【実話小説】出会い系シンドローム

ヒロ先生

第4章:誘惑と不意打ち

なぜいきなりそんなストレートな事を聞くのか。こっちはまだ童貞で、経験など無い。
エッチな事するという事はつまり自分でする、って事以外に答えようが無いのだ。つまり僕はそのまま1人エッチをするのかという意味で聞かれたのかと思い、素直に答えた。

「そりゃ・・まぁ時々しますよ」
「えー!どんな風にするの?」
「どんなって、エロ本みたりとか・・」
「ちがうわよー、彼女とって事。」
「えっ!あー!・・彼女いないんで」
「そうなんだ・・何かちょっと意外だね」
「どういう意味ですか?」
「彼女いそうなのに」
「クラスに女子5人しかいないんですよ。理系なんで」
「そりゃ競争率高いよね」

それからクラスの女子の話題になって、体育のときに着替える時は女子が外に出るのか等、そんな事は覚えているがそれ以外にこの話題から発展した事は覚えていない。再度話題が尽きた。

そしてまたお姉さんが唐突な質問をした。

「あのさ・・・一つ聞いてもいい?」
「何ですか?」
「さっき1人でエッチな事するっていったじゃん」
「・・はい」
「どういう体勢でするの?」
「・・は?」
「男の子ってどうやってするのかずっと気になってたからこの際聞きたくて」
「そんなの・・言えないですよ」
「えーなんで!いいじゃない。簡単にでいいから説明して」
「・・体勢なんて口で説明できないでしょ」 
「じゃ、そこでやってみてよ」
「えぇ?」

この人はさっきまで落ち込んでたはずだ。なぜこんなにエロネタばかり振って来るんだろう。
でも、元気になってくれたならそれでいい。むしろ泣いてるよりは綺麗なお姉さんとエロ話出来る方が楽しい。でも、自分の1人エッチの体勢を聞くなんて・・・・正直困った。

「いつも床に寝転んでやるんじゃないんで・・・無理です」
「じゃぁどこでしてるの?」
「ベッドを背もたれにして、床にすわってします」

あぁ・・・恥ずかしい。赤裸々に自分の自慰行為の事を話さなくてはいけないなんて。

お姉さんはまるで自分が興味を持った物をいじる子供のように、僕を質問責めにして色々な要求をしてくる。とても恥ずかしかった。

「そこに座ってないでこっち来てここに腰かけなよ」
「いや、ここでいいですよ」
「別に座って私に一人エッチして見せてって言ってるわけじゃないじゃん?」
「ここに座って話続けるだけだから」

そう言って、お姉さんは普段家でやっている体勢通りに再現させようと、ベッドを背もたれにして座るように命令してきた。仕方なく言う通りに立ち上がり、ベッドにもたれるようにして床に座る。必然的に自分はベッドとは反対のテーブル側を向く事になった。

「お姉さんの顔、見えなくなっちゃいますよ・・・」
「じゃあ振り向けばいいじゃん」
「首が痛いから、体ごとひねっていいですか?」
「ダメ。」

なぜ体ごとではダメなんだ。その方が楽に決まってる。しかしここは従おうと思い、体勢を整えて首だけお姉さんの方を向いた。

座っていたはずが何故か横たわってる。

横向きでこっちを見ているのだが、異常に顔の位置が近い。そんな近くなくていいはずなのに。
しかしそれ以上に洋服の胸元が大きく開いてもう少しで見えそうだ。もうそっちが気になって仕方ない。身体ごと横向いて、もっとその胸元を拝みたい。

「やっぱり首痛いですよ」
「だーめ。そのままで」

前を向いてまた振り返ると、何故か胸元のチャックが振り向く度に徐々に下がっている事に気が付いてしまった。

もしかして、このお姉さんは誘ってるんだろうか。

僕は女性経験がこの頃はなかったけど、エロ本でこんな状況は見た事がある。まさかその状態に僕がなっているとは。しかし襲うったってどうしていいか分からない。お姉さんの上に乗っかって、チャック下げちゃえばいいのか?いや、そしたら実は勘違いで、強姦扱いされても困る。

大体、この人はさっきまで泣いてたんだ。悲しい気持ちだったんだ。それなのに上に乗って襲い掛かるなんて絶対拒否されるに決まってる。そんな事を考えながら話していたらまた首が痛くなったので、少し長めにテーブル側を眺めながら話していた。

お姉さんがベッドの上でガサガサ動いている。
僕は前を向いているので、背後で何をしてるのか分からなかった。
あんまり目を合わせないで話してるのも感じが悪い。
やはりベッド側を向こう。

その瞬間、背後からお姉さんの手が私のおでこに指を乗せた。
そっと優しく、でも少し強引に頭をグイッと後ろに反らした。

僕の目には天井が映り

後頭部がベッドに押し付けられ

眉毛の方から気配を感じ

接近したお姉さんの顔が近づく

一瞬の事なのにまるでスローモーションのように感じた。
直後に、僕の口はそのお姉さんの温かい唇で塞がれた。

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