天魔界戦

皇神凪斗

第27話 瞬殺

「なんでアルマがロキに入れ替わるのよ!」
当然、相手は混乱していた。アルマに陣形を崩された上に、予定外の敵の出現だった。
「どうして!互いの位置が分からなければ入れ替えなんて出来るはず⋯。」
「ハッ⋯この戦闘訓練用の魔法を作ったのは誰だと思っている?
このシステム。このアバター。このフィールド。
全てを作ったのは俺だ。
この魔法の中で、俺に策を仕掛ける時点で間違いなんだよ。」
「なによそれ!卑怯じゃない!」
「お前達も色々企んでいたんだろ?お相子じゃないか?」
「くっ⋯⋯まあいいわ。相手が貴方でも数で押し切る!」
四人で魔法陣を展開する。
「たった四人で?とても勇敢な事だ。」

「え?⋯ど、どういう。なんで、そんな事⋯が。」

ロキも対抗して魔法陣を展開する。
その数は『八つ』
放たれた魔法が激突する。
四つと八つではどちらが勝つかなどは明らかだった。
「あーあ、随分苦労したのに簡単に倒してくれるもんだぜ。」
「ゼツ、お前も少しは魔法を覚えろ。
さて、デッドラインがそこまで迫っている。
速く行くぞ。」






「お前がアルマ⋯か。」
「おう。」
「ロキの奴は俺達を見逃したようだが、失敗だったな。さっきの魔法をお前は使えまい!」
クレイは大剣をアルマに向かって振り下ろす。
「へっ!」
アルマはクレイを右腕を掠める程度に切りつける。
痛みで力んだ腕は振り下ろす向きを変え、アルマの横に振り下ろされる。
「ロキにはロキの魔法があるように、俺には俺の魔法がある。」
アルマは剣を左手に持ち替えつつクレイの足を切りつける。
クレイは態勢を崩し、膝を着く。
そして、アルマの右拳が光り出す。
「『ディヴァインストライク』!!」
その拳をクレイの腹に叩きつける。
魔装で強化され、鋼鉄のように硬くなった身体をアルマの拳は容易く吹き飛ばす。
クレイの身体は背後にいた魔道士を巻き込んでステージ外まで吹き飛んで行った。
「はぁ⋯筋肉バカめ。」
「いやぁ筋肉は僕達と同じくらい何だけどね。ほんと何なんだろうね?」

「よっしゃぁ!俺の勝ち!」


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