天魔界戦

皇神凪斗

第22話 フェイズ2

しばらく海フィールドで敵を倒していたアルマ達は中央の闘技場フィールドに向かって歩いていた。
「アルマ君!やはりロキやメルさん達と合流しましょう。」
ズカズカと歩いていくアルマを何とか止めようとするシャールとそれに賛同するゼツ。
「その通りだ。ここまで大勢を指揮してる奴だ。何かお前を倒す策を考えてるはずだ。」
「そう。ロキと会うべき。あとはどうでもいい。」
「ルルカ。鬱陶しいから少し黙って。」
そして、全く歩く速度を落とさないアルマ。
「ならその策を確認した上で攻略法を考えればいいだろ?それに、フィールドも結構小さくなってる。慎重に考えててフィールドアウトじゃつまんねぇだろ?」
「⋯あ〜あ。ほんと似てるよな。お前とロキって。」
「ん?」
突如、アルマが足を止める。それを不思議に思うと同時に三人は察する。
敵の気配を。

「あー、やっぱ一緒にいんじゃん。」
「本当はアルマさん一人を相手したかったですけどね。」
「全部が全部思いどおりには行かないさ。」
ヤンチャそうな男に冷静な態度を取る女、その他に三人。
計五人がアルマ達を待ち構えていた。

「五人って事はチームじゃねぇよな。」
「そ!俺達はキミを倒すために編成された対策チーム。」
「大勢で消耗させて、隠し球のチームで取りに来たな。アルマの首を。」
「あの人の指示を聞くのは癪に障りますけど、貴方を倒せば実力が認められる。」
「しかも今はおまけ付き。」
「ルルカ、おまけ?⋯あいつウザい。」
全員が武器を出して戦闘態勢をとる。
「おもしれぇ⋯やれるもんならやってみな!」






「あの⋯グラン。」
「あぁ?どうした?」
ずっと様子を見ていた秘書が口を開く。
「バイダック。卑怯じゃないですか?」
「あ〜。まあ⋯な。
とは言え、今回はチームの実力を確かめる事も目的に入ってる。チームの奴らが、他チームと協力して目的を達成するのは悪い事じゃない。
出来れば元のチームで戦って欲しかったが、バイダックと言う人間が参加する以上こうなるだろうとは思ってた。」
「なら参加させなければ良かったのでは?」
「いや、もし奴の策略が良い物ならもしもの時作戦立案者として役に立てられるかもしれん。
本人は戦闘じゃ強くないが策略で大物を捕まえてきた事もある。

奴が他人を必要として、他人が奴の策が必要となればそれも立派なチームの実力だ。」



コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品