キミイロ日記、優しい嘘。

雪村 ましろ

21,濃恋花。ーこいばなー

「よかったね、もうすぐ退院できるって。彼氏さんも可愛い冷恋ちゃんのこと、きっと待ってるわよ。」

この人は看護師の暁美あけみさん。
その容姿は、1つに束ねられた黒髪に、ほんのり香る柔軟剤など、おしとやかな大人の女性さをかもしだしている。

「…私、彼氏いませんよ?」

「え、やだ…そうだったの?ごめんねー。でも、可愛いからすぐにできるわよー。」

「そう、だと…いいんですけど。」

少し赤らむ頬。
…時雨君に会いたい。

「え、何?もしかして、好きな人いるの?!嘘ぉー!…青春ねー。」

しばらく世間話…と言うか、恋バナをした。
暁美さんは、快海先生が気になっているらしい。

「それじゃあ、若き少女よっ青春を楽しみたまえぇ…なーんて。」

そう言うと、暁美さんは笑いながら個室を出ていった。

さてと…私も行くか。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品