天魔界戦

皇神凪斗

第13話 難敵襲来

砂漠地帯ではロキチームによる善戦が続いていた。
「全く。この人数いてまともに相手できる奴らが居ないものか。期待外れだ。」
と思っていた時、ロキの背後から何者かが飛び掛る。
その者は懐から槍を取り出しロキを背後から胸を貫く。
「ロキ・・・!?」
「・・・驕ったな。俺の勝ちだ。」
男はロキから剣を引き抜き、その身体を蹴り倒す。
「いや?そう上手くは行かない。」
貫かれた男の身体が倒れると、その正面に余裕の笑みを浮かべたロキが立っていた。
「何!?」
ロキは素早く剣を振り上げる。男は咄嗟に剣を構え、その一撃を防いだ。
「ほう?少しは遊べそうだ。」
「随分と余裕だな。だがここまでだ。」
次の瞬間、ロキの背後に岩の壁が突き出しシャール達と分断されてしまう。
「お前達が囲まれた状況でも倒されないのは、高度な連携があるからこそ。
分断してしまえば厄介なのはお前だけだ。」
「お前達こそ驕ってるんじゃないのか?雑魚が集まったくらいで勝てると思うなよ?」
「・・・一々腹立たしい奴だな!」
男は瞬き一回程の時間でロキの顔目掛けて剣を突き出す。
ロキは同じ速さで剣先を逸らして躱す。
「!・・・速い。剣を振るのを防ぐ暇が無いとは。」
まさに光速の剣がロキに襲いかかる。ロキも恐ろしい程の速さでそれは防いでいく。





「あのロキが・・・剣術で押されてる?」
「あぁ、あいつはシロウ。魔法による攻撃は行わず、全ての魔力を『魔装』につぎ込みそのスピードとパワーで相手を倒す。」
「ただの『魔装』?ロキには莫大な魔力量があります。いくら圧倒できても戦いが長引けば魔力切れで不利になると言うのに。」

「そうでもねぇのさ。」

「?・・・と言うと?」
「ロキは確かに腕や足に『魔装』を集中させてスピードを体現しているが、シロウは指先一本一本までに集中させる事が出来る。つまり、最小限の魔力で最大限の実力を発揮出来る。」
「つまり、同じ『魔装』でも魔力の消費はロキの方が大きい。それなら魔力量の差なんて関係無いって事ですね。」




シャールとゼツとルルカは多くの魔道士に囲まれていた。
「あいつと分断しちまえば、お前ら如き・・・。」
「魔法で潰しちまえ!」
多くの魔道士が一斉に魔法陣を展開する。
ロキは岩の壁で分断された上、シロウの剣撃でフォローをする暇が無い。
「今頃お前の仲間も蜂の巣だろう。」
「そうだったら嬉しいか?夢を見るのは自由だがな。」

「夢を見ているのはお前だろう。あんな雑魚共がこの状況で生き残れるとは───────」

瞬間、シロウの左腕が舞う。
気づくとロキが剣を振り上げていた。


「煽るのは結構だがな・・・相手を間違えるなよ?」


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