新しい世界で生きるには

パロす

閑話 : 英雄と呼ばれた少年

少年は平凡で特になにも無い村で生まれた。

少年の世界では8歳でステータスプレートを教会で渡される。
その使い方は教会で渡されたステータスプレートに血胤を押すだけ。
他人に能力は知られることはない。
冒険者ギルドでも教える必要はない。
そして、少年はステータスプレートに血胤を押して、スキル欄をみる。
書いてあった自分の能力は【スキル創生】だった
少年は舞い上がった。
だが誰にもそれを教えることはなかった。それが愚かな手段だと分かっていたからだ。


少年は家に帰り欲しかったスキルを願った。
それは電撃のスキルだった。
少年は電撃の魔術師に憧れていた。だから欲しかった。
だがこのスキルでその上を行くことも分かっていた。それでも電撃のスキルが欲しかった。
だから願った。

しかしそれは叶わなかった。

何故ならば願った時頭に無機質な声が流れてきたのだ。

【宇宙のどこかでそのスキルはすでに創生されています。未創生のスキルを創生してください】

少年は唖然とした。何故ならば既に創生されたスキルを自分のスキルとして創生するスキルだと思っていたからだ。
まさか未創生のスキルを自分の手元に創生するとは思わなかったのだ。だからこそ少年は焦った。

もし、自分がスキルを思い浮かばなかったら、ただのスキル無しになってしまう。

だから必死に願いまくった。強いスキルが欲しい。英雄になれるスキルが欲しい…と。すると頭に流れた。

【勇者の力を創生しますか?】

……と。
少年はまた唖然とした。
今までの勇者はこのスキルがなかったのか…と。
それと同時に喜んだ。これで俺は勇者になれると。この力があれば英雄になれる…と。
だが少年は考えを改めた。
その力があっただけでもそれは身体能力が英雄並みになるだけなのではないか?  
流石に英雄のような力が纏めてあるスキルなど都合が良すぎる。と思ったからだ。
舞い上がるのは早すぎた。
少年はほかのスキルがなければダメだと考えた。
だが、スキルを創り出し過ぎてしまい、少年はこのスキルに酔いしれておかしくなってしまうかもしれない。だから先に精神を安定させるスキルを創ろうと思った。それは簡単に叶った。

【明鏡止水を創生しますか?】

少年は喜んだ。これで俺は狂わない。そう確信した。そして次に必要なスキルに気づいた。敵に抵抗する手段がないのだ。それを考えて少年は攻撃手段を創ろうとした。だが、先に攻撃手段よりも防御を欲した。何故ならば守れなければ意味が無いからだ。
そしてついに見つけたスキル

【バリアーを創生しますか?】

少年は喜んだ。だが、今更気づいた。スキルの名称が分かっても効果が分からないと。【バリアー】の守れる範囲はどこからどこまでなのか、果たしほんとに【勇者の力】は身体能力強化なのかが、さっぱり分からなかった。
だから【鑑定】がないか願った。だがそれは叶わなかった。既に作られていたのだ。
だが、どうしても欲しかった少年は考えた。そして考えついた。そう。なにも全てを鑑定する訳ではない。

限定的な鑑定でいいのだ。

だからもう一度願った次はスキル鑑定を。
するとやはり少年の当ては当たった。

【限定鑑定『スキル』を創生しますか?】

もちろん創生した。それから勇者の力はやはり身体能力強化だけだったことが分かり先に気づけて少年は安堵した。
他に、バリアーは全てを防げることが分かった。
精神攻撃、物理攻撃、魔術攻撃、自然現象etc…
これには驚いた。
だがこのスキルはダメージを受けるたびに魔力が消費されるようだ。
そして次は、さらに身体能力を強化したいと思った。
だから次は身体能力強化を願った。だがやはり先に創生されていた。
ならばと思い身体能力強化「激化」を付け足した。そしたらやはり創生できた。

【身体能力強化『激化』を創生しますか?】

勿論イエスだ。
次に魔術を使いたくて適正が欲しくて全適正を願った。これがあれば電撃スキルのモノマネができるからだ。だがそれはあっけなく取れた。

【全適正を創生しますか?】

この全適正は全ての魔術の属性及び武器の適正、全てが適正になるという、とんでもキチガイスキルだった。パワーバランスが関係あったのだろうか。
ならばパワーバランスを調整するためにマナが無限になることはないだろう。
だから今度はマナ無限大にしようと思い願った。だがそれは既に創られていた。
訳がわからない。少年はそう思った。
だからその格段に下がる特大を創生した。

こうして作業のように、スキル名を付け足して、又はスキル名から文字を抜いて、スキルを創っていった。




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俺ははいつの間にか勇者と呼ばれるまでに強くなっていた。
それは、大陸に現れた邪龍を狩ったからだ。
邪龍は強かった。確かに強かった。しかし勝てた。
邪龍は口を開けば猛毒を振りまいた。
だがそれは【バリアー】で済む話だったのだ。
なに?  猛毒を持つ鋭利な爪?  それも【バリアー】で余裕だ。
【超高速再生】なんて使う日が来るのか?  と笑うぐらい【バリアー】は強かった。
だが割れることがないそう確信した。邪龍はそんな俺を見て癇癪を起こした。
それもそうだろう。自分よりも小さな、そして弱そうな獲物が反抗するからだ。しかし、邪龍の使った、【空間断絶】スキルあれは脅威的なものだった。
俺は余裕で立って居たが、俺の【危機感『命』】に引っかかったのだ。
このスキルのおかげで俺は命拾いしたと言っても過言ではないであろう。
何故ならば自分の居たはずの場所が真っ黒になり何もなくなっていたからだ。
普通ならばこんなことはありえない。俺は自分が侮っていたと自覚した。慢心していたと自覚した。
【明鏡止水】は慢心までは治せなかったようだ。
だが、強い殺意は静まるようだ。ただ殺そう!  そう思うだけだったのだから。
ところで、あの邪龍が放った黒い物体はなんだ?  そう思っていながら見ていたが、少しして元に戻っていた。
否。
それは違った。背景は元に戻ったが、先程まで黒くなっていた場所に引き寄せられるような感覚を覚えたからだ。
邪龍はグォォォーーン!!!と吠えていたが何を言っているのかわからない。
そんな事よりもこの引力は……そう思い俺は重力「魔術」を使った。これはこの世界でスキルとは関係の無いこの世界にある魔術なのだ。【全適正】スキルで手に入れたからあまりスキルと変わらない気もするがそれはご愛嬌。
重力魔術で適当にその引力を感じる場所を無重力にしてみた。それは目論み通り引力を感じることがなくなった。
これで場所は元に戻った。あとは倒すだけだ。
俺は【錬成】スキルで創った聖剣「クラウソラス」を振り下ろすと同時に【飛斬】のスキルを使い、更に飛んでいった斬撃に【付与】スキルで【崩壊】のスキルを乗せ何度も何度も同じことを繰り返し、切れ伏せば細胞組織は崩壊されそのうち死ぬだろうと思った。

結論でいえば成功した。流石に魔術を全て反射する鱗を持つ邪龍でも【飛斬】に【付与】させた【崩壊】は魔術じゃないだけに効いたようだ。
だが外した斬撃が地面を抉りとり何故かクレーターのようになっていた。しかしこれは【崩壊】のスキルの範囲がこのクレーターということになるのだろうか。これは僥倖(ぎょうこう)である。

俺が邪龍を倒したことはすぐに大陸中に広まっただからは英雄としてもてはやされた。
だが俺は誰も引き連れていなかった。孤独な存在だった。【魔物創生】を使い【君臨】スキルと【強制】そして、【声道創生】スキルを使い喋る使い魔を創り出しても、ただ従うことしか出来ない存在だったのだ。友人が欲しい。
俺はそう思った。
だが今さら人間の友人を作ろうと思っても遅すぎた。今近づいてくる人間は媚に媚を重ねただけの存在だったのだ。つまらなかった。
俺はただ暇潰しに魔物を狩っていただけなのにな。そう思いながら俺は魔境と呼ばれる地を歩んでいた。

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