ロストロリアアーツ〜十字架の記憶〜

小鳥遊 遥

道案内 ①

────王室護衛一級魔導師
国の最高機関である王室を護衛する部隊
及び、軍の最高司令官。
どんなコネを使おうともなれない、狭き門。魔導師志望はまずここは狙わない……なぜなら人間的に「無理」なのだ。
普通の魔力のリミッターや、並の頭脳ではその部隊に入れない。
そう……魔力、頭脳、魔導力あらゆる全てがいわゆる「チート」そう
王室護衛一級魔導師はチート集団なのである。




「で?そのチート集団様のちんちくりんは俺になんの用なんだよ……」
俺は面倒臭そうに答えた。
慣れているからだ一級魔導師の対応に。
すると、ちんちくりんは頬を膨らませながらじたばたして
「ちんちくりんじゃないわよ!?三級魔導師も四回落ちるバカな癖に生意気ね!」
「はぁ!?なんで知ってるんだよお前!」
「私をなめない事ね!私は国民の情報は全て暗記してるんだから!」
どんな頭してるんだよ……国民は1億はゆうにこえているぞ……。
「因みに貴方の答案、私が採点したのよ!前回と同じでケアレスミスが多かったわ!」
前回もお前だったのかよ!悪かったなケアレスミスが多くて!
俺はそこでうなだれて頭を抱えた。
頭痛がした。
「くっそ……世の中にこんなちんちくりんでもチートで天才なのに……俺は…」
「そっそんな褒めてもなにもでな「褒めてない!!」
俺が食い気味に答えたことで、ちんちくりんはまたじたばたし始めた。
「さっきから、ちんちくりんって煩いわよ!私はマリアよ!覚えておきなさい、三級も受からない貴方でも覚えられるでしょ!?」
顔が熱くなった、これは怒りか?悔しみか?
「うるせーな!どーせ、俺は受からないんだよ!悪かったな受からなくて!お前なんなんだよ!何が目的で俺に話しかけてきたんだよ!」
俺は涙目で怒鳴った。
周りの人にも見られていたし、軍服の少女に怒鳴っているジャージの男という図は誰からみても異様だろう。
するとマリアは下を向いて何も言わなくなった。俺は不思議に思って顔を覗くと……
「……っく、しょんなにおこらにゃくて……いいじゃない!」
マリアは目にたくさんの涙を溜めて、とうとうしゃくりあげながら泣き出してしまった。
泣きたいのは俺の方だよ!
見るな!町の人よみないでくれ、人だかりを作らないでくれ!
「わっ分かった!マリア、協力するから俺は何をやればいい?」
「ホント!?ありがと!」
……こいつ、すぐ泣き病みやがった
図りやがったな!くっそ、ずる賢い!
「お前……っ!まぁ、いい」
そして、地図を俺の前にばっ!と広げて
「えっとね、道案内をしてほしいのよ!」
と笑顔で笑顔で答えた。
赤く染まった頬に、無邪気な笑顔
よく見るととんでもなくかわいい……
って、は?道案内!?


「そんなのでいいのか!?」



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