初デート

ノベルバユーザー215966

初デート(2)


『おはよーー待ったー?』

元町中華街駅に女の子がやってきた
いつもより化粧は濃いめだ

(いつもは学校だし休日はこんなものなのかな?)
などと考えながらも手を振る

「おはよー!!
全然!俺も今来たとこ〜!」

男は30分以上前に着いていたが笑顔でそう答える



『今日暑いしお腹空いたーーー』

女の子がしんどそうな顔を見せる
たしかにこの日は30度近く上がるらしい

「そーだねほんと暑いね
中華街で美味しいもの食べて元気つけよ!!」

この日のために中華街で人気な食べ物を調べておいたのだ!
腕の見せどころだと男は胸を張る



「何が食べたいものある!?」

『えーなんでもいいよ』


       はい、困るヤツ来た

「んーーーじゃ有名どころで
肉まん豚まんとか食べに行こか!!」


『あーーーいいよーー』

(、、あまり乗り気じゃないな、、、
まぁ食べたら元気出るかな、、


流石に日曜というのもあって横浜はなかなかの人混みである。
肉まんのお店も少し列が伸びているが
5、6人といったところでそれほど多くもない


『あーー結構並んでるーーー』

「これくらいならすぐだよきっと!
美味しいから楽しみにしといて!!」

5分程度の待ち時間をつたない会話で過ごし
ついに念願の肉まん豚まんを手に入れた

『んーーおいしいーー!』
女の子も喜んでくれたようだ

こころなしか笑顔が増えた気がする。


『このあとはどーする予定??』

「食べ歩きしながら
みなとみらいでいろいろショッピングしよーかなーって!

夜は横浜でご飯でも食べて帰ろう!」

『いいねーー次食べよー!』

その後小籠包やフカヒレなど有名なものを食べお腹を満たしていった。

『熱いものばっかり食べたから
冷たいもの食べたいー』

「杏仁ソフトってやつがあるよ!!
そこいこっか!」

しかしお店は大盛況。
小さい子供もたくさんいて注文までは
なかなかかかりそう

「並んでるところ日向だから
日陰にいていいよ!買って来るから!」

『じゃ待ってる、はやくしてねー』


(んーーー早く買えてくれーー)

そんな思いも届かず15分ほどかかってしまった


「ごめんー待たせて!やっと買えたよ!」


『遅いから飲み物買っちゃったよ』


「ええーごめんごめん!
でもきっと美味しいから食べてみて!」


『んーー、、、

ん!思ったよりおいしいーー!』


と機嫌が悪くなりそうだったところを
ソフトクリームに助けてもらった

しかし夏の気温によりアイスが溶けるのも早い


『うっわ、手にたれてきたんだけど、、、
最悪、、めっちゃベタベタする、、』


「たいへん!タオルかそうか?」

『タオルじゃ無理でしょ
手洗いたいんだけど、、、』

(トイレなんて近くにあるかな、、
コンビニとかで借りようか、、

しかし中華街の真ん中
コンビニもそんなに近くにはなく

「ちょっと駅の方もどるけどいく??」


『えーーじゃいいや、、、
みなとみらいいこ、、』


「そっか、、、ごめんね、、」
(やばいな露骨にテンション落ちてるよ、、)




しばらく話しかけても少しの返事のみの
ほぼ無言で歩くと

『あとどれ位?』

「まだ3分の1くらいかな〜」


『あとそんなあんの???
暑いんだけどほんと』


そこから応援団長に任命された男は
女の子の暑い疲れた座りたいの愚痴を
聞きながら応援していく時間を過ごした


しかしながらそのおかげか
みなとみらいにはつくことが出来た

「みなとみらいついたよ!!」

『やっとーーー
もう無理足痛いどっかお店はいろ』

「そ、そうだね
じゃあそこのカフェ入ろっか、、」


(どうにか機嫌が治るといいけど、、、)


そんな希望が届くんけもなく、、

カフェでも会話が弾むことなく
時間のみがすぎていく、、

会話を投げかけても
瞬間に撃ち落とされる、、

的確な技術になすすべがない、、


これはもう最後のディナーにかけるしかない


「まだ5時くらいだけどご飯食べに行く??!!
赤レンガに美味しいお店あるんだ!」



『えーーまた戻るの??
ここで食べれば良くない??』


「まそーだけど、、
でも電話してあるから!!
夜景も綺麗だしね!!」


『えーーでも予約お金かかってないでしょ?
まだキャンセルできるよね?
てか今ケーキ食べたしそんなにお腹すいてない』



「、、、そーだよね、、、
じゃ今日はもう帰ろっか、、」


『今日暑いしそんな食欲わかないんだよね
たくさん歩きすぎて足痛いしこれ以上移動とか無理すぎる
汗かいてベタベタするしほんと早くお風呂入りたい
横浜別に近いからまた来れるし
今日じゃなくてもいいよね普通に
明日学校あるし早く寝たい
私いつも早く寝るんだよね
毎日8時間は寝ないといけな、、、、、、』





帰り道の電車30分が5時間くらいに感じたのは言うまでもない


こうして楽しみにしていた日曜が終わった


そしてまじ最悪なデートに連れてかれたという噂が女子達のあいだで広まった


そう言えば帰り際よく見たら
全然可愛くなかった

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