キミイロ日記、優しい嘘。

雪村 ましろ

6,遊鬱。ーゆううつー

10月5日。

朝から雨が降っていた。

今日は面会に来ないよね。
洗濯物を急いで取り入れる母の姿が浮かんだ。
雨の日はだいたい来ない。
電話は5、6回かかってくるけど。

「はぁー…」
深呼吸ついでにため息をつく。

雨はあまり好きじゃない。
湿気が多く、髪のまとまりが悪くなるし、じめじめしてるし。
唯一好きなところと言ったら、1人になれることだろうか。

そんなことを考え、窓の外を眺ていた。


お昼ご飯は、お米と味噌汁、温サラダとキュウリのお漬物、デザートにヨーグルトだった。
まずくはない。
だけど、たまには脂っこいものも食べたい。
健康的過ぎて逆に食欲が失せる。

窓の外はまだ雨が降っている。
憂鬱だ。
あの青年の所にでも行こうか、それとも病院中を散歩でしようか。
散歩は飽きたし…

「ちょっとだけならいいよね…?」

私は湿気で撥ねた髪を整え、席をたった。

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