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聖女な妹を狙うやつは、魔王だろうと殴ります。

ibis

人王との面会―1話

「……で、仲直りできたのね」
「ああ……心配かけたな」
「ゴメンねリオンさん!」
「いいのよ……ほら、早く食べなさい」

 ギルドのカウンター……リオンさんが持ってくる料理を見て、シャルが眼を輝かせる。

「リオンさん!アルにぃってばスゴいんだよ!」
「はいはい。アルヴァーナがスゴいのは昔からでしょ」
「なんかね!『強欲』を倒したの!」

 俺の口に含んでいた水が放出された。

「『強欲』って……魔王軍幹部の?」
「うん!『七つの大罪』の!」
「へぇ……スゴいわね、アルヴァーナ」
「おう、まったく信じてねぇな。まあいいけどよ」

 背もたれに寄りかかり腕を組む。

「……エルビスのやつ……どうなったんだろ」

 俺たち『七つの大罪』は、与えられた使命を成功して当然のメンツ。
 今まで失敗した事のないエリート……成功して当然の常勝軍団……そんなやつが、任務を失敗したら?
 魔王から与えられた使命ではないとは言え……いや、与えられていないからこそ、か。
 勝手に行動した上、負けて帰ってくるなんて……どんな処分を下されるか、想像もつかない。

「お、アルヴァーナ!何やってんだ?」
「……ユートか、ちょっと飯食ってただけだ」

 がちゃがちゃとやかましい音……ユートの鎧か。

「……なあ、ちょっと聞きたいんだけど」
「ん、どうした」
「……『強欲』……来てたか?」

 ……今、なんて言った?

「は、え?お前……わかるのか?」
「いやいや、ちょっと女神が教えてくれたんだよ。『『七つの大罪』、『強欲』の気配がします』ってな」
「……それで?」
「それが本当なら、ギルドが大騒ぎになってるかなーって思って来たんだけど……女神の勘違いかな?」

 なんだよ女神って、スゴいな。

「……いや、『強欲』は来てたけど……もう追い払った」
「追い払ったって……アルヴァーナが?!」
「ああ……シャルに手を出しやがったから、ボコボコにしてやったよ」
「うはー……アルヴァーナはつえぇな。最初に会った時もドラゴンを投げてたし……」

 俺の隣に座るユートを見て、シャルが小さく舌打ちをする。

「……そうだ。アルヴァーナ、今から王宮に行かねえか?」
「王宮……?なんでだよ、行く意味ないだろ」
「いやいや、『強欲』を追い払ったんだ。国王から褒められるに決まってる!」

 こいつは……自分で何を言っているのか、わかってるのか?
 そもそも、一般人が国王に会えるはずがない。
 不用意に王宮に近づけば―――それだけで捕縛される。

「……俺たち一般人は、王宮に近づくだけで捕縛されるんだぞ?国王に会うなんて―――」
「大丈夫大丈夫!俺、国王にコネあるから!」
「……は?」
「この前、外を歩いていた『人王』を助けたんだ。だから俺が一緒に行けば、捕まる事はねえ!」

 ……どうしようか。

「……ねぇ」
「お、なんだ嬢ちゃん」
「……うるさい」

 ユートを睨むシャルが、フォークの先を向けながら続ける。

「なんでアル兄に関わるの?私のアル兄に近づかないでよ」
「え、えーっと……アルヴァーナ?なんで俺、こんなに警戒されてんの?」
「あー……あれだ。シャルは人見知りでな」

 シャルの頭を撫で、ユートを睨むのを中断させる。

「でも……『人王』に会える機会とかないからな。会いに行ってもいいか?」
「おう!任せときな!」
「えっと……シャルはどうする?」
「付いて行くに決まってるでしょー?!リオンさん、ご飯取ってて!すぐに戻ってくるから!」
「えぇ、気を付けてね」

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