天魔界戦

皇神凪斗

第43話 全滅

「ロキが持つあの魔剣、魔法を防ぐ『天櫃』の中まで空間を繋げられるとは・・・かなり厄介な魔剣だ。」
ミカエルはしっかりと着地すると『転移』で戦場からやや離れた位置に移動。
「戻れ!『天装使兵』」
ウリエル、ガブリエル、ラファエルがミカエルの元へ戻る。
「?・・・何する気だ?」
「・・・君達は強いよ。だからこそ慎重に戦ってきた・・・

もう我慢の限界だ!!
全部吹き飛ばして!君達は終わりだ・・・。」

四大天使が両手を広げ魔法陣を展開。
「『神炎』『神水』『神風』
そして私の『神光』
全てを一度に放つ!!」

「おいおいおいヤベぇぞ!」
「神器、魔具を持つ奴は今すぐ壁を張れ!
他のやつは『魔防壁』だ!
死ぬ気で魔力を絞りだせ!」
「『光魔の大盾』!」
「『灰炎の巨壁』!」
おのおの可能な限り魔力を使い防御魔法を張る。
「君達と私とじゃ魔力量が違うんだよ。その右手をもつ君なら分かるだろう?アルマ。」
「・・・!!」

四大天使の広げた魔法陣が一つに合体。大きな魔法陣になる。
その直後視界が白く染まる。
『光魔の大盾』を抑える手に圧力と熱が伝わる。
みるみるうちに盾が溶け弾かれるように身体が飛ばされる。宙に浮き抵抗も出来ぬまま空を彷徨う。
凄まじい勢いで地面に叩きつけられ、痛みで意識が薄れる。

「クソっ・・・まだ倒れる訳には!」
「・・・そうだね。簡単に死なれても困るよ。」
アルマは胸ぐらを掴まれて持ち上げられる。
ぼんやりする視界の中、ミカエルの顔が見えた。
「見えるかい?アルマ。」
ミカエルはアルマを高く持ち上げる。ミカエルの後ろの風景を見て、アルマは目を見開く。

「嘘だろ。」

いない。立っている者が。
先程まで武器を手にミカエルを睨みつけていた仲間達が。
全員地に伏せ、血を垂れ流す。
文字通り、血に染る地面。

「ようやくだ。ようやく終わる。私の復讐が・・・。」
ミカエルの顔が喜びに歪む。
剣を逆手に持ち、アルマの腹に切っ先を突き立てる。
「簡単には死なせない。まずは・・・。」
アルマの腹に剣が突き刺さる。

その時・・・

「『カウンターダメージ』!」
切っ先に小さく魔法陣。そして、ミカエルの首の後ろにも同じ魔法陣が現れる。
「!?」
剣先が魔法陣に触れると剣先が消え、ミカエルの首の後ろの魔法陣から飛び出す。
それは硬い鱗で弾かれる。
「(ロキか!あいつがまだ生きている!)」
ミカエルはアルマを放し羽を羽ばたかせて飛ぶ。上から周りを見渡す。

「そうくると思っていた。」



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