青色の目、細身にあまり大きくない身長に青と緑の双剣を持つエアルは一見弱そうに見えるが実力は本物だ。
双剣の片方片方に他の属性を付与し戦うからだ。
とても1日、2日じゃできないような芸当だ。
「そういやお前ら何やってんだこんなとこで?」
いや、まぁ唐突だな、、、
俺たちがフユの鍛練の為に階層主守護者と戦いにきたことを伝えるとカルドはお前アホか、とエアルはクロノスさんらしいですね、とまぁやじを飛ばされた。
「逆にお前らは何しにきたんだ?」
「俺らはもう少し先に下層攻略にまたチームが組まれるらしいんだ。それで俺らは腕を磨きにきたんだよ。」
「よかったらクロノスさんたちもチームに来ませんか?クロノスさんが入れば百人力ですし。」
ほう。下層攻略チームがまた組まれるのか。
まぁ別に俺は行く気ないからなぁ。
「俺はやめと、、、」
「私行きたいです!!」
フユが手をぴんぴんに上げ、身を乗り出してきた。
え、まじかよ。
早めに説得しようかと思ったが、
カルドは
「お、フユちゃん下層に行きたいのか。どうだおっちゃんたちと行かないか?」
とキモい言い方で、
エアルは
「カルド、そんな聞き方は誘拐犯ですよ。フユさんもクロノスさんが認めてる実力者ですし心強い味方ですね。」
紳士的に受け止めていた。
そんな2人にフユは
「是非行きたいです!!」
とまぁ乗り気でワイワイ話しているので俺が止めることもできず、そのまめ何故か俺まで下層攻略チームに入ることになってしまった。

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