キミイロ日記、優しい嘘。

雪村 ましろ

28,別駄停滞。ーわかってたー

兄さんは、やる仕方がないと、僕のいる個室を出ていった。

「冷恋…」

僕の口から自然と出た言葉。
最近あいつのことばかりで嫌になる。

まぁ、冷恋あいつのことだ。
僕の病状を知ったら、馬鹿みたいに泣きじゃくるんだろう。

ーそんな筈ないだろ?ー

っ!?

ーお前のことなんかすぐ忘れるよー

何でそんなこと分かるんだよ。

ー好きなのはお前だけだ。ー

五月蝿いっ!

ー虚しいな、哀しいな、ははっ
馬鹿はお前だろ?彼女はお前の事なんて、ただの暇つぶしに喋る友達以下の存在なんだ。勝手に都合よく解釈すんなよご都合主義め。ー

違うっ!
僕はただ…ただ…

ーなんだ、返す言葉も無いんじゃないか。哀れだな。ー

五月蝿い、黙れ!

ーどうせ、誰も自分でさえも、本当のお前を見てくれる奴はいないんだよ。分かってただろ?お前の兄貴がそうだったようにー

もう、やめてくれ…
これ以上、僕を責めないで。

僕は、頭に響く自分の声に背を向けた。

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