キミイロ日記、優しい嘘。

雪村 ましろ

11,否安。ーふあんー

10月6日。

快海はやみ先生っ」

「あぁ、叶雨さん。おはようございます。」
先生は、丁寧に挨拶をした。

青く澄んだ瞳に、薄い茶髪。
普通にイケメンな担当医は、独身なので、お母さん方に現在進行形で狙われ中。

「おはようございます。あの、私の怪我の後遺症のことで相談があって。」

「そうでしたか。どこか痛みます?」

「えと…この辺りが少し。」

私が撫でたのは左胸。

「心臓に異常はなかったはず…少し詳しく聞かせて頂けますか?」

「はい…」

不安が顔に出ていたのか、先生は大丈夫ですよ、と笑ってくれた。


「どう言った痛みですか?」

「こう…胸をぎゅっと掴まれたみたいな。あとは、どうきがしたり、顔がほてります。体温はいつも通りでした。」

心臓病か、肺が悪いのか…
先生は資料を探しながら、質問を続けた。

「どんな時にその症状がでますか?」

「えっと…」

そう言われてみれば、大抵は時雨君のことを考えているとき、それか、時雨君が笑ったときとか、表情が変わった時。

「時雨君に、名前を呼ばれたとき。」

「…?」

先生が少し困った顔をした。
これだけじゃ分からないか。

「コロッと変わる表情を見たとき、無口なのに優しいとことか、彼の一面を発見したとき、眠むれない日に彼のことを考えているときとかです。」

私は先生に伝わるようになるべく細かく話した。
すると快海先生は少し赤面した。

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