新しい世界で生きるには

パロす

計画を練ろう!

「今日の消灯時間に二人に話があるから寝ないでね」

そう、「実験体00810」と「実験体00398」の二人に「実験体00041」は言って別れた。

「ふむ、話か。我らにどんな話をするのだろうな?」

「うーん、前から「実験体00041」は何考えてるのか分からないのです」

確かに、「実験体00041」は四年の付き合いになるがよく分からんという言葉が当てはまる程に底が知れない。
だが、大切な友人という事には変わりない。

「まぁ、取り敢えず消灯時間まで待っているか」

「らじゃ!  なのです!  それはいいとしてちょっと尋ねてもいいのです?」

「む?  急にどうしたのだ?」

「どうしてそんな変な口調なのです?」

「ああ、これか。これはな、昔みんなで見せてもらった時代劇って言うのがあったであろう?  あれの影響だ。
口調といえば「実験体00398」も変だと思うぞ。どうして『なのです!』とかバカを演じてるのだ?」

そう二、三年前に大人達のなにかの祝いで時代劇という映画を見せてもらった。その時の時代劇の人の台詞がかっこよくて真似していたのだが、繰り返しは身につくとよくいったものだ。もうそれが「実験体00810」の口調になってしまったのだ。
昔の口調も混ざっておかしくなっているがそこはご愛嬌願おう。

「む、おバカとは失礼なのです!  国語の時間に敬語の勉強したの覚えてるのです?  その時研究者はこう言ったのです!」

「敬語というのは相手を敬う言葉だ。目上の人や偉い人、同年齢でも尊敬出来る人ならばつかうべきだな。まぁ、それが親しい人ならば自由にしろ。それで敬語は語尾に【です】や、【ます】を使うのが基本だな。」

「なので、私なりに喋りやすい敬語を考えた結果がこうなったのです!」

あぁ、なんか残念な子ではないか?  頭が良いとこうなってしまうのか。少し欠点が出てしまうのか。人間完成された者は居らず、どこか抜けてるのを隠してるのかもしれないな。。

この「実験体00398」は飲み込みが早く、理解もできる俗に言う天才なのだ。
しかし今、少し残念な子ということが判明した。

この時はまだ「実験体00810」はこの頭の良さはスキルのお陰というのは知らないので当然である。
まぁ、スキルは生まれ持った力だからただの天才でも間違っていないのだが、スキルは地力の後付けのようなもの。と記しておこう。
でなければ、もしもこのスキルを封印された時、何も出来なくなり廃人となるのだから。

「ん?  研究者ってなんなのだ?」

「あ、そうなのです!  教えてなかったのです!ははあの大人の人達はみんな研究者なのです!」

そう言い始めた「実験体00398」は盗み聞きしたことを教えて貰った。
盗み聞きとは人聞きの悪い!  と怒られたが事実だから仕方ないだ。

「さぁ、消灯時間時間まで我らは話して時間を潰そうではないか」

「賛成なのです!」

こうして我らは他愛のない話をして時間を潰していった。


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駄弁っていたらいつの間にか消灯時間がきた。
話しているとやはり時間が早く感じる。いつもこれくらいの早さで進めばいいのに。

みんな部屋の端にある布団を出して横になっている。「実験体00810」たちはいつもの部屋の隅の場所で、真ん中に「実験体00810」、左に「実験体00398」右に「実験体00041」で横になった。
ある程度時間が経ち、まだ話をしないのか?  と思い「実験体00041」に話しかけようとした。
その時、「実験体00041」から肩をトントンされ、聞き取れるか微妙なほど小さな声で

「今から話をするから「実験体00398」を呼んで。
君の布団の上で話をするよ」

「む?  だが、我らの声は漏れないのか?」

「大丈夫!」

「そ、そうか。」

きっと「実験体00041」が言うからには大丈夫なのであろう。「実験体00041」も「実験体00398」同じで天才なのだから。

彼の頭の回転は「実験体00398」には追いつかないのだが、まるで経験したかのように英雄などの作り話をすることが出来るのだ。想像力が豊かで、言葉も色々と知っている。
特に勇者が邪龍と呼ばれる魔物を『クラウソラス』と呼ばれる聖剣で倒したという話は特に好きだ。
だが何故か彼の語る勇者はいつも1人だったのだ。
「実験体00810」は気になり仲間はいないのか?  と聞いたら

「勇者は一人で十分だったんだよ。勇者について来れる者は誰も居ないほど勇者は強かったんだ」

そういった時は何故か考える素振りも見せずに、しみじみとしたような顔で話していたのが印象に残っている。

「実験体00810」はその話を聞きいて、尊敬に値すると思い敬語で話しかけたのだが、「実験体00041」割と本気な顔で辞めてくれと願い下げられていた

彼は友人のままで居たい。距離を遠ざけられるような気がして寂しいんだ。と言われた時は感激のあまり泣きそうになったが、ご愛嬌である。

話は戻り、「実験体00810」は言いつけ通り「実験体00398」を起こそうと思い肩を叩いたが反応がない。
もしや寝てるのでは?  と思ったが彼女が約束なんて破る訳がないと思い、その想像を消すように頭を横に振った。
そしてもう一度肩を叩くが反応がない。これは……。
耳に息を吹きかけると「ヒィィ!!」と小さな叫び声が聞こえた。慌てて周りを見るが誰も起きていないのでセーフだったようだ。

「な、なんなのです!?  何事なのです!?!?」

「む、やはり「実験体00398」は寝ておったのか。約束を忘れたのか、この戯けめ」

ずっと使いたかった「戯け」という言葉を使えて少し嬉しかった。しかし、本当に天才には残念な部分がある。という価値観が「実験体00398」のせいで「実験体00810」には刻まれてしまった。

「あ、そう言えばそうだったのです!  私としたことが!  で、どうすればいいのです?」

「うむ、我の布団に来るのだ。「実験体00041」が呼んでいる」

「了解なのです!」

ヨツンヴァインになって、「実験体00398」は這い這いしながら「実験体00810」の布団の上に座った。

「お、みんな揃ったかい?  それじゃ…」

そういった瞬間空気が変わったのがわかった。まるでなにかに包み込まれてるような感覚を覚えた。それは「実験体00398」も同じで身をビクッと震わせていた。

「な、なにをしたのです!?」

「あぁ、声が漏れないように僕のスキル【バリアー】を使ったのさ!  ここならスキルを教えても問題ないからね!  僕のこの【バリアー】は外に音を漏らさないことと、軽くなら物理攻撃も抑えられるんだよ!
けど自然現象……そうだね。重力や気温などにはめっぽう強いんだ!  この【バリアー】は凄く便利なんだ。
他にもスキルは【未来視】と【付与】っていうのを持っていてね……」

そう言ってスキルを説明し始めた。
何故スキルを今説明する必要があるのか、確かに自然な流れだったが、研究者が怖いはずだ。
前に話そうとした子がお仕置きを受け涙目になって帰って来たことがあったのだ。だが、確かに誰にも聞かれないスキルを説明できる今説明した方がいい。
そう結論に至り、この思考を捨てた。
それにしても未来視か。未来が見れるなんて卑怯極まりない。そんなことを思っていた。

「実験体00041」の説明が終わった。この流れなら我も教えた方が良いであろうな。
信用もできる仲間なのだから。
「実験体00810」はそう考え、スキルの説明をしようとする。

「あれ?確か「実験体00041」が持っていたスキルは……」

そう言いかけた瞬間「実験体00398」の動きが止まった

「ん?  どうしたんだい?」

そう優しく「実験体00041」は問いかけると

「え?  私何か喋ったのです?」

「いや、特に喋ってなかったよ。ね?  「実験体00810」?」

「む?  でも確かに…」

言い終わる前に頭がクラっとした。
む?  我は何を喋っていたのだ?
あぁ、そうだ、「実験体00398」が喋っていたか聞かれたのだったな。

「確かに喋っていなかったな」

「ほらね?」

「そうなのです?  まぁ、良いのです!  次は「実験体00810」のスキルを教えるのです!」

「うむ。説明するのである!  我のスキルは【マナ貯蔵庫【∞】】【譲渡】【共有】【逆転】【適応】っていうのを持っているのである。」

こうして「実験体00810」も能力を説明した。スキルについては研究者の人達に自分のスキルと使い方を紙に書かれて渡される。

そして、みんなはこのスキルを「特別な力」と呼んでおり、「実験体00810」も「特別な力」などと呼んでいたのが、「実験体00398」はあれはスキルとかいうのです!  研究者達はそう呼んでいたのです!  と消灯時間前に話をされ「実験体00810」も言い方を変えた。

「次は私の番なのです!  私の力は【鑑定】と【天才】【瞬間移動】【重力操作】なのです!  スキルの詳細は……」

そう言って説明していった。ふむ。重力操作であるか、卑怯だな。
そう思った。そして【天才】……か。なるほどこれで「実験体00398」が少し抜けているが.頭が良い理由がわかった気がする。このスキルが無かったら、想像を絶するほどおバカさんだったのであろうか。【鑑定】は言うまでもなく凄いスキルであるな。これがあれば何でも知ることができそうだ。

「瞬間移動!?」

と、1人「実験体00041」は驚愕していた。否、絶叫していた。だが、顔は驚いているような、だがまるで笑いをこらえるような。不思議な顔をしていた。
だがどこかで見たような光景でもあった。
まぁ、たまに見るデジャブだな。そう思い特に気に止めることもなかった。
だがそれよりも友人が急に叫んだことにびっくりした。だが同時に心配もした。

「ど、どうしたのであるか!?!?」

「え!?  何かまずかったのです!?」

その時「実験体00041」ニヤっと笑った

「いや、違うんだ。これからの計画の要になると思ってね」

「計画……なのです?」

「そう、ここを……いや、研究所を脱出して自由な身になる為のね!!」

彼は、笑顔で飛んでもない事を言い放った。

「「えぇぇ!?!?!?」」

「実験体00810」たち、二人で驚愕することしかできなかった。

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